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国民民主党は8日、年収が103万円を超えると所得税が発生する「103万円の壁」の解消といった政策の実現に向け、自民、公明両党との政策協議を開始した。自らの主張する政策を前面に押し出しつつも、財源論は与党側に押し付けるなど強気の姿勢で交渉に臨む。「手取りを増やす」政策を掲げ衆院選で躍進を果たしたが、実現できなければ有権者からの支持を急速に失う恐れもある。
「集めた税金を使う役所の論理ではなく、税金を払っている国民の立場に立って議論していく」
国民民主の榛葉賀津也幹事長は8日の記者会見で自公との政策協議について、こう意気込んだ。
今後、国民民主と自公は補正予算と税制を分けて協議を進めていく。国民民主が求めた補正予算での災害対策について、自民側は「補正を詰める中でしっかりと検討していく」と回答し、公明も前向きな受け止めだったという。
争点は税制だ。国民民主は基礎控除と給与所得控除を合わせた非課税枠を現行の103万から178万円に引き上げるよう訴えている。政府は引き上げた場合、国と地方を合わせて約7兆6千億円の減収になると見込んでおり、政府・与党側からは財源について疑問視する声が上がる。
だが、国民民主の玉木雄一郎代表は7日、必要な財源について「7兆円かかるなら、7兆円をどこかから削るのは政府・与党側の責任だ。われわれはとにかく103万を178万円にしてくれと要請していく」と与党側に対応を求めた。
この強気の背景には有権者からの支持がある。衆院選では議席数が4倍となり、その原動力は「103万円の壁」解消の訴えだ。榛葉氏は8日の記者会見で「衆院選前半から中盤にかけてどんどん『103万円の壁』解消への期待が高くなった」と振り返る。
高い期待は失望に変わる可能性も秘めている。国民民主幹部は政策協議に関し「支持者も『元気』になり、要望する政策を絞るとあきらめたと思われる。見せ方が重要だ」と苦悩をにじませた。(深津響)
産経新聞
2024/11/8 19:00
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