20/03/21 22:14:25.18 .net
『獅子』と言うと、現代ではアフリカのサファリなどに住む肉食獣ですが、中国の古い説話に登場する獅子というのは、想像上の動物です。
中国の清涼山に棲むという、ありがたい霊獣なのです。
清涼山とは中国山西省東北部,五台県にある仏教の名山で、いちばん高い峰は,標高3,000mもあります。
『華厳経』に出てくる文殊菩薩の住む所、清涼山がこの五台山であるとされ,普賢菩薩の霊地である峨眉山,観音菩薩の霊地である普陀山とともに,中国仏教の3大霊山と言われます。
『獅子が子を千尋の谷に落とす』という言われは、謡曲「石橋(しゃっきょう)の作者が、すごく深い谷にかかった石橋のある天台山と、五台山を混同したか、意図的にミックスした物語からです。
『尋』は昔の長さを測る単位で、大人が両手を一杯に広げた長さをいいます。明治時代に1尋=6尺(約1.818m)と決められましたが個人差もあるので1尋=5尺(1.515m)とする場合もあります。
で、谷が『千尋』ということは1818m。落とされる子獅子にとっては相当なカタストロフィーですね。