06/11/06 08:37:14 X9ptU4sg
認知の歪みの定義
1. 全か無か思考(all-or-nothing thinking)
ほとんどの問題は, 白か黒かのどちらかに決めることはできず、事実はそれらの中間にあるものですが、
物事を見るときに、「白か黒か」という両極端の見方をしてしまうことを「全か無か思考」といいます。
<例>自分のやった仕事に少しの欠点が見つかって、「完全な失敗だ」と思う。
いつもAをとっている学生がたまたまBをとって,「もう完全にだめだ」と考える。
このような考え方をすると、「完全に○○である」ということは実際にはありえないの
いきすぎた自分の要求に自らをあわせようとしていることになります。
これは無理なことなので、失敗して自信を失うことになります。日本でも古くから「中庸」ということばが尊ばれてきましたが、
「白か黒か」という両極端の見方をせずに、柔軟にものを見ることが大切です。
普段は柔軟な見方ができている人でも、ストレスがかかった状況が長く続くと、往々にしてこのような硬直した考え方に陥りがちになります。
そしてこのことにより、一層ストレスがかかったり、気分が暗くなったりして、悪循環になりかねません。
「いつも~である」、「完全に~である」、「決して~でない」といった考え方を頻繁にしてないか、一度、自分の思考パターンをふりかえってみてください。
824:名前は開発中のものです。
06/11/06 08:37:45 X9ptU4sg
2.一般化のしすぎ(overgeneralization)
1つの良くない出来事があると,「いつも決まってこうだ」、「うまくいったためしがない」などと考えること。
<例>ある若い男性が、好意を寄せている女性に一度デートを申しこんで断られただけなのに、
「いつもこうだ。自分は決して女性とつきあうことなんかできない」と考える。
このような考え方をすると、いやなことが繰り返し起こっているように感じてしまうので、憂うつになってしまいます。
3. 心のフィルター(mental filter)
1つの良くないことにこだわってくよくよ考え、他のことはすべて無視してしまうこと。
ちょうど1滴のインクがコップ全体の水を黒くしてしまうように。「心のサングラス」ともいう。
<例>会社である企画を提案し、一般の評価はたいへんよいのに、ある人から受けた些細な批評が頭から離れず悩む。
このような思考パターンに陥ると、なにごともネガティブにみてしまうので、気分は、当然暗くなります。
4.マイナス化思考(disqualifying the positive)
単によいことを無視するだけでなく、なんでもないことやよい出来事を悪い出来事にすり替えてしまうこと。
<例 >自分は能力がないと考えている人が、仕事がうまくいっても「これはまぐれだ」と考える(このような考え方をする人は、
仕事がうまくいかないときは、「やっぱり、自分はダメなんだ」と考える)。
「心のフィルター」は、ある出来事の肯定的な側面を無視することをいいますが、
「マイナス化思考」は肯定的な側面の価値を引き下げることになり、いっそう悪い認知の歪みのパターンということができます。