【厨弐病】世界樹の迷宮脳内妄想設定スレ 第7階層at POKECHARA
【厨弐病】世界樹の迷宮脳内妄想設定スレ 第7階層 - 暇つぶし2ch266:名無しさん@お腹いっぱい。
16/09/06 23:06:50.02 5fs39WFJ.net
ミリア・バッシュ
『燃ゆる命』
(ネクロマンサー女2 当時20才ボイス33)
由緒正しきバッシュ家の次女で、将来有望なウォーロックだったが16の時に余命5年と診断され、家出。
その後流れ者のネクロマンサーとして死に場所を求めて戦い、各地の戦場で名を轟かせていた
そんな時世界樹の噂を聞きつけ、もしかしたら寿命を延ばす手段があるかもしれないと
徴兵を無視してアイオリスに向かった結果、軍から怨みを買ってしまう
性格は粗暴で強気だが、本来は弱気で誠実な性格をしており、死にゆく自分を弱く見せない為にわざと性格を変えている
ギルド解散後、クーデターを起こした革命軍に身を隠し、22才までその頭脳を発揮し続け、戦争の終結を見守りつつ亡くなった
トロンの叔母に当たる人物

カレト・ウィークレス
『強き友情』
(ハウンド男アナザー1当時18才 ボイス1)
雪原の母子家庭に産まれ、小さい頃から、森や山で動物達と遊んでおり、特に犬のヴオッゾとコーレンとは兄弟のような仲だった
しかし10才の時に母親が他界し、1人での生活を余儀なくされそれ以来、厳しい自然の中を森の仲間達と共に生き抜いてきた
その為非常に身体能力が高く、大戦時に徴兵されるが、兵士がコーレンを傷つけた事に激昂し、兵士に重傷を負わせて逃走した
その後逃亡生活の中、意識の戻らないコーレンを助ける方法を探してアイオリスにたどり着く
冷静沈着でシビアな性格で年以上に大人びているが友情を重んじ、時に熱く敵に立ち向かう
ギルド解散後、反乱軍に加入し、20才で戦死するまで、前線で戦い続けた
フレイアとは腹違いの兄弟ではあるが、当のフレイア本人は気がついてない
フレンシアン・クロフィールド
『固き決意』
(シャーマンアナザー女1 当時14才ボイス36)
親が戦争に出た後、当時1才の妹を育てるため徴兵を無視していたが、ある日妹が軍に人質に取られ、返す条件として世界樹の秘宝か軍に加入するかの選択を迫られる
軍に入ったところで、自分の体が耐えられない事を知っていた彼女は世界樹の踏破を決意し
【ブルースカイ】に加入する
当初は妹の為に皆をどこかで出し抜いて秘宝を手に入れるつもりだったが仲間と探索していく中でやはり自分には皆を騙すことはできないと思い直す
弱気で臆病だが好奇心が強く、とても素直な性格で騙されやすい
ギルド解散後、単身で軍に突撃し、背中に大量の銃弾を浴びながらも妹を守りきり友人に届けた後、軍に投降し、処刑された
なお、この事件については軍が機密裏に処分しており、彼女に関する文献のみ異常に少ない
ちなみにコルトレミアは自身に姉が居たことすら知らず、預けられたら友人夫婦を両親だと思い込んでいる

・先の大戦
18年前、種族間の対立が元に巻き起こった戦争で、三年間続いた後、【ブルースカイ】が前人未到の第4階層に到達した事もあり、種族間の協力を重んじる動きが加速し、各種族でクーデターが勃発
その後和解という形で戦争は終結する

267:名無しさん@お腹いっぱい。
16/09/07 12:58:46.43 LKaSJ7BY.net
ここに触発されて設定を膨らませ始めたら4人目で4000字近くなって何の冗談かと
まだあと2人いるんだぜ…控え含めたらもっといるんだぜ…先が長いよ

268:名無しさん@お腹いっぱい。
16/09/07 15:05:34.38 qKKzcyD3.net
>>265
前日譚てのはキャラの生まれ行動顛末が揃ってるから独立した読み物として見れるなー
ネクロになった子とシャーマンの子の話はダークで切ないけど好き

269:名無しさん@お腹いっぱい。
16/09/07 18:55:10.80 LORi4odV.net
>>268
ありがとう
今回は初めは普通の冒険だけど、すこしづつ明かされる真実ってのを考えてる
一応『ブルースカイ』が25階にたどり着いた後を一部の人物が知ってるからそこで明かされるみたいな

270:名無しさん@お腹いっぱい。
16/09/07 22:05:32.28 IOZnCdDl.net
初挑戦でどうにか水晶竜sageして四層突破……何回ドMがひぎぃして、その立て直しのために何回ひぎぃの杯使ったかもう覚えてないわ……。

271:名無しさん@お腹いっぱい。
16/09/08 01:20:07.91 +v7qFwWo.net
ハイアンドローの人か、5層は楽しいぞ!(白目)
先制取られるだけでHAGEるからな!!

272:名無しさん@お腹いっぱい。
16/09/08 06:41:54.15 czBk4awS.net
WRDSHの者です
異世界転生設定の第二ギルドの設定を
…は時間がないのでとりあえず概要だけを
『アマユミ』
世界樹の迷宮解禁と同時に名を挙げ始めたギルド。
メンバー全員が異世界出身なのが特徴。
異世界について
大体現代日本と似たようなもの。
稀にワープホールによりアルカディアに人が飛ばされる。
飛ばされた人間は何かしらの特殊能力を得るようだ。
メンバーの設定はちょっと待って下さい…

273:名無しさん@お腹いっぱい。
16/09/08 19:37:11.84 mr+6pFGU.net
>>271
なんだいつもの世界樹じゃないか(錯乱)
にしてもついに五層まで来たか……>>89の設定がどう転ぶことになるかなぁ。
あとそういえば水晶竜の部屋でふと思ったんだが
・近道開通状態なら鈴一個でエンカ無しで到達可能(=一人でも行ける)
・水晶竜の部屋ではブレスで迎撃されるものの、このブレスでは絶対に死なない
・水晶竜の部屋ではエンカウントが無い(=↑でどんなに体力が減ろうと絶対に全滅しない)
・糸で簡単に街に帰れる
……あれ、これもしかしてドMにとって楽園なんじゃ……?

274:名無しさん@お腹いっぱい。
16/09/08 20:13:50.03 ymrhBMrw.net
>>273
夜な夜な一人で遊びにきてそう
ついにクライマックスですなぁ…固まったら是非結末を見せて欲しい
>>272
前ギルドとは関係無し?
完全な世界観リセット?

275:名無しさん@お腹いっぱい。
16/09/08 22:28:03.27 czBk4awS.net
注:『特殊能力』とは経験なしである程度アルカディアの人々の能力が使えるということ。
あと本名そのまま名乗ると怪しまれるので偽名使ってます
それではキャラ設定を
ブルー(本名:雨弓 浅葱)
連撃セスタス アースラン男 声No04
家族揃ってアルカディアに飛ばされた普通の男性。
優先順位はいつも家族が第一の良き父。
的確な部位を突き動きを封じる拳術を習得した。
ワープ先のジェネッタの宿に一家で居候している。
「じゃあギルド結成ってことでいいんだな?」
「だからってあなた呼びは少し恥ずかしいだろ?」
バイオレット(本名:雨弓 菫)
迅雷フェンサー アースラン女 声No24
浅葱の妻。かなりの浅葱さんラブ。
息子が成長してきたので接し方に困っている。
味方の攻撃に目にも留まらぬ速さで追撃する剣術を身につけた。
お財布担当。メンバーが増えるにつれて段々ケチるようになってきた。
「誰がなんと言おうと買いません!」
「浅葱さ…あ、ブルーさん…これは違和感があるというか…」
グリーン(本名:雨弓 常盤)
金剛ドラグーン ブラニー男 声No31
上二人の息子。年齢は二ケタになるかならないかぐらい。
ワープして一週間ぐらいショックでまともに動けなかった。
むしろ一週間で立ち直れるほど心が強いともいえる。
アルカディアに来てから心だけでなく体まで強くなった。
「僕に任せてよ!」
「とうちゃ~ん!かあちゃ~ん!」

276:名無しさん@お腹いっぱい。
16/09/08 23:32:17.33 ymrhBMrw.net
五層クッソ辛いなぁ
こら勝手にドM設定生えるわ

277:名無しさん@お腹いっぱい。
16/09/08 23:49:58.58 RH22K5o0.net
>>275
DLCかと思ったら汎用種族絵なのね。確かに元現代人設定も違和感ない印象。
かく言う私も(?)別データでオフ会仲間設定のモブ顔たちにふざけた名前でふざけた言動させたりしてます。

278:名無しさん@お腹いっぱい。
16/09/09 00:27:34.66 vxqIU9kL.net
5層に来て思う、1層は弱体装置があるし2層は休憩できる箇所がそれなりにある
3層は助っ人がいるから安定するし、4層はボス戦で先制が取れる優しさがあったと
6層に至れたら5層にも優しさがあったと思えるのかな…
ところで4で気が付いたんだが
2台にすれ違い登録すると自分のギルドもギルカ交換対象になるんだ
そしてなんらかの差があると自分のギルドの子でもギルドに招待できる
もしかしたら5なら設定のみのよそギルカ作ったりサブメンバーをギルカにしてお気に入りにしておけば
探索中に設定キャラがでてくるのだろうか…?

