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令和3年9月30日判決言渡 同日原本領収 裁判所書記官
令和元年(ワ)第35167号 独占禁止法に基づく差止等請求事件
口頭弁論終結日 令和3年7月16日
(3) 被告によるインクジェットプリンタの販売状況
ア 被告は,遅くとも平成30年9月以降,型番「DCP-J577N」,型5
番「MFC-J898N」及び型番「DCP-J978N」のインクジェ
ットプリンタ(以下,順に「本件プリンタ1」,「本件プリンタ2」,「本件
プリンタ3」という。)を販売している。
イ 被告は,平成31年3月以降,型番「MFC-J998DN」及び型番
「MFC-J998DWN」のインクジェットプリンタ(以下,順に「本10
件プリンタ4」,「本件プリンタ5」といい,本件プリンタ1から本件プリ
ンタ5までを併せて「本件各プリンタ」という。)を販売している。
(以上につき,争いのない事実)
(4) 本件各プリンタの設計及びその変更
ア 本件各プリンタには,カートリッジ装着時等に,プリンタとカートリッ15
ジとの間の回路に3.3Vの電圧をかけ(以下,この回路を「3.3V回
路」という。),プリンタがカートリッジの情報を読み取る機能(以下「本
件認証機能」という。)が備えられている(争いのない事実)。
イ 被告は,平成30年12月頃以降に製造した本件プリンタ1から本件プ
リンタ3まで並びに本件プリンタ4及び本件プリンタ5(以下,併せて「本20
件新プリンタ」という。)において,プリンタとカートリッジとの間に新た
な回路(以下「1.5V回路」という。)を設け,カートリッジ装着時等に,
本件認証機能を作動させるより先に,1.5V回路に1.5Vの電圧をか
けて電流量を計測し,一定の電流量(以下「本件基準電流量」という。)を
超える電流量を検知した場合には,3.3V回路に電流を流すことなく,25
「インクを検知できません 01」というエラーメッセージを表示するよ
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うにした(以下「本件設計変更」という。)(乙2,弁論の全趣旨)。
(5) 原告ら及び被告によるカートリッジの販売状況
ア 被告は,本件各プリンタにおいて使用可能な「LC3111」シリーズ
という名称の純正品カートリッジ(以下「本件純正品カートリッジ」とい
う。)を販売している(争いのない事実)