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自民党総裁選で小泉進次郎元環境相が打ち出した解雇規制の見直しを巡り、SNS(ネット交流サービス)で「解雇されやすくなるのでは」と不安がる投稿が相次いでいる。小泉氏は発言を軌道修正しつつあるが、波紋は収まる気配を見せていない。
小泉氏は6日の出馬記者会見で「日本経済のダイナミズムを取り戻すために不可欠な労働市場改革の本丸である解雇規制の見直しに挑みたい」と表明。企業が整理解雇を実施するのに必要な4要件(解雇努力の回避など)の見直しに言及した。
すると、X(ツイッター)やメタ社が運営するスレッズは、失業を案ずる声であふれた。
「解雇規制緩和、怖すぎる。育児、介護、病気などの事情を抱えた社員は真っ先に解雇され、会社にとって都合良い人間が残り、昭和の長時間労働社会に逆戻りしそう」
「この年で次の仕事探すのキツいな……。馬鹿みたいに高い税金払い続けて、いつ解雇されるか怯(おび)えながら過ごさなあかん」
Xでは一時、「解雇自由化」という言葉がトレンド入り。「いつ首切られるかも分からない不安の中で仕事させたもんなら、絶対うつ病患者とか自殺者とか激増するだろ……」と社会への悪影響を懸念する声もあった。
反対に「規制を緩和しないと、働かない人を解雇できない」と、企業の人員整理が進むことを期待し、小泉氏を擁護する意見もみられた。
その後、小泉氏はテレビ番組などで見直し案について問われ、「(解雇規制の)緩和でも自由化でもない」とトーンダウン。大企業に限ってリスキリング(学び直し)や再就職支援の強化など行うもので、解雇をしやすくするものではないと、釈明に追われた。
だが、こうした主張について「何を言っているか分からない」と冷ややかにみる投稿もあった。
また、小泉氏が曽祖父から4代続く世襲議員であることから、「普通の家庭に育っていたら、履歴書100枚書いても就職が決まらない友達とか、ブラック企業で壊れた友達とかいて、氷河期世代のつらさが一番分かる年齢なのに」「世襲議員は辞職させないと納得できない」と辛辣(しんらつ)な意見もあった。【高橋由衣】
毎日新聞
2024/9/16 07:30
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