279:名無しさん@お腹いっぱい。
16/09/09 02:49:17.79 CSCYizfh.net
ゲーム機外に持ち歩かないからうちのギルドはブレイズ冒険団としか出会ってない
いつも先回りして現れ、よくわからない理由で施しをしてくれるコンラッドさんを不気味がっている(という妄想)

280:名無しさん@お腹いっぱい。
16/09/09 12:20:50.78 4RS07E+W.net
Qコードでここのギルド同士の交流なんかもできるわけか
面白そうだけど世界観が喧嘩しそうでもあるなw

281:名無しさん@お腹いっぱい。
16/09/09 19:38:05.89 MPjyZq+d.net
>>276
あの五層の辛さはうちのドMにとっては多分天国なんだろうなぁ……まぁもう少ししたら設定重視の都合パーティから抜けるんだけど……。
とりあえず抜ける前のご褒美としてアリさんクエストで例の辛いパンは食わせておいた。

282:名無しさん@お腹いっぱい。
16/09/09 23:49:35.21 yqTZzzwt.net
思ったより設定に入り込んじゃってSSみたいなの書いてみました
折角だから貼ってみたいんだけどそういうのもよろしいんでしょうかね そこそこ長くなっちゃったんだけども

283:名無しさん@お腹いっぱい。
16/09/10 00:00:10.74 Bu05Zt7H.net
いいと思うよ

284:名無しさん@お腹いっぱい。
16/09/10 00:23:39.03 QPzsiwjx.net
ID変わりましたがありがとうございます
では夜の内にパパッと……

285:名無しさん@お腹いっぱい。
16/09/10 00:42:24.53 QPzsiwjx.net
ではでは、4の6層エネミーパの者です。
一応設定>>246の時折の話なんですが……多分設定は読まなくても大丈夫です(
『時折:名もなき目撃者たち』
ケース1.『戦場:宿屋の初陣』
私は樹海鶏、名前はまだない。
迷宮から拉致され、こんな場所にいる。
外を自由に闊歩することは叶わない。初めはそれが不満で暴れたりもした。
だが今では待遇に概ね満足している。餌も美味いし寝床の掃除も行き届いている。
主人気取りの糸目の兎女も口ではからあげ云々と物騒なことを言いつつ優しく接してくれている。
ただ一つだけ、どうにか改善してもらえないかと頭を悩ませていることがある。
AM5:00
甲高い鳴き声で宿に朝を告げるのが私の生き甲斐であり、種に刻まれた役目だ。
しかし私はその役目を一度も果たしたことがない。
その理由が今、古ぼけた扉を開けて庭へと現れた。
「グルルルル……」
セリアンと言ったか。糸目の女と同じ種族の赤髪の少年だ。
それがゆらりゆらりと身を揺らしながら迫ってくる。
5m、3m、1m、数cm 今それと私の間にあるのは飼育小屋の網目の柵1枚。
糸目風に言えば「一触即発」の距離だ。
鳴けない。鳴けば殺される。
ピリリと張り詰めた緊張感。
このザラついた静寂を少しでも崩そうものなら、この獣は網目を引き裂き私の喉元に食らいつくだろう。
だから、鳴けない。
ここに来て以来、こいつは毎朝こうして小一時間程、飼育小屋の前に張り付く。張り付いて私の生き甲斐を奪う。
カナリアが歌うように、ツバメが旅するように、ペンギンががまんするように、イワォが仕舞われるように、かの者()がsageられるように……
私にも種としての生き甲斐というものがある。それが鳴くこと、朝を告げることなのだ。
だがそれは叶わない。
この人間がいる限り。というかこの野蛮さはもう人間というより獣そのものだ。もはや赤獅子だ。
だから、今はもう諦めようと思っている。
卵さえ産んでいれば命を保障される生活、思えば良いご身分だ。
きっとこの出来過ぎた待遇の代償が私の場合、鳴き声だったのだろう。
だからもう諦めよう。命あっての物種だ。
物悲しさに目を伏せたその瞬間だった。

286:名無しさん@お腹いっぱい。
16/09/10 00:44:49.97 QPzsiwjx.net
「お客さんだったんですね……ウチ、悲しいですよ」
明後日の方向から聞こえた聞き慣れた声、柔らかい声だ。
「……グル?」
獣の注意が逸れる。
その視線の先にはいつになく神妙な顔つきをした糸目の女が立っていた。後ろ手に何か持っている。
「ニワトリさんの鳴き声から一日を始める、ウチのささやかな願いでした。きっとニワトリさんも同じ気持ちだと思うんです。以心伝心の仲です」
違う。けど、内容は当たっている。もしかしたらこれは希望というものなのではないか。
「それをこんな恐怖を植え付けるような方法で邪魔してたなんて……仏の顔も三度まで、許せませんよ!」
らしくもなく凛と叫ぶと、糸目は赤髪に飛びかかった。赤髪も喉を鳴らして応戦する。
どうでもいいが仏は一度目と二度目に何をしていたんだろう。
「たぁーーー!」
ちょっと間抜けな咆哮と共に、勝負は一瞬の内に決した。
彼女が後ろ手に持っていたのは大きな調理鍋。それを赤髪にがばりと被せてしまう。
何やらポーズを決める糸目の後ろで、鍋を被せられた男は視界を求めてふらふらと死霊のように彷徨っている。
どうやらこれだけで無力化できたらしい。
糸目は一仕事終えたとばかりに額を手で拭い、こちらに近づいて来る。
「ウフフフ、これで危険は去りましたよニワトリさん。
さあ、今こそウチたちの夢を叶えようではないですか。おいで~」
小屋の扉が解放され、糸目が両手を差し伸べてくる。
良いのだろうか、鳴いても。この宿屋に、朝を告げても良いのだろうか。
「ささ、盛大に鳴いちゃってください! 冒険者さんたちに朝を告げるのです!」
柔らかい胸に抱えられて外に出た私は、糸目の両手でもって頭上に高く掲げられる。
澄んだ空が近い。鶏としての本能が打ち震えた。
嘴が開く。空気が喉に、肺に流れ込んでくる。
あとは、この喉を鳴らすだけ……!
……という所で、何やら宿の方から女の声がして、私は地面に下ろされた。
「ん、おねいちゃんなぁに? 朝ごはんシチューにするから鍋返せ? それから手伝え? はぁい、今戻りま~す」
びっくりするほどの切り替えの早さで彼女は踵を返した。
そしてスキップでもするかのような軽快さで宿へと走っていく……途中の鍋男から鍋を取り戻して。
―朝の清々しい風に木々がざわめいた。
寝坊気味の小鳥たちがチュチュンと、いとも簡単に鳴く。
「……グルル」
庭には私と獣。もう間を隔てるものはない。あ、こっち見た。
……私は樹海鶏、名前はまだない。
この日、私は初めて冒険者たちに朝を告げた。
理想的な甲高い声ではなく、少々断末魔的な聞き苦しさがあったことは認めよう。
糸が切れたように二度寝を始めた赤髪の前で、息も切れ切れに誓う。
あの糸目の女の為には、絶対に鳴くまいと。

287:名無しさん@お腹いっぱい。
16/09/10 00:46:29.22 QPzsiwjx.net
ケース2.『鉄華:評議会に染まる』
私は兵士、名乗るほどの者ではない。
ド田舎から冒険者に憧れてアルカディアにやってきた私の夢は呆気なく費えた。
1層の1階、1人で臨んだところ1歩目からああっと襲われ、1発でのされてしまった。
幸い街が近すぎたこともあり怪我は大事にならなかったが、心には深い傷を負った。
木の臭い、獣の臭いだけで身体が固まってしまうようでは冒険者になどなれはしない。
ただ啖呵を切って出てきたばかりに田舎に戻るのも決心がつかなかった。
途方に暮れていた私を拾ってくれたのが、たった今私の敬礼ににこやかな笑顔を返してくれたお方、レムス様だ。
警備兵という職を頂いた私は今日もレムス様の為に働く。
「ふむ、今度はあの本がない。これはまた入り込んでるのかな?」
当面の厄介事はこれだ。
レムス様の悩ましげなお声、その元凶はわかりきっている。
最近になってこの街に住み着いた色物冒険者の一団、その一員が無断にして土足、そして大胆に評議会内に入り込み、数々の書物を持ちだして行くのだ。
「またあやつですか……今日こそ引っ立てて参ります」
「いやいいよ、個人的な趣味の本だし。
ちゃんといつも返してくれるからね、知識は広く知られてこそ意味があるんだ。
同じ本をセリク君の店で見かけたし、次の仕入れの時に一言頼んでおくよ」
「お言葉ですがそれは順序違いというものでは! 本来ならあの賊がそうすべきでして……!」
言い終わる前にレムス様は「放っておこう」と手で制し、歩き去ってしまう。
この物腰の柔らかさ、この一点だけが私の抱くレムス様への疑問だ。
カッカッと床石に靴音を鳴らし、私は早足に書物庫へと向かった。
厳重にかけられた錠前を外していき、重い扉に体重を乗せて押す。
どちらもあいつが現れる前にはなかった手間だ。
これだけ警備を強化したというのに、書物庫内の灯りはついていた。
眉を吊り上げて槍を構え、室内を見渡すと……いた。
隅の書棚の手前、まるで子供が散らかした跡のように床に散らばった本の中央に青い肌のルナリアが寝そべっている。
寝そべりながら本を読んでいる。ポテチと箸も持ち込んでいる。
私の存在に気づき「やっほー」と手を振る彼女に、拳がわなないた。

