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週刊女性PRIME / 2017年12月1日 22時45分
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よくある話と警察に言われ、それでも伊藤詩織さんがレイプ被害を実名告発した真意
「男女の問題」でもなく、「個人の問題」でもなく、暴力を抱える、この社会の問題―性暴力を巡る問題についてそう語るのは、レイプ被害を実名で告発した伊藤詩織さん。警察から“ブラックボックス”“よくある話だから難しい”と何度も言われながらも、現状を変えるため声を上げた伊藤さんにインタビューを試みた。
その女性は、まっすぐに目を見てこう言った。
「また闘うんですね? なんて言われるけれど、私、加害者への怒りから訴えを起こしたわけではないんです。真実を知りたい。そして、性暴力の問題を目に見えるようにして、何が改善できるのかという話をしたい。そのために自分の体験を語っているんです」
『被害者A』でも『闘う女』でもない。元TBS記者の山口敬之氏から受けたレイプ被害について、実名で告発したジャーナリスト・伊藤詩織さんだ。伊藤さんが見つめてきたこと、いま、伝えたいこととは? 帰国中の彼女に話を聞いた。
─手記『Black Box』で実名を明かしている。どんな思いがあったのか?
「家族に迷惑をかけないよう名字を伏せてきましたが、5月に会見をした時点で、本当は実名で話さなければいけないことだと思っていました。ドキュメンタリーを撮るなかで、取材対象者の背景を伝えることは重要だと思っていましたし、そこを隠して話したところで確かに伝わらない。
被害を受けても生き続けなければならないし、私のような被害に遭った人たちは普通に、周りにいます。名前もあるし、顔もある。なのに異質な人、被害者Aとくくって見られる。そのイメージを壊さなければ、性暴力の問題が可視化されない。そう思ったのが実名を出したきっかけです」
─訴えた勇気を称えられることもあれば、「被害者らしくない」と叩かれることもあった。司法記者クラブでの会見後、服装を揶揄したり誹謗中傷をしたりする声がネット上で相次いだ。
「会見前、信頼するジャーナリストから、リクルートスーツで行くようにと助言され、なぜ!? と言い返したんですが結局、彼の言うとおりで。“白いシャツのボタンを首までしめて着て、泣いて、もう話せませんと退場したら信じたのに”という声があったり、インスタグラムで私の姿を見つけて、“事件から2か月後、カメラ持ちながら笑ってるよ”とコメントがつけられたりしていました。
会見後、知らない女性から“同じ女性として恥ずかしい”とメールをいただいたこともあります」