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「移民」政策はとらない 成功例重ね「名より実」
外国人材と拓く(5)
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「いわゆる移民政策をとる考えはない」と安倍晋三首相はなぜ繰り返すのか。「正直怖いところがある」(政府高官)。
保守層の反発など世論の反応を読み切れていないというのが実態に近い。
政府はこうした訪日客への対応に役立つ海外のサービス人材を特区で働きやすくする方針だ。成功例を積み重ねて
全国に広げる長期戦となる。
「移民」という言葉を封印するなかで、自民党の労働力確保に関する特命委員会(木村義雄委員長)が昨年5月に
まとめた報告は政権中枢の「本音」に近い。技能実習生を「就労目的の在留資格」による労働者に改め、きちんと管理する。
そのうえで「在留期間については当面5年とし、更新可能とする」提言だ。
外国人は日本での在留期間が10年以上になると永住権を申請できる。5年の在留期間がもし更新できれば技能実習生に
定住・定着の道が広がる。「移民」という言葉を使わずに風穴をあける策だ。
外国人労働者が15年の91万人から1年間で108万人に増える現状を見て、首相の「移民政策をとらない」という発言を
「詭弁(きべん)だ」と批判するのはたやすい。
しかし「移民」という言葉は「議論する人と議論する場により、想定する内容に齟齬(そご)が生まれやすい」(経団連)ことも
また事実だ。
人口安定に年20万人流入必要 出生率向上とセット
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日本経済研究センターは出生率を1.8%に、外国人受け入れペースを年20万人にそれぞれ引き上げれば、2100年以降の人口が
9千万人で安定すると試算する。
試算は外国人の受け入れを徐々に増やして、2050年以降は純流入者数を年20万人規模にすると想定した。この場合、足元で
2%の外国人比率は50年に6%、2100年に13%へ高まる。
外国人の年20万人流入となると、非現実的な受け入れペースと感じるかもしれない。しかし、16年末時点で日本に滞在していた
外国人数は238万2822人。1年間で15万633人増えた。1年間で増えた在留外国人数は、13年が3万2789人、14年が5万5386人、
15年が11万358人で年々拡大している。