288:名無しさん@お腹いっぱい。
16/09/10 00:50:45.29 QPzsiwjx.net
「貴っ様ぁ! 毎度毎度幽霊の如く忍び込みおって! 今日という今日は許さん! 引っ立てて牢屋にぶち込んでくれるわ!」
「えー? またなの? どうせ捕まえられないクセにぃ」
人をおちょくったような口調が不快ったらありゃしないが、彼女の言っていることは本当だ。
まるで実体がないかのような身のこなしを捉えられたことは一度もない。
「あとそんなガミガミ言わなくても、レムちゃんも言ってたじゃない。知識は広く知られてこそってね。だからこうして有難~くわけて貰ってるのよ」
「レムちゃ……! レムス様だ無礼者! それに分けて貰ってる自覚があるなら少しは遠慮せんか! 貴様が持ち去った本をレムス様が読めず困ってらっしゃるのだぞ!」
「あらそうだったの? ごめーんあれ今セリク君に貸しててさ、悪いんだけど彼から返してもらってくんない?」
「又・貸・し、してんじゃねーよ!」
もう勘弁ならん。私は無法者の無礼者に向けて槍を振り上げ猛進した。
「懲りないんだから、じゃ、バイバイ」
小憎たらしい女は私の渾身の一撃を難なく躱してすれ違いに扉から出ていく。また一冊持って行きやがった。
身を翻して私も後を追う。幽霊のようなシルエットが角を曲がるのを確認する。
いつもの逃走経路だ。そして、それでいい。幾度もの敗戦、それは今日という裁きの日に向けての伏線だったのだ。
奴の信じてやまない逃走経路に仕掛けた罠、その効果が確かならそろそろ……
「キャー!? ちょっと何なのよこれ!」
討ち取ったり。私は緩む口元を隠しもせずに悠々と彼女の下へと向かった。
「ほうほう、良い格好だなぁ、ええ?」
自分ではっきりとわかる下卑た笑顔で見下した先には、糸に足を絡めとられ床石に這いつくばる女の姿があった。
「ほどいてよ! 悪趣味よ! 変態兵士!」
「ふん、好きなだけ喚け。喚いたところで縺れ糸:脚はほどけん。2,3ターンほどはな」
タネを明かせば簡単な仕掛け。廊下に張った縺れ糸、逃げる女の足が引っかかる。
あとは糸に仕込まれた神経毒が足の自由を奪ってくれるわけだ。絡まってるのは偶然だろう。
一通り罵詈雑言を浴びせた女はようやく観念したのか、不貞腐れた面で本を抱えた。
「もう、わかったわよ。降参降参、ちゃんと本も返すから許して? ね?」
この謝罪を聞いて一体何人が「はいそうですか」と納得するというのだ。
私は収まらない怒りを静かに槍に乗せ、切っ先を彼女に向けた。
「駄目だ許さん。貴様のような輩は一回痛い目を見た方が良いのだ。この一撃、恨むなら自らの軽率な行動を恨むんだな」
「え、ちょっと、マジで? 洒落になってないって! ごめんごめんって……めんご?」
最後の最後でまたイラっときたので、戸惑うことなく切っ先を引き、突きの姿勢に入った。
ようやく彼女の切羽詰まった顔を見ることができた。ざまぁみろ。
下がりつつある溜飲に気を良くしながら、私は突きを繰り出す。
何も本当に当てるつもりはない。眼前で寸止めするつもりだった。
冒険者を目指して鍛え、兵士になってからも訓練を欠かしたことはない。それくらい造作もないはずだった。
だが……ブスリと、あっていいはずがない手応えが柄を通して伝わってくる。
見ると、咄嗟の反応だろう顔を庇うように突き出された本を、槍が見事に貫通していた。
しまった、縺れ糸:腕も仕掛けておくべきだった。
後悔する頃にはもう遅い。背筋を凄まじいまでの寒気が駆け巡る。

289:名無しさん@お腹いっぱい。
16/09/10 00:51:38.27 QPzsiwjx.net
「やあ、二人とも、何をしているんだい?」
ひくつく頬とかくつく首で振り返ると、そこには笑顔を称えたレムス様が立っていた。
そのにこやかな視線は私でも女でもなく、槍の刺さった本に向けられている。
「あ、あは、あはは、レムちゃん怖いよ? それ暗黒微笑って言うんでしょ、この本に書いてあっ……」
「東方にはかつて礼節を学ぶ際の特殊な座り方があったんだ。
正座って言ってね、足を揃えて折りたたむ座り方なんだけど、それなら縛られたままでもできるだろう?」
女は冷や汗たっぷりに従った。
「君も」
私も顔を引きつらせて従った。
「確かに忍び込んでまで本を漁るというのは褒められた行為ではない。
許されざることかもしれない。でも私は君に捕まえろなんて頼んでいない。何故かわかるかい?」
「い、いえ……」
「彼女や君の性格からして、ぶつかり合ったらこうなる可能性があると思ったからさ」
言い返せない。その可能性の結果がすぐそこに貫かれたまま転がっているからだ。
「私自らが対処に動かなかったこと、君たちに強く念押ししなかったこと……この損失は私の責任だね」
「いやいや滅相も……」
「だからせめて、今からでも強く、強く念押ししようと思う。
予定されていた会合が先方の都合で無くなってね。
3時間ほど時間が空いたんだ、3時間ほど念を押そう」
差し向けられた温かい笑顔に、隣の女は「知ってるわ、読んだもの。あれ、ボスキャラオーラって言うのよ」と耳打ちしてくる。
小突いて黙らせたが、実のところ私にも見えるのだ……笑顔の後ろから滲み出る紫色のオーラが。
……足の痺れが取れた頃、私は自らの身体の、そして心の変化に気づいた。
レムス様の笑顔、お声を思い浮かべるだけで身が固まり、竦んでしまうのだ。
またその事実に絶望し、がむしゃらに走り抜けたその先で、もう一つの変化を実感する。
なんと樹海の臭い、木々と獣の合わさった臭いに包まれても、身が固まらなくなっていたのだ。
「何なの私の体質……」
―私は冒険者、名乗るほどの者ではない。
またこうして冒険者として復帰できたのは単にレムス様のお陰であるのは間違いない。
だがその恩人を思い浮かべるとトラウマに震えてしまうというのは何とも不義理なものだ。
時折迷宮で顔を合わせるあの女は「ショック療法って奴ね。本で読んだから間違いないわ」と笑った。
そういう彼女にも変化はあったようで。
無礼な呼び名は改めていないものの、最近では書物庫に忍び込むことはなくなり、入り浸る際はレムス様に一声かけるようになったらしい。

290:名無しさん@お腹いっぱい。
16/09/10 00:52:31.68 QPzsiwjx.net
ケース3.『戦乱:それぞれの酒場』
俺は依頼人、名前は酒場の姉ちゃんに言ってある。
時は夕刻、初めて訪れる酒場は酒の臭いと豪快な笑いで満ち溢れていた。
酒のツマミは冒険譚……俺たち子どもが一度は憧れるシチュエーションだが、ここではそれが日常風景なのだろう。
おずおずと依頼をお願いすると、酒場の姉ちゃんは優しく微笑んでくれた。
クエスト内容はブローチの素材を探して欲しいというもの。
数日前、友達のお気に入りだったそれを冒険者ごっこのマント留めに使っていたところ川に落とし失くしてしまったのだ。
樹海由来の素材が使われていた物だったので同じような物を用意することもできず、その友達とは現在絶交中だ。
報酬はたったの5enと虫の抜け殻。俺の全財産だ。
果たしてこれっぽっちで受けてくれる人などいるのかと、酒場の姉ちゃんを疑うわけではないが不安は不安だった。
酒場の片隅で足をプラプラすること1時間、そろそろ諦めて帰ろうかという時。
ゆっくりとこちらへ歩み寄ってくる人影があるのに気づいた。
もしや、本当に、受けてくれたのか、あんな報酬しかなかったのに。
冒険者とは粋で優しい人たちと聞いていたし信じていたがまさかここまでとは、俺は感動を胸に顔を上げる。
そして、理想と現実のギャップを目にするのだ。
「Yeah……ボーイ、随分ブルー入ってんじゃねぇのメェン?」
俺の描く冒険者像が音を立てて瓦解していく。何だこの男は。
背には大鎌、頭はツンツンと立たせた刈り上げ金髪、服は全身レザー、三白眼は笑顔、大の大人の男のクセして太腿チラリ。
変っ態ではないのか。
「HeyHey……セイ・THE・ウンorスン? 折角声かけてやってるんだ、何か言えYO」
何で腰くねらせてんの。
そのファッションでどこ冒険するの。どう冒険したらそのファッションに行き着くの。
「Oh……もしやボーイ、シャイボーイ? んならイッツァ失礼した! 俺から名乗るぜマイネーム!」
言うや否や口頭でのドラムロールと共に男は突然回り出した。
レザーファッションのせいで不本意にもボディラインが丸わかりだ。地味に背中の鎌が鼻先を掠めた。怖えーよ。
「Iamaヤンマ、ヤンマキングだ、ヤンマ大王と呼んでくれ。Say! YAN☆KIN!!」
どれだよ。
発生した明らかな異常事態に頭がようやく追いついて、俺はカウンターに向けて視線を送った。
酒場の姉ちゃんと目が合う。
視線で「助けて」と、「チェンジで」と訴える。
両手が拳を作って「頑張って!」との返答があった。
なんでだよと、俺は机に頭を打ちつけた。そこそこの音が響く。
「What’s!? ボーイ、ロックだなぁ。何が君の魂をそこまでビートさせるというんだいティーチミー・クエスト内容(YO!)」
うぜぇ。こんなの相手に頑張らなくてはならないのか。
いや確かに外見と口調が面妖なだけで話の内容はさっきから割とまともだけど……そこが逆に気になるというか気に入らないというか。
まあ、でもまともな面もありそうなのだ、人は表面だけが全てではない。意外と良い人なのかも知れない。
もう少し頑張ってみようではないか。

