18/05/03 09:35:20.88 aYBwGPxKd.net
>>14
行末の文字化けを除けば紛れもなく本物
途中までの成果物↓
スポーツをテーマにした映画やドラマはその道の専門家やマニアが観ると、そのディティールにがっかりしてしまうことが少なくない。
競技の中には映像化する際に、そのリアリティを追求するものが難しいケースもある。
「競馬」などはそのいい例ではないだろうか。
しかし、この「雪に願うこと」という映画はマニアックなファンが多い「ばんえい競馬」を見事に映像で表現している。
サラブレッドの約2倍、馬体重1トンのばん馬たちが2つの障害(山)を登り降りして、200メートル先のゴールを目指す「ばんえい競馬」。
北海道帯広市でしか行われていない、世界でも唯一の競馬がこの映画の舞台である。
この映画の撮影が行われていた当時、出演者たちは厩舎地区に寝泊まりして、ホースマン達の仕事を経験し、役作りをしていたという。
この映画がばんえい競馬を良く知るマニア達を納得させたのは、単にその競技を忠実に再現したという理由だけではない。
それぞれの出演者たちの演技がこうした役作りの結果、リアルな「ホースマン像」を演じていたことも大きな要因となっているに違いない。
口下手で気に入らないことがあるとすぐに暴力に頼ってしまう調教師。
遊び人で厩舎の仕事をサボって夜遊びしてしまう厩務員。
騎乗馬に恵まれず、悩む毎日を送る女性騎手。
決して人として優れている訳ではない。ホースマンとして一流とは言えない。
でも競馬場の厩舎にはそんな人たちが当たり前のように存在する。
そんな登場人物たちと東京で事業に失敗し、故郷に逃げるようにして帰ってきた、
主人公である調教師の弟との人間模様が、リアルでかつ印象深いストーリーに仕上げている。
この「雪に願うこと」が公開されたのは2006年。
この年の東京国際映画祭で4冠を獲得した他、同年のJRA賞馬事文化賞にも選出され、サラブレッドの平地競馬しか知らなかった人々の間でも
「ばんえい競馬」の認知度が高まるきっかけを作った映画でもある。