20/04/01 21:12:44 7UrvcYj/9.net
安倍晋三首相は1日の参院決算委員会で、新型コロナウイルス特措法に基づく緊急事態宣言の発令に関する判断をめぐり「最悪を想定し、既にさまざまな可能性などについて準備を進めている」と述べた。即時の宣言については否定的な認識を示した。これに対し、東京都内での感染拡大を受け、国に早期の発令を求めてきた日本医師会は、医療は危機的状況にあるとして、この日、国に先立ち「医療危機的状況」を宣言。爆発的感染の前の発令を、あらためて求めた。
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首相はこの日も、緊急事態宣言の発令について慎重な発言を続けた。緊急事態宣言をめぐる国会への事前報告の手続きについて「宣言を出すというのは、相当厳しい状況で、スピード感も必要ということも理解いただきたい」と主張。「今この時点で、宣言を出す状況ではない」とも述べた。一方で、都内で爆発的感染が起きた場合の対応に関して「最悪を想定し、既にさまざまな可能性などについて準備を進めている」と述べ、含みを持たせた。
緊急事態宣言が出た場合、海外のような外出禁止など強制的措置になるのではないかと、国民は不安を持っている。首相はこの点について「フランスのようなロックダウン（都市封鎖）ができるのかといえば、それはできない」と否定。日本の法律上、強制力は弱いとの認識を示した。
また、首相は、再利用が可能な布マスクを「1住所当たり2枚ずつ」配布すると表明した。再来週以降、感染者の多い都道府県から順次、配布する。
緊急事態宣言に慎重な政府と対照的に、現場、特に実際に患者の医療に当たる人々の認識は相当、深刻だ。早期の緊急事態宣言を求めてきた日本医師会は1日、政府に先んじて独自の「宣言」に踏み切った。
会見した横倉義武会長は、感染実態は、医療に危機的な状況を招いているとした上で「医療危機的状況」を宣言。「感染爆発が起きてから（の緊急事態宣言）では遅い。今のうちに対策を講じておくべきだ」とした上で「医療現場としては、危機的状況宣言をしてもいいのではないか」と、強い危機感を示した。
医療現場が逼迫（ひっぱく）していることは、この日の政府の専門家会議でも指摘された。会議後の会見では、東京、神奈川、愛知、大阪、兵庫の5都府県について「医療体制が切迫している。今日、明日にでも抜本的な対策を講じる必要がある」との指摘がなされた。同会議の脇田隆字座長（国立感染症研究所長）は、感染源が追えない患者数が拡大している東京都と大阪府では、「感染拡大警戒地域」に含まれるとの認識を表明。クラスター（感染者の集団）が頻繁に見つかっているとして「医療現場が機能不全に陥ることが予想される」と、懸念を示した。
日刊スポーツ
2020年04月01日20時48分
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