291:名無しさん@お腹いっぱい。
16/09/10 00:55:28.16 QPzsiwjx.net
「あ、あの、おじさん、クエ受けてくれてありがとう。
でもさ、本当にあんな報酬で受けてくれるの? あんな……虫の抜け殻なんか、とかでさ」
しまったな、おじさんは言い過ぎたか。ケバいメイクこそしているが年齢はまだ20代くらいな気もする。
妙な所で地雷を踏んでも厄介そうだ、今からでもお兄さんと言い直し……
「ああ? 虫の抜け殻『なんか』たぁどういう意味だコラ……」
そっち?
「HeyHeyHeyHeyHeyボーイ……おじさん久々キちまったよ。
一寸の虫にも五分ザSOUL、虫を馬鹿にする奴ぁ許せねぇ。表に出な!」
ガシリと、腕を掴まれ引っ張られる。
「ショータイムの始まりだぁ!」
これ以上何を始めるというのだ。
っていうかこれは実はヤバい状況なのではないか。
普通に変質者の連れ去り案件ではないか。
本能が警鐘を鳴らし始めたその時だった。
「はいそこまで」
ピシャリと、艶やかさの内に鋭さを秘めた声が響いた。
見ると俺の腕を掴む男の腕に、黒く細い手が添えられている。
酒場全体がどよめいた気がした。
「まったくもう……喧嘩っ早い人とは思ってたけど、まさか子供にまで吹っ掛けるなんてね。ごめんねボク、もう大丈夫よ」
言葉の後半を俺に向けて、姉ちゃんは優しい笑みを浮かべる。
俺は照れて視線を再び腕に落とす。
と、男の腕に添えられた姉ちゃんの手、の横にやけにボロボロなもう一本の手があった。
その手はギリギリと男の腕を締め上げ、俺を解放してくれる。
「あ、ありが……」
おずおずとその手の持ち主に視線を移して、腰が抜けた。
見上げる先には、所々皮膚の剥がれ落ちた明らかなこの世ならざる者が……胸に死霊Aという名札がある。
「げ、いやあのメリーナさん、これはその……」
初めて素を見せた変態に、姉ちゃんは眼つきをきつくして香水の小瓶のようなものを突きつけた。
「もういいの、貴方には言葉で注意するよりこっちのほうが手っ取り早いわよね」
常連なんだこの人。無情の言葉と共に、小瓶がプシュと灰色の霧を吹きかけた。
「Shit……やっち、まった、俺って奴ぁ、まったく、don’t study……」
無念そうに呟く変態の身体は徐々に石のように固まっていく。
俺はそれを震えて見ていることしかできない。これ、結構なトラウマ映像だ。
完全に石化してしまった変態は死霊にズルズルと店から引きずり出され、メリーナさんと呼ばれた姉ちゃんは清々しげに息を吐いた。

292:名無しさん@お腹いっぱい。
16/09/10 00:56:03.00 QPzsiwjx.net
「ふう……やっぱ樹海の強敵モンスター、ムカつく夏のゴロツキには
プシュっと一吹き石化の香ね。お求めはアイオリスの大市まで、定価は250enよ」
宣伝?
「死霊毎を爆破させたり闇に引きずり込んだりってので
駆除の方法はいくらでもあるんだけどね、これだと後片付けとかも簡単で助かるのよ」
「そ、そうっすか……」
引き気味に相槌を打つと、彼女は「さてと」と艶やかな笑顔をこちらに向けた。
眼鏡の奥の聡明そうな瞳は、まるで俺の全てを見透かしているようだった。
「はい、これ」
差し出されたのは1枚の紙切れだった。表には丸っこい字で「いらいしょ」と書かれている。
「これって……」
「君が変態に絡まれてる間にね、小さな女の子がクエストカウンターに置いていったの。
でもその依頼、名無しな上にそんじょそこらの冒険者じゃ歯が立ちそうにないのよ。
だから、貴方に頼んでもいいかしら?」
「小さい女の子って……」
まさか。俺はひったくるように紙切れを受け取るとその丸っこい字に目を通した。
ぜんりゃくボウケンシャーさま
友だちとケンカをしてしまいました
その子はわたしのおきにいりのブローチをなくしてしまったんです
だからわたしはすごくすごくおこりました
それからその子とあそんでません。
でも、何日もたつとそれがすごくすごくさみしくなってきました
ブローチをなくされたときよりさみしいです
だからわたしとその子をなかなおりさせてください
ほうしゅーは5enと虫のヌケガラでおねがいします
読み終えた俺は整理のつかない心のまま目前の姉ちゃんを見た。
「初依頼の日に初クエストだなんて贅沢ね。いってらっしゃい、気を付けてね」
不思議と勇気の出てくるその言葉に押されて、俺は駆け出した。
……俺は依頼人、只今クエスト中だ。
冒険者たちの激励を背に店を出た俺は、変態の石像を通り過ぎて街道を走る。
そしてとぼとぼと前を歩く女の子の見つけ、その名前を叫んで呼んだ。

293:名無しさん@お腹いっぱい。
16/09/10 00:56:57.56 QPzsiwjx.net
ケース4.『戦乱:勘違う大市の果て』
ども。ウチ、ジェネッタって言います。名前はジェネッタです。
この街で宿屋やってます。
今日はおねいちゃんの言いつけで晩御飯の買い出しに来ています。
アイオリスの大市……そこは商人と主婦の戦場。
この刹那にもどこかで血で血を洗う値切り合戦が行われているのです。まさに諸行無常ですね。
ウチもそんな戦いを繰り返して、後はセリク君のお店で新しい包丁を貰えば任務完了です。
ですが、これは一体どういうことでしょう。
セリク君のお店が……閉まってしまっているのです。
もう一度言います。しまって、しまっているのです。
……ウチは不審に思ってお店の裏を覗いてみました。
そこには一心不乱に火花を散らすセリク君の姿があったのです。
よーせつ?か何かはわかりませんが何かを作っている様子、気になったのでしばらく見守ってみることにしました。
するとしばらくして「ヤッターウマクイッタヨー」との声が。
ウチはあんパンとミルクを仕舞ってもう一度セリク君を見ます。
セリク君は大きな風呂敷に沢山の物を詰め込んで、どこかに出かけるようです。
移動を始める前の神妙な顔つきと深い溜め息、これは事件の臭いがします。
彼はきっと何か大きな陰謀に巻き込まれて望まぬ発明品を作らされ、それを届けに行くのかも知れません。
同じアイオリスに住む同胞として、これは見過ごせません。
しかし急いては事を仕損じると申します。ここはもう少し様子を見ることにしましょう。
悪の組織への献上品を携えた彼の行先は、どうもウチらの宿屋のほうみたいです。
っていうか、宿屋の前でセリク君立ち止まっちゃいました。宿屋をガン見してます。
こ、これはもしや黒幕はお客さんの誰かなんでしょうか。
なんということでしょう、計らずともウチらは悪の研究に加担してたことになります。灯台下暗しとはこのことです。
……セリク君に動きがありました。どうやら宿屋の裏に回り込むようです。
お客さんの部屋の窓が並ぶ裏庭まで来たセリク君は、風呂敷から何かを引きずり出しました。
結構デカいみたいです。
そしてその全容を目にしたウチは、思わず声を上げてしまいそうになりました……上げませんでしたけどね、お口にチャックというやつです。
風呂敷から出てきたのは、もう一人のセリク君でした。
どうやら悪の組織が命じたのはクローン技術の開発だったようです。
クローンセリク君は背中のゼンマイを回されるとカタカタと進んで行きます。
そんでとある部屋の前に立つと、窓に向かって吸盤みたいなものがついた棒を伸ばし始めたのです。
何をするつもりでしょうか。あの部屋に闇の首領がいるのでしょうか。
手に汗握るウチの前で、窓が開けられました。クローンセリク君が「ヤッターウマクイッタヨー」と声を上げます。
これはまさかの空き巣ですか?
でも、それを聞いたオリジナルセリク君は意外にも店の表に戻って行ってしまいました。どういうことでしょう。
そして正面玄関から堂々と入ったセリク君はさっきの部屋のある廊下へと進んで行きます。
勿論ウチも追います。途中でおねいちゃんに「買い物は?」なんて聞かれましたが今はそれどころじゃありません。
あんパンとミルクを押し付けて更に後を追うと、やっぱりさっきの部屋の前にセリク君が立っています。

