16/07/06 17:54:43.18 .net
ダップウィルス―通称、脱糞症。
ダップ=N=ベンジョミンとかいう外人の博士が発見したらしい感染症を起こすウィルスである。
現在日本各地で猛威を振るっている流行病で、ニュースでも連日報道されていた。
インフルエンザとノロが合わさったような病原体……空気感染し猛烈な下痢を引き起こすのが特徴だ。
「あ、ぎっ……まさか、ダップ……あぁ、いやっ!無理、トイレ……あ゛っ、やだっ!み……見ないでぇぇぇ!!」
通勤通学時間の駅前通りに女の子の悲鳴が響き渡る。道に溢れかえる通行人の合間、悲鳴の元には別の高校の生徒らしいブレザーを着た女子学生の姿。
ポニーテールで快活そうなその子が腹部を押さえて歩道に膝をつく……直後、悲鳴に混じって響く排泄音。
通行人がまたかといった様子で顔を顰めた視線の集まった先、少女のスカートの中から下着がズリ落ちる……漏らした大便の重みで。
「あ゛、あ゛ぁぁぁっ……なんでっ、やだ……止まって、ん゛う゛ぅぅぅっっ!あぎい゛ぃぃぃっ……見ちゃダメぇぇぇっ!!」
宿便まで全て出し尽くす勢いで路上にて糞便を漏らし続ける少女……これがダップの主な症状であった。
潜伏期間中は特に自覚はないが、発症と同時に急激で強烈な腹痛が発生……立って歩けないほどの排泄欲求だそうで、大抵はその場で漏れてしまうらしい。
体構造の関係で若い女性の罹患率が極めて高く、通勤通学風景の中に大便を漏らす女学生やOLの姿が混じるのは近頃ではそう珍しいことではなくなっていた。
「お゛、あ゛……やだぁ、もういやぁぁ……んう゛ぅぅっ!あ゛、ぁぁ……見ないで、撮らないでぇぇ……!」
顔を押さえて蹲る女の子。ようやくスカートの裾から溢れ出る下痢便は収まったが、その足元には軟便の沼が出来ていた。
ローファーとニーソを下痢汁で汚しながら泣き崩れたその子を心無い人達はスマホで撮影したりしている。
早く救急車が来てくれることと女の子の無事を祈りつつ、私はその場を後にして駅舎へ足早に向かった。
『間もなく発車いたします、閉じるドアにご注意下さい―』
丁度、駅のホームに停車していた車両へと乗り込む。と……人の群れが避けている出入り口が一つ、その前には大量の大便が堆積していた。
ホームに向かう途中……駅員に支えられて泣きながらトイレに向かったセーラー姿の女子中学生を見たが、その子のものだろうか?
発車寸前の窓の外、向かいのホームで私服姿の女性……音大生だろうか?が楽器ケースを落として必死の形相でお腹を押さえていた。今日は多いなあ。