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2021年4月18日、韓国・世界日報によると、新型コロナウイルスのワクチン接種に用いられる韓国製の最小残余型(Low Dead Space, LDS)注射器から異物が見つかり、一部が回収された。同記事は「防疫への信頼度に大きな打撃を与えた」と伝えている。
防疫当局によると、韓国メーカーが製造したLDS注射器について、異物混入が21件確認された。70万本を回収予定で、16日現在、約63万本が回収済み。ただ、すでに50万本がアストラゼネカ(AZ)製ワクチンの接種に使用されたという。見つかった異物は繊維質で、製造に当たる作業員の衣服と推測されている。注射器で薬剤を吸い上げる際に看護師が肉眼で異物を発見しており、ワクチン接種には用いられていないとみられている。
ただ、問題の注射器が50万本も使用された後での異物混入の発表について、「意図的に遅らせたのではないか」との声も上がっているようだ。最初に異物混入の報告があったのは2月27日で、3月18日に使用中止の措置が取られていた。発表までは1カ月以上かかったことになる。
LDS注射器は、捨てられるワクチンを最少化するために作られた特殊な注射器で、ワクチン1本につき1~2人多くの人への接種が可能になるという。韓国政府はこの注射器を新型コロナ感染診断キットと共に「K-防疫」の成果として掲げ、大々的に宣伝していた。文在寅(ムン・ジェイン)大統領も注射器メーカーを訪れ「診断キットに続き、K-防疫の優秀さを改めて示した」と称賛していた。ただ、LDS注射器メーカーは3社あり、文大統領が訪問したのは異物が見つかった注射器のメーカーではないという。
最大野党「国民の力」は「国民の命をうそつき政府に任せねばならないのか」「ワクチン関連の政府のうそは、きりがない」「政府が誇るLDS注射器から異物が見つかり、国民の不安感ばかりが増幅されている」「政府は無能だ」と激しく批判している。
韓国のネットユーザーからは「製造メーカーの責任を追及するのが普通なのに、政府の責任にしようとしている」「企業の品質管理が悪いのに、それも政府の責任なのか?全ては政府のせいで、野党は何も責任がないのか?」「まるで注射器を文政権が作ったみたいな書き方だな」「韓国の新聞社が、国のためになる記事を書くどころか、こんなものを書いて、何がしたいのか」など、政府を擁護するコメントが多数寄せられている。
一方で、「文大統領はもう何もしないでくれ。あなたが関わると問題が起きる」「無能な文大統領。一日も早く政権交代を」など、厳しい批判も多く見られた。(翻訳・編集/麻江)