294:名無しさん@お腹いっぱい。
16/09/10 00:59:03.86 QPzsiwjx.net
ようやく密会の瞬間が来るようです。セリク君もお顔全体を覆うマスクで正体を隠します。
きっと名前も顔も知られちゃいけないんでしょう。それが裏社会を生き抜く秘訣というやつなんですね。
部屋の扉がゆっくり開いて、中からブラニーの女の子が出てきました。
こっちも美容パックみたいなのでお顔を隠してますが、ウチにはわかります。お部屋ナンバー◆◆◆◆◆のお客さん、破滅野ハナビさんという方です。
ハナビさんがセリク君の取り出した袋を受け取ります。ああっと粉のようなものが落ちました。これは動かぬ証拠です。
とんでもないことです。ウチの宿屋で薬物売買が行われてるなんて……
二人ともウチのお得意さん、これ以上闇に染まっていくのを黙ってはいられません!
ウチは二人目がけて駆け出しました。
「ダメですよ二人とも~! 薬は二十歳を過ぎてから、ですよ~!」
「え、ジェネッタちゃん?」
「それを言うならお酒は……って駄目だこっち来ちゃ! 止まって! 戻って!」
「ふえっ?」
セリク君が鋭い声で何かを叫びましたが、何だか甘い匂いがして、頭がほんわかして上手く考えられません。
っていうか、だんだん眠く……ってか寝る子は育つ……?
……ウチはジェネッタ、夢の中にいます。
目が覚めて身体を起こすと、さっきと同じ廊下がありました。
そんで目の前では正座したハナビさんがセリク君に叱られていました。
「だからいつも言ってるじゃないか! この香は戦闘用なの! 部屋で焚くもんじゃないの!
今回は眠りの香だったからよかったものの、前に毒の香とか焚いてたよね君!」
「ごめんなさい……でも乙女のスキンケアには無駄にできる時間なんかないの。
全ては王子様みたいな人間に見初められて恋をするためなのよ……美肌に賭ける女の子の気持ち、セリク君はわかってくれないの?」
「いやだから、これに美肌効果とかないから! ほらジェネッタさんも起きたなら言ってやってよ……!」
「……感動しました」
「へ?」
ウチも、ウチも白馬の王子様に憧れていた時期があります。
いいえ、全世界の女の子は常時パッシブで王子様を待ち望んでいるのです。
「そんな恋の為なら! ちょっとくらい危険なことでも許せちゃいます! ウチは応援しますよハナビさん!」
「ジェネッタちゃん……!」
「いやあの……二人とも……?」
「でもハンパはいけません。どうせなら宿のこの辺りをお香美容ルームにして―パンも焼けるように―」
「わあいいですね! じゃあじゃあ、雰囲気演出にブヨブヨを―飾りつけには兵馬俑を―」
「……代金は後でいいや。僕帰るからねー」
花咲くガールズトークの後、いつの間にかセリク君はいなくなってました。
この夜はおねいちゃんの機嫌が悪かったです。晩御飯も少し少ない気がしましたし……改造の案も却下されてしまいました。
でも負けません! お客さんとの共同作業、必ず成功させてみせます! 粉骨砕身です!

295:名無しさん@お腹いっぱい。
16/09/10 01:00:11.80 QPzsiwjx.net
ケース5.『戦場:そのギルドは釣れるか釣れぬか』
俺は樹海魚、名前はまだない。
木漏れ日がまだら模様に反射する水面……季節を通して安定した水温を保つこの水場が俺たちの住処だ。
この階の水中には飛びぬけた実力のF.O.Eはおらず、毎日は安穏と過ぎ去っていく。
少々退屈な暮らしだが、そんな毎日の中にも娯楽は存在する。
否、娯楽自らがやってくるのだ。
水面が微かに揺れた。木々のざわめきにガチャリという金属音が混じる。
俺はすぐさま水面近くまで浮上し、水辺の様子を盗み見た。そう娯楽がやってきたのだ。
透明度の高い樹海の水を挟んで陸側に現れたのは、漆黒の重鎧に身を包んだ大柄な人間。
そいつは今日も水辺の切り株に腰掛け、餌をポチャリと投げ入れてくる。
ミミズ……完全にご馳走だ。俺たちの好みを知り尽くしてやがる。
もちろん慈悲や恩情の品というわけではない。これはフィッシングという娯楽、ゲームなのだ。
それも内容は血も涙もないデス・ゲームと来た。
豪華景品に釣られ不用意にパクリと行けば即ジ・エンド。
餌に仕込まれた針が口に刺さり、そこから伸びる糸にあっちの世界へと連れて行かれてしまうわけだ。
そうして帰ってこなかった仲間は数知れず……まさに生死を賭けた真剣勝負というわけだな。
死ぬのが怖けりゃやらなきゃいいって? そんなんじゃ退屈に飼い殺されちまうよ。
これでも何度か生き抜いてきたんだ……男と男の一対一、俺は甘んじて受けるぜ!
……とはいえ呆気ない幕切れじゃあ詰まらない。慎重になるべきところは慎重にだ。
目の前を揺れ動くミミズ、まずはこれにギリギリまで接近する。
ここは大胆でいい。この罠は食いつきさえしなければ向こうから危害を加えてくることはない。
勝負はここからだ。
何度も言うが樹海の水は澄んでいる。こっちから向こうが丸見えということは向こうさんからもこっちが丸見えということだ。
見てから釣り上げ余裕でしたとはいかせない、ここからはフェイントを織り交ぜる。
ミミズをつつき、様子を見る。これで焦りなんかが顔に表れてくれりゃ楽なんだが。
奴の顔は漆黒の兜に覆われ、表情を悟らせてくれない。そのための装備なのだろう。
更に二度三度、続けてミミズをつついてみる。
いつもなら表情は見えなくとも腕や指にピクリと反応があるところだが、未だその素振りも見せない。
勝負中に寝入る奴じゃない。どうやら今日はあいつも本気のようだ。どうしても俺たちを釣り帰らねばならない理由があるらしい。
俄然面白くなってきた。
俺は四方八方からミミズをつつき揺らし、口を開いては閉め、怒涛のフェイントを浴びせかける。
自己評価では残像が出るレベルの動きだったのだが、それでもあいつは微動だにしない。
流石は俺のライバル……今日は長丁場になりそうだぜ。
そうして息の詰まる攻防が続くこと数刻、日は陰り、水面が朱に染まってきた頃のことだった。

296:名無しさん@お腹いっぱい。
16/09/10 01:03:15.78 QPzsiwjx.net
樹海の茂みが揺れて、そこから人間の幼女が顔を出した。
人間と言ってもその肌や髪は毒々しいまでの黄色で、頭には角が生えている。奴らにも個体差というものがあるのだ。
そいつは黒鎧の隣にちょこんと座り、話しかけるでもなくこっちを見詰めてくる。
好機だ。時折現れるこいつがいると、黒鎧の動きに戸惑いが生まれる。
「…………今日は、どうした。また追われたのか」
そうやって話しかけるということは、少なくとも神経の数%を幼女に割いているということだ。
「…………まあ、そう。メイガスもハナビも、あとジェネッタもリリも、私に変な服着せようとする……不快」
「…………そうか、大変だな」
幼女はコクリと頷き、再び静寂が始まる。
ちっ、もう少し会話に花咲かせてくれりゃわかりやすい隙が出来そうなんだがな。どうにもこいつらは口数が少ない。
「…………樹海探索はどうだ。アイオリスにはもう慣れたか」
思春期の娘を気遣う親父か。
「…………探索はまあまあ。アイオリスも、まあまあ」
「…………そうか」
「…………うん」
……途切れたよ会話。
今のは親父が悪い。せめてどっちかに絞って聞いてやれよ。適当に聞いてるのバレバレだ。
「…………でも、ここ好き」
おお、珍しく幼女から話しかけた。
ミミズの位置がピクリと下がった。安らぎを感じることによる筋弛緩、いわゆる隙だ。
「…………そうか」
「…………うん」
先程と同じ流れに聞こえるが、この会話は途切れていない。
無骨でいつも頼られる男が珍しくストレートに好きと言われて返しに困っているのだ。
黒鎧の声色なら同い年くらいの娘を持っていてもおかしくはない。もしかしたら存在を重ねているのかもしれない。
ともかく、今あの兜の中は幼女へかける言葉の推敲でいっぱいのはずだ。
これは明確な隙、千載一遇のチャンス、勝利の方程式だ。
俺は意を決してミミズに食らいつく! 糸が張ったのがわかった。
だがその糸に引っ張られ針が俺の口内を貫くより速く、俺はその場から離脱することに成功した。
我が口の中には確かに戦利品、少々ふやけたミミズがある。

297:名無しさん@お腹いっぱい。
16/09/10 01:04:04.71 QPzsiwjx.net
「むっ、しまったな。俺の修行もまだまだのようだ」
本人からも敗北宣言があったように、この一戦は俺の勝利だ
「……逃げられちゃったの?」
ああそうだとも。俺は逃げ延び、そして生き延びた。この瞬間こそが生を感じられる時なのだ。
「そのようだ。今日は妻が家でパーティをひらくというのでな。
大目に釣って帰りたかったのだが……やはり欲は平常心を乱すな」
そう言って黒鎧は「今日はどうも旗色が悪い」と切り株から腰を上げた。
どうやらこれにて決着。また次の勝負に向けて英気を養うとしよう。
と、宴も竹縄というその時だった。
ちょこんと座り込んでいた幼女がおもむろに立ち上がり、水際からこちらを覗き込んでくる。
「…………魚、欲しいんだよね? 私も、釣る」
そう言いながら幼女はぼんやりとした目で俺を見詰めてくる。
何だ? やんのか? 悪いがお前のような小娘じゃ相手にならんぞ。俺を釣ろうなんざ数百年早い。
挑戦的に水面を跳ね、水をその顔にかけてやる。表情が少しムスっとする。青いな……黄色いけど。
そんな青臭い初心者フィッシャーは、何を思ったのか黄色い腕を水に浸けた。
何やらその腕全体が黄色い光に包まれているようにも見えるが、まあ釣竿も餌もなしじゃ話にも―
「…………ライトニング」
―俺は樹海魚、もう名付けられることはない。
視界の途切れる間際、最後に見た光景は黄色い閃光に包まれる水場だった。
ゆっくりと、身体が浮上していく。
もうすぐこの耳に届く音も途絶えてしまうのだろう。最後に聞こえたのは……
「……ん、お礼。いつもここにいさせてくれるから」
「あ、ああ、すまないな礼を言おう。だがあまり無茶をするなよ?」
「…………うん」
微笑ましいなオイ。

