18/04/24 05:56:21.63 N+3lJXjn0.net
>>176
... ドキュメンタリー的な映画でもありますので、普通の劇映画とは違い、主人公二人はなかなか巨悪に辿り着けません。
真相に近付こうとして、秘密を知る者に辿り着いても、すぐにその微かな糸は切れてしまう。
それを延々と繰り返し、ようやく世間の目の届くところに出してきても、
今度は立件できるかどうかという問題も発生し、司法の厚い壁が立ちふさがる。
ひたすらに証拠を探り、否定されても、また新たな証拠を見つけ出す。根気のいる作業であり、執念の取材で巨悪、つまり現職の大統領を何年もかけて、じわじわと追い込んでいく。
骨太の作品であり、権力の妄執の凄まじさが伝わってきます。
何が凄いといって、劇中にニクソン大統領自身が妨害を指示するシーンはまったく出てきませんし、
事件に大いに関係してくる主要な登場人物としてあれこれとシーンを作って、ニクソンのキャラクターを描いた方が簡単に観客に伝わるにもかかわらず、
あくまでもニクソンを追い詰める記者たちサイドの視点からのみ物語を進めてくる。
しかもこの方がより権力の暴走と恐ろしさが見えてくる。日本でこういう映画は作れるのだろうか。
あれだけ世間を騒がせた、ロッキード事件もリクルート事件もまだきっちりと映画化されていない。これでいいのか?
ちなみに原題は『All the Presdent's Men』であり、直訳すれば 全ての大統領の部下とでもなるのでしょうが、
これはマザー・グースのハンプティ・ダンプティの歌に出てくる“All the king's men”から取っているのでしょうから
「覆水盆に返らず」とか「後の祭り」というニュアンスも含まれるのではないかと思います ...