【2次】漫画SS総合スレへようこそpart79【創作】at YMAG
【2次】漫画SS総合スレへようこそpart79【創作】 - 暇つぶし2ch152:永遠の扉
18/09/09 22:34:37.97 j2GJNLEY.net
 斗貴子の周囲で次々に文字が穿たれる。地面に、木の幹に、戦士の死体に、続々と。
『ダイナマイトの戦士やブーメランの戦士』
『あの人たちを光ちゃんや斗貴子さんが逃がしたのって』
『私たちから遠ざけるためだけじゃないでしょ?』
『詳細は不明だけど、何らかの武装錬金で指示が下った筈』
『タイミングは私めへの恐慌に基づく迎撃が始まったころ』
(……見抜かれている…………! やはり鐶の義姉……!!)
『だけど離脱した人たちを個々にツブすのは後回し』
『バスターバロンの土煙に紛れてある程度戦士を間引いた上で』
『離脱されたら』
『邪魔者はだいぶ減ったってコト』
『だから私めはそろそろ光ちゃんとの決着に移れるし』
『光ちゃんがいる限り、アジト強行偵察組の各個撃破は目論むたびツブされるから』
『殺るのは光ちゃんを倒したあと』
 その頃なら強行偵察組もヒトカタマリになっていて、潰しやすいでしょ? ……という文字を最後に弾痕は途切れた。
「そ! こっちの通常攻撃なら完封できるドラっちが、にひっ、残られるというなら頃合でしょう。俺っちと青っちの真のコンビ
ネーション! そいつで光っちとの決着ジャマする方々封じさせていただきますので! なにとぞお覚悟を!!」
 からりとした声のわずか2分56秒後。

「どうしろって……言うんだ…………!」
 燃え盛る森の中で、斗貴子は膝をつき戦慄いていた。かつてない地獄だった。銀成の寄宿舎のとある夜あじわった恐怖
の何千何万倍の震えが止まらない。暴動、だった。撃ち合ってはならない者たち同士が互いの血を流しあう、狂乱の舞台
だった。
「そんな……。あらゆる天気が、通じない、なの…………!?」
 戦士たちを襲う幻影に着弾した雷轟は付近の樹齢300年ほどの太い木をロールケーキのように引き裂く威力だったが、
しかし攻撃すべき本命は揺らぎさえせず戦士を襲い……そしてまた混乱は大きくなった。
「奴が叫ぶ。大地が鳴る」
 火の発災を催しつつある山あいの、うすく紅蓮が滲んだ蒼穹に巨人が踊る。遠ざかった筈のバスターバロンが徐々にだが
確実に斗貴子たちの戦場に近づきつつある。
「巨大魔神激突」
 笑顔の少女は歌い、踊る。その背後の空に、彼女の真名どおりの場所に、殴りあう真鍮の巨人、2体。
「ここまで来たらもうどこにも 逃げ場所はないー♪」
 なみなみとドレープの寄った可愛らしいスカートを体ごと一回転させた清純な美少女は、茶目っ気たっぷりにその裾を銃把ごと
ちょいと摘みつつ、もう片方……右手のサブマシンガンの銃口を義妹の額に、鳥型の章印(きゅうしょ)ある額に、密着させた。


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