298:名無しさん@お腹いっぱい。
16/09/10 01:08:06.64 QPzsiwjx.net
……以上でした。
貼ってる途中で文字数制限などで思ったよりレスを消費することがわかってきて何かアレな気持ちになりましたわ……
これが上で出てた支部池ってやつなんだろうか

299:名無しさん@お腹いっぱい。
16/09/10 01:48:42.23 mgKZJ8Lf.net
乙です。
ミクロな視点に文才感じる。
魔物パーティといい発想力も羨ましい…

300:名無しさん@お腹いっぱい。
16/09/10 03:08:00.67 zTNtIE5P.net
とても面白かった
NPC視点通り越して鶏視点、魚視点から書けるとか凄いな

301:名無しさん@お腹いっぱい。
16/09/10 05:53:29.64 Bu05Zt7H.net
オッツ
よくこんな長いもん書けるなぁ…
自分でも挑戦してみるかなぁ

302:名無しさん@お腹いっぱい。
16/09/10 12:46:01.04 wRv4wx7s.net
一応俺もSS書いてはみたんだが……俺が書くとどうしても会話文多めで地の分が最低限のト書きぐらいになっちゃうんだよなぁ。

303:名無しさん@お腹いっぱい。
16/09/10 14:11:34.06 RUgNASio.net
4層あたりまで進むとメインパーティの戦法に飽きたり、より良い運用法を思いついたりして何人かを転職させたくなるよな
脳内設定ガッチガチに固まっちゃったから転職させ辛かったけど、逆にこれを
それぞれのキャラの成長イベントとして考えればよくね?と思うことにしたらさらに妄想が捗った

304:名無しさん@お腹いっぱい。
16/09/10 14:32:15.30 Bu05Zt7H.net
>>302
まあまあ晒してみなされ
ここならある程度気軽に晒せるし

305:名無しさん@お腹いっぱい。
16/09/10 15:11:57.74 wRv4wx7s.net
>>303
うちの場合二つ名解放してからのメイン戦法が『死霊3体出てる状態でドラグーンに咆哮&墓穴で殲滅+チェイスハーブで立て直し』というド安定戦法だったからなぁ……。
設定的にも『ドMと死霊と敵による疑似SMプレイ~ハーブによるアフターケアも添えて~』と妙にマッチしたから全く転職の出番が無いw
>>304
じゃあ晒してみるかな。ただ、今出先だからもう少し後でかつID変わることになるが待っててくれ。

306:名無しさん@お腹いっぱい。
16/09/10 15:22:51.88 RUgNASio.net
>>305
>>181の者だけど、俺もまさにその戦法に変えたいと悩んでた
うちの場合は三途渡りも使わせる予定だから、タゲを集めたドラグーンが敵に加えて四刀マスラオにも襲われることになるけどw
何かに目覚めてしまったドラグーンがサイコストーカーの鬱憤晴らしに付き合うようになり
結果的にギルドの空気が円満になってバッドエンド回避って流れでパーティ練り直してみようかな

307:名無しさん@お腹いっぱい。
16/09/10 15:43:34.53 Bu05Zt7H.net
うちは主人公が活躍できることを重視したし、転職も休養もなく進めてるなぁ
戦法も先制咆哮→カウンターガード→地の利→泡沫ぶっぱしかしないし、良くも悪くもクレイルがバステ撒き 回復 メインアタッカーと過労死しそうなほど働いている

308:名無しさん@お腹いっぱい。
16/09/10 17:14:36.46 OfuMqD3p.net
うちの子達はレベル揃えたいから何回か休養してるけどライチ以外戦略が安定とかしたことないなぁ
盾にガード&マウントやらせつつモンスターの適正参考にしながらやってるわ
そのライチも気が付くと殴り要員になっているがな!
>>298
漱石好きなん?
即売で出せるレベルじゃないですかヤダーwww

309:名無しさん@お腹いっぱい。
16/09/10 17:43:34.23 w1EtpRL+.net
>>306
※ドM騎士が仲間を見つけたらしくアップを始めました。

310:305
16/09/10 19:40:47.92 w1EtpRL+.net
少し遅れたが晒してみる
・設定に関しては前スレ>>705~今スレ>>6を参照
・会話文多め・地の分少なめ
・わずかなメタ発言あり
・多分5・6レスぐらい
ハイアンドローSS『秘密』

「~♪~~♪」
特徴的な白の長髪を靡かせ、上機嫌に鼻歌を歌いながらアイオリスの街を一人歩くセリアンの少女がいた。
ギルド『ハイアンドロー』のメンバーの一人、シャン・フェリルである。
この日はちょうど『ハイアンドロー』の面々にとっては休日であり、樹海から離れて各々休日を謳歌していた。
彼女もまた久々の休日ということで『ある場所』へと向かっていた。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

「……気づいてないわよね?」ヒソヒソ
「大丈夫みたいです」ヒソヒソ
「どこ……行くんだろ……?」ヒソヒソ
「気になるねー」ヒソヒソ
「でもあのシャンがあれだけ浮かれてるのよ?相当楽しみにしてることだけは間違いないわ」ヒソヒソ
そんな彼女を遠巻きに見張りながら尾行する五つの影があった。それぞれシャンと同じくギルド『ハイアンドロー』のメンバーであるミーヤ・ナミネ・ティア・ウィン・カエデである。
「それに、いつもどこに行くのか誰にも教えないのよ?きっと何か恥ずかしい秘密とかに違いないわ!……フフフ……これでようやくあいつの弱みを握れるわぁ……」
そう息巻いて妖しい笑みを浮かべるカエデ。いつもシャンとは犬猿の仲でありながら常にシャンに優位を取られている彼女にとっては、まさに千載一遇のチャンスといったところなのであろう。
「アンタねぇ……まぁでも確かに休みの日は毎日通ってるみたいだし、どこに行ってるのかは気になるわね」
そんなカエデの様子に『やれやれ』といった仕草を浮かべながらも、シャンの『秘密』に興味津々のミーヤ。
「人の秘密を勝手に暴くのは少々心苦しいですが……でもちょっと気になります」
「私も……シャンがいつもどこに行ってるのか……気になる……」
「ボクもリーダーとしてギルドのみんながどこに行ってるのか把握しておく必要があるからね。それにもしバレてもあとでごしゅ……シャンちゃんが踏んでくれるかもしれないからね」
約一名不純な動機が見えたが、どうやら他の三人も同じようである。
「……とりあえずウィンのドMぶりはいつものことだからスルーするとして、他の皆はどうしてるの?」
「レンは家事、ガルは暇だったらしいからその手伝い、レナは猟犬達の訓練、セレネはレンとガルのやり取りを見て悶えてたわ」
「……まぁ特に何も問題を起こさないようならいいわよ。あたしもせっかくの休みなのにあちこちに謝罪と詫び入れに回りたくないし」

311:名無しさん@お腹いっぱい。
16/09/10 19:41:45.97 w1EtpRL+.net
「あ!皆さん見て下さい!どうやらあそこに入っていくみたいですよ」
そう言い放ったナミネの指差す先には、確かに少々大きめの施設に入っていくシャンの姿があった。
一行はシャンが完全に中に入ったのを確認し、その施設の入り口に近づく。
「……孤児院?」
シャンが入っていった施設。それはアイオリスの街の表通りから少し離れたところにある孤児院であった。
「なんでこんなところに……?」
「どんな用があるんでしょうか……?」
「うーん……シャンちゃんの性格とあの楽しそうな様子を考えてみると……」
『…………』

「いやいやいやいやいくらなんでも色々と不味いでしょ倫理的にもスレの対象年齢的にも」
「え、いやちょっと待って?色々と問題起こしてきたけどついにうちから逮捕者出るの?……ごめん割とガチで胃がねじ切れそうになってきたんだけど」
「えっと……ミーちゃん、ぽんぽん大丈夫……?あと……中でシャンは何してるの……?」
「え、えぇとティアさんそれは……/// ……と、とりあえずミーヤさんはこれ飲んで下さい!///」(胃薬差し出し)
「シャンちゃん……いくらなんでも小さい子供たちにそんなうらやま酷いことしちゃダメだよ……!ボクなら代わりに何でもしてあげるのに……」
『ワーワー!』
一行が慌てながらそんな会話を繰り広げていると(なおウィンはミーヤにリバーブローをぶち込まれた)、孤児院の中から子供達のものと思われる大きな声が響いてきた。
「この声……まさかあいつ着いて早々やらかしたっていうの!?」
「どどど、どうしましょう!」
「今すぐ突っ込んで止めるべき?……いやでもそうすると中の子供達に危険が及ぶ可能性も……」
ミーヤ・ナミネ・カエデの三人はどうすべきか決めあぐねていた(なおウィンはリバーブローでちょうど脚縛りが入り悶えていた)。
「……あ。……あそこの窓からなら……中……覗けるかも……」
が、そんな中いまいち状況が飲み込めていないティアは孤児院の中を覗けそうな窓を発見する。
そしてそんな四人を置いて窓の方へ歩いて行ってしまった。
「ってちょっとティアああああああ!アンタだけは見ちゃダメぇぇぇぇ!!」
四人は慌ててティアを追いかけ連れ戻そうとする(ウィンの脚縛りはちょうど切れた)。しかし間一髪で間に合わず、そのはずみで五人とも中を覗いてしまう。そこには……

