16/04/05 21:50:08.54 CAP_USER*.net
「世界で最も貧しい大統領」として知られる南米ウルグアイのホセ・ムヒカ前大統領(80)が5日、初来日した。
ムヒカ氏は昨年退任するまで5年間、大統領公邸に住まず、給与の9割を貧しい人々のために寄付し、月額1000ドル(約12万円)ほどで生活した。80年代から今に至るまで、首都郊外の農場で質素な暮らしを続けている。
ムヒカ氏を一躍、世界的な有名人にしたのは、2012年にブラジルの国連会議で行った演説だ。市場経済による消費増大社会を痛烈に批判し、「より便利で、より豊かで、私たちは幸せになったのでしょうか」などと問いかけた“伝説のスピーチ”は、ネットを通じて世界中に拡散した。
日本でも14年に「世界でいちばん貧しい大統領のスピーチ」(汐文社)という絵本になり、きのう現在で累計19万3000部のベストセラーに。そんなムヒカ氏が出版社の招きで初来日するこのタイミングで、「おまえも見習え」などとネット上で猛バッシングされている男がいる。血税5000万円の“海外豪遊出張”で非難ゴウゴウの舛添要一都知事(67)だ。
舛添知事は昨年10月27日から7日間の日程で、パリとロンドンへ出張。総勢20人の“大名旅行”で、舛添知事はファーストクラスを利用し、最高級ホテルのスイートルームに宿泊した。と思ったら、今度は12日から5泊7日の日程で米ニューヨークとワシントンへ“花見外遊”に出かける。
1日の会見で、香港の記者から「ロンドンとパリの出張に対する批判が完全に消えたわけではないが」などと突っ込まれた舛添知事は、言うに事欠いて「香港のトップが二流のビジネスホテルに泊まりますか。恥ずかしいでしょう」などと強弁してみせた。ネット住民じゃなくても「おまえの方が恥ずかしい」とため息をつきたくなる。
歴史作家の加来耕三氏がこう言う。
「幕末から明治にかけて海外留学した日本人は、国を背負っているという矜持を持って海を渡ったわけです。そして彼らは堂々として気品があり、知性的だと評価された。問われるのは品性であって、見えを張ったお金の使い方ではない。そもそも江戸の町、つまり東京をつくった徳川家康は質素倹約を命がけで説いている。上に立つ者がぜいたくをすれば人心が乱れ、太平の世が乱れると真剣に考えていたからです。その東京を代表する人間が恥ずかしさの意味をはき違え、ぜいたく旅行をしているようでは、家康も泣いていると思いますよ」
清貧のかけらもない舛添知事はムヒカ氏の爪の垢でも煎じて飲むべし、だ。
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