312:名無しさん@お腹いっぱい。
16/09/10 19:42:38.56 w1EtpRL+.net
「お前らー!ちゃんと良い子にしてたかー!」
『シャンねーちゃん!おかえりー!』
「シャンねーちゃん!冒険のはなし聞かせてー!」
「えーわたしシャンおねーちゃんにご本よんでもらいたーい!」
「まてよー!シャンねーちゃんとはおれたちが先にあそぶってやくそくしてたんだぞー!」
『ワーワー!』
「こらこら!喧嘩するとねーちゃんもう帰っちまうぞ!順番にみんなのお願い聞いてあげるから我慢すること!いいな!」
『ハーイ!』

「それでその時ちょうどでっかい岩があってな……それをぶつけて怯んだ隙にどうにかそいつをやり過ごして先に進んだんだ」
「うんうん、それでそれで?」ワクワク
「そのあとはどうなったの!?」ワクワク

「『……そうしてリスはそれから糸を集めるようになったのです……めでたしめでたし』……はい、お終い」
「シャンおねーちゃんありがとう!」
「ねぇねぇ!つぎはこのご本よんで!」

「……はーち!きゅーう!じゅう! よーし、お前らみんな捕まえちまうぞー!」
「わーいねーちゃんがオニだー!」
「へへっ、今日こそねーちゃんに勝ってみせるもんねー!」

「ん、もうこんな時間か……じゃあそろそろねーちゃん帰るなー」
『エー!』
「ねーちゃんもっとあそぼうよー!」
「ダメダメ、あんまり遊びすぎると夜寝られなくなっちまうぞ?また今度来てやるからそれまで良い子にしてること!約束出来るかー?」
『ハーイ!』

313:名無しさん@お腹いっぱい。
16/09/10 19:43:17.91 w1EtpRL+.net
『・ ・ ・』
「……えーと」
「そのー……」
「うーん……」
「何と言いましょうか……」
『……あれ誰?』
自分達が知る普段のシャンの様子とのギャップに、思わず現実逃避しかけるティア以外の四人。
「シャン……子供と一緒にいると……すごく……楽しそう……」
それに対し特に疑問も抱かずに素直な感想を述べるティア。
「意外だったけど……シャンちゃんにもああいう一面があったんだね」
「そうですね……」
「……このことはここだけの秘密にしておきましょうか」
「あら?カエデ、アンタにしては珍しいわね。どういう風の吹き回しかしら?」
「別に……ただ、あんなに楽しそうにしてるアイツや子供達に水を差すのもどうかと思っただけよ」
「うん……あんなに楽しそうなシャン……はじめて見るし……邪魔しちゃ……いけないかも……」
「そうだね。……じゃあそろそろ帰ろっか。これ以上は宿のみんなに怪しまれちゃうかもしれないからね」

五人は頷き合い孤児院をそっと後にする。そしていつの間にか夕暮れ時になっていた街はずれをゆっくりと歩いていく。
彼女達は最初は仲間の『秘密』を暴くという目的のために、そして今度はその『秘密』を隠すという目的のためにより一層絆を深め合うことが出来たようだ……。

314:名無しさん@お腹いっぱい。
16/09/10 19:45:06.67 w1EtpRL+.net
「……なーに勝手に良い終わり方にしようとしてんだ、お前ら……?」
そんな五人の背後から良く聴き慣れた、しかし背筋が凍りそうな程冷たい声が響く。
「どうやら随分と面白いことしてくれてたみてぇだなぁおい……」
ゆっくりと五人が振り返った先にいた人物。それはさっきまで自分達が見張っていた大切な仲間。
その顔に浮かんでいたのは先ほどまで子供達に向けられていた眩しい笑顔ではなく、自分達がよく知る見下すようなサディスティックな笑み。
その声に含まれていたのは先ほどまで子供達をあやしていた時の慈愛の心ではなく、自分達がよく知る嗜虐的な行為を愉しむサディストの心。
自分達がいつも見かけているシャン・フェリルがそこにいた。
「まぁとりあえずお前ら……せっかく人が秘密にしてることを知っちまったんだ……覚悟はいいよなぁ?」
「」ガタガタ
「」ブルブル
「」ガクガク
「」ビクビク
「」ワクワク
その夜……ジェネッタの宿では五人がそれぞれ違った『おしおき』を受けたという……。

315:名無しさん@お腹いっぱい。
16/09/10 19:47:08.51 w1EtpRL+.net
以上、拙いものだけどこんなところで。
ついでに上記の補足の追加設定
シャン・フェリル(ハイアンドロー)
実は無類の子供好きということが判明する。
孤児院の子供の面倒を見るきっかけになったのは、ある日たまたまガラの悪い冒険者に絡まれていた子供を助けたことから。
さらに秘かに孤児院に自身のポケットマネーの多くを寄付していたりする。
元々、故郷の村にいた頃から小さい子供の面倒を見ていたこともあり、子供の相手に関しては非常に手馴れている(ただし本人の性格から子供の親からは良い印象を持たれていなかった)。
子供と一緒にいるときは普段のドSな性格は鳴りを潜め、最早『誰だこいつ』と言いたくなるほどの常識人へと変貌する。
自身の性格・性癖が異常であるということは自覚しており、子供達にはそういった面が移らないよう細心の注意を払って接している。
また、普段の自身の性格とのギャップも理解しているのでギルドの面々には秘密にしていた。
なお余談だが、ボイスパターンが38(毒舌)→44(ソロル)に変更された。

316:名無しさん@お腹いっぱい。
16/09/10 20:29:21.70 QPzsiwjx.net
遅ればせながら>>285-297の者です
レス下さった方ありがとうございました 妄想吐き出せてすっきりしました
鶏やら魚視点はミクロな視点を心掛けてるわけでも漱石大好きというわけでもなく、単に世界樹やってたら誰もが知ってるって奴らの視点を選んだだけでした。その方がとっつきやすいかなと
今回は世界樹と言いながら街の話ばっかだったのでもし次があれば樹海探索中のとか考えたいですねぇ。そん時はそれこそ台詞だけみたいな短くすっきりしたものにしたいですわ……
>>303
ちょっと違うかもだけど、後半になって攻撃が苛烈になってくると思わぬ一撃で落ちたら駄目な設定のキャラが落ちたりするんですよね(
お調子者設定や無謀設定ならいいけどニヒルなリーダー的な奴が落ちると途端にヘタレ属性がついたような気がしてモヤる……w
それで逆に妄想が捗る時もあるんすけどねぇ
>>310
むしろ簡潔に伝えられる方が凄い気がしますわ……短くしようとしてもどうしても説明加えてしまう(ssマッテマス ……と書き込もうとした矢先の投下でしたw
良いですよねギルメンの知られざる一面を皆で仲良く尾行する展開
台詞や挙動だけでこれだけ多くのキャラの性格が伝えられるってのは凄いなぁ
ほんわか終わるかと思いきや最後はいつもの感じに戻るのねw そして地味に気になるのがリスに何があったのか

317:名無しさん@お腹いっぱい。
16/09/10 20:38:39.26 Bu05Zt7H.net
なる程ね…意外な一面ってやつですか
いい意味で裏表があるってのはホントあこがれる
あと、地の文が短くなるのは地の文がナレーター担当してるからかなぁ
ssじゃなくて小説風にしたいんなら登場人数を絞るか、地の文担当を決めると安定する…かな?

318:名無しさん@お腹いっぱい。
16/09/10 20:53:36.69 w1EtpRL+.net
>>316
良くも悪くもオチは酷くあれ、が最早うちのギルドの特徴になってきてるんでw まぁとりあえず愉しみにしてたギルドリーダーの期待を裏切っちゃいかんだろうとw
あとリスに関しては数多のボウケンシャーが憎しみを持ってるだろうしお遊び程度に。
今回のリスは糸持ってくならまだしも、宝箱から飛び出してきて全体に雷浴びせてくるやつもいるんで……(白目)
>>317
自分自身、裏表というかギャップ系が好きなんでその影響もあるかもw
キャラ多めだとどうしても全員にセリフを回すためにセリフ量増えちゃうからなぁ、そこらへんは各々のさじ加減ということで。

319:名無しさん@お腹いっぱい。
16/09/10 22:45:31.10 RXS5CS+S.net
<<274
世界は同一。そのうち共演SS晒そうかな
<<285~ 310~
すごい。俺も書こうとは思うけどそんな文才はないよ…
275の続きです
レッド(本名:染山 茜)
セリアン→遠ざけリーパー セーラー服
よりにもよって樹海の一階に飛ばされた学生トリオの一人。
サブカルオタ。それなりにコミュ力はある。むしろうるさい。
瘴気を使えるようになっていた。まだ少し迷宮の過酷さにビビッている。が、好奇心はそれを上回る。
雨弓一家に発見されたとき空を見て物思いにふけっていた。
「スマホで死霊呼ぶとか何それメガテ…」藍「うっさい」
「あたし達も連れてってくれるの?」
インディゴ(本名:染山 瑠璃)
ブラニー→破霊ネクロマンサー セーター
茜の妹。小競り合いが絶えないがなんだかんだで姉妹仲は良好。
こっちは機械オタ。姉よりは静かだがまあまあしゃべる。
現地の魔術を活用した結果スマホで死霊みたいなものを呼べるようになった。
発見されたときは真面目にどうするか考えていた。
「持っててよかった工具一式!」
「姉ちゃん!もう少しの辛抱だからね!」
あと二人います
そのあとSSも晒す予定

320:名無しさん@お腹いっぱい。
16/09/11 10:41:28.38 CB/R7uEi.net
>>319
もしかしてその死霊って死霊じゃなく悪m…

321:名無しさん@お腹いっぱい。
16/09/11 15:39:47.41 cnJXVvDT.net
それ以上はいけない

322:名無しさん@お腹いっぱい。
16/09/11 18:06:04.17 0sdRuP5c.net
続き
追記:茜の声はNo25、瑠璃の声はNo37。
イエロー(本名:山吹 十色)
一刀マスラオ 学ラン 声No02
学生トリオ唯一の男。
真面目すぎて近寄りにくいオーラを出している。
刀を武器に戦う。ひたすら鍛錬に打ち込む姿がよく見られる。
発見されたとき考え疲れて寝ていた。
「…はっ!おはようございますっ!」
(どう反応すればいいんだ…)
オレンジ(本名:覚えていない)
ブラニー→六属ウォーロック ブラニー女 声No28
ある日雨弓一家と全く同じ場所にいた少女。
服装から異世界出身と考えられるが、本人は以前の記憶を失っている。
六つの属性を意のままに操る。技術は達人級。
メンバーとの関係はもはや家族。
「なにも、おぼえてないの」
「わすれたかった、のかな」
二つ名を忘れていたのでまとめて
ブルー『CONSTANT COBALT』
バイオレット『PURPLE PRIDE』
グリーン『EMERALD ENERGY』
レッド『SCARLET SENSE』
インディゴ『NEAT NAVY』
イエロー『AMBER ARTS』
オレンジ『MANDARIN MEMORY』
(命名:茜)

323:名無しさん@お腹いっぱい。
16/09/11 21:15:47.48 K2LHxN35.net
さっき満を持してラスボス挑戦……が、1/4も削れずhage……惜しくもストーリー全ボス初見sageは達成出来なかった。
流石にラスボス自身がSMプレイするだけにこっちの死霊SMプレイは通用しなかったか……w
>>322
異世界トリップ系もいいな、この中だとオレンジが何かしらの鍵を握ってそうだ。

324:名無しさん@お腹いっぱい。
16/09/11 23:43:13.78 heEqAFXg.net
なかなか上の二人のハードル高くて筆が進まない
設定は生えるがなかなか…

325:名無しさん@お腹いっぱい。
16/09/12 00:01:00.61 lVREH4Wo.net
ハードル高いよなあ
一応土台はできたけど二つ名取ってからとかクリアしてからの方が…とか考えてなかなか

326:名無しさん@お腹いっぱい。
16/09/12 19:20:22.11 P4VZHqUT.net
まだラスボス倒せてないがうちのギルドのエンディングのイメージだいたい固まってきたなぁ。
……一つ問題があるとすれば、ハッピーエンドとバッドエンドのどっちにすればいいのか自分でも決められなくて半ばマルチエンド化してるってとこだが……w

327:名無しさん@お腹いっぱい。
16/09/12 19:37:18.99 B9gEMRpm.net
>>326
どっちも晒せばいいじゃないか
大歓迎だぞ

328:名無しさん@お腹いっぱい。
16/09/12 19:59:08.76 P4VZHqUT.net
>>327
とりあえず今文に起こしてまとめてみてる。
ちなみにハッピーエンドの方は各メンバーの簡単な後日談あり、バッドの方は周回を見越した設定になりそうだ。

329:名無しさん@お腹いっぱい。
16/09/12 22:59:49.17 LZhFpX7T.net
>>326
何のためにセーブスロットが9もあると
分岐点とバッドとハピエンのデータそれぞれ作ってタイムツリーを作成するんだ!!
もちろんハピエンの中でもしも…とバッド妄想させてもいいし
仲間が死に行く中で幸せな走馬燈を流す形でもいいんだw
投下気体

330:名無しさん@お腹いっぱい。
16/09/12 23:11:43.41 B9gEMRpm.net
>>329
そういや9個もあったなセーブスロット
こりゃマルチエンディングが捗りますわ

そういややっと一本書けたけどss書くのって難しいなぁ
よく他の人書けるよなぁ

331:326
16/09/13 12:37:35.18 L8adSH7Q.net
>>329
スロットのこと忘れてたわw とりあえずデータは二つに分けといた。
>>330
思いのほかエンディングの文章化に時間かかってるから、先に晒してくれても構わんよ。

332:名無しさん@お腹いっぱい。
16/09/13 20:19:18.84 rpZKMro8.net
では投下
>>222 >>119>>139>>140 >>142より

僕の前には見慣れた一組の男女が居る
一人は『トロン』
そしてもう一人はその妹。
トロンと会うのは二日ぶりだろうか
確か…彼らが迷宮に潜る前に挨拶をしたんだっけ?
これだけならいつも通りだ。
そう、いつも通りのはず…
でも彼の抱える妹は

死んでいた。
………………………………………………
迷宮に潜る上で市場やってはならない事はなんだろうか?
それは糸を忘れる事だ
糸を忘れる事はそのまま死に直結する
「あっ…あれ?糸が…無い!?」
そんな糸を忘れ、慌てふためくクレイルに手を差し伸べたのがトロンだった
「…お譲りしましょうか?」
「えっ!?」
突然の救いの手に混乱するクレイル
しかし、彼は微笑みながら自ら手を差し伸べる
「困った時はお互い様ですよ」
「あ、ありがとうございます!」
それからも会う度、基本はクレイルが助けられるばかりであったが、そのうち時には他愛の無い話もするようになる
お互いの兄弟の話をしたり、
時には釣りや料理に興じることもあった

333:名無しさん@お腹いっぱい。
16/09/13 20:19:44.49 rpZKMro8.net
…………………………………
釣りを初めてから15分
二人ともかかる気配は無い
しびれを切らしたのか、クレイルがトロンに話しかけた
「ねぇねぇ」
「…どうかしました?」
突然の言葉だったが、お互い話す以外にすることもなく、会話が続けられる
「トロンってさ、兄弟とか居るの?」
二人の前の浮きは動く様子もないが
あくまでも釣りに集中しているようで
目線は目の前に向けたままトロンが答える
「二歳下の妹が居ますよ」
妹が居るというトロンの答に、クレイルはトロンの方を向いて軽く頷く
「そういえばクレイルさんにはお兄さんが居ましたよね」
「うん、まあ…あまり似てないって言われるけ…」
「かかった!」
クレイルが話してる途中に、トロンの竿に当たりがあったようで、トロンが先に魚を釣り上げる
「あっ、あれぇ?」
確かに彼らに実力や種族の差はあれど、それらの行為は充分に友人と呼べるものだったのかもしれない

334:名無しさん@お腹いっぱい。
16/09/13 20:20:53.39 rpZKMro8.net
……………………
そして今
「……」
二人の間に重たい沈黙が流れている
しかし
「ね、ねぇ…何があったの…?」
沈黙に耐えかねたクレイルがゆっくりと話を切り出した
「モンスター…?」
クレイルの質問にトロンは首を振る
どうやら違うらしい
「じゃあ…事故?」
これにもトロンは首を振る
事故でもない、敵でもない、ならば残る可能性は一つ
「まさか…人間…?」
クレイルの問いにトロンは答えない
しかし頬から涙がこぼれ落ちる
唖然とするクレイルをよそにトロンが口を開く
「私は誰も守れなかった」
「仲間も」
「たった一人の妹さえも」
「アイツは笑ってた」
「私の仲間の返り血を浴びながら笑ってたんだ」
「ただ怖くて」
「私は恐怖に負けて逃げ出した」
「仲間を見捨てて」
「私だけ、生き延びてしまったんだ」
………………………………
「そんな、まさか…本当に…」
そんなクレイルの問に、トロンは大きく深呼吸して答える
「誰かはわからなかった」
「でも、間違いなく人間だった」
「そいつに私以外全員が殺された」
深い恐怖と絶望にトロンは顔を歪め泣きじゃくる
クレイルも余りの衝撃に固まってしまう
二人の間に再び重く、苦い沈黙が戻ってきた

335:名無しさん@お腹いっぱい。
16/09/13 20:21:37.34 rpZKMro8.net
補足
トロン・バッシュ
(ウォーロック男1)
【ブルースカイ】のミリア・バッシュを叔母に持つ、バッシュ家の長男
性格は謙虚で
自分に厳しく、他人に優しくを地で行く男
世界樹踏破候補の【ペルクトソル】のリーダーだったが、三層で何物かの襲撃に合い、ギルドが壊滅
以後【ハーフムーン】に身を寄せることになる

336:名無しさん@お腹いっぱい。
16/09/13 22:22:42.48 qXxsLue7.net
>>332
これ、アリエスの仕業だって判明したらクレイルはアリエスの件で精神的に打ちのめされてるところにトロンから罵倒されそうだな……辛そうだ。

337:名無しさん@お腹いっぱい。
16/09/13 22:48:08.94 zQzJVsDv.net

これはどう転んでも辛い展開だな
真相を知ったらどうしても憎しみがクレイルに飛びそう
許したら許したで埋められない喪失感が残りそうだ
複数のギルドが関わる展開っていいな
世界観が広がる

338:名無しさん@お腹いっぱい。
16/09/13 22:54:59.35 bgDf/UXP.net
一人一人生い立ちからギルド加入まで書いてたら少し長くなっちゃったけど晒していいかな

339:名無しさん@お腹いっぱい。
16/09/13 23:01:53.56 qXxsLue7.net
>>338
構わん、存分に晒すと良い。むしろ大歓迎だ。

340:名無しさん@お腹いっぱい。
16/09/13 23:12:07.67 bgDf/UXP.net
ではお言葉に甘えて…
ギルド名:アペイロン
『たとえ罠であろうが迷わず突っ込め』が信条の、端から見たらややクレイジーなギルド。メインメンバー全員がそれぞれの理由で罠に突っ込むことも厭わない。
加入する際の面接では白々しいほど爽やかな笑顔のセリアンから「で、君は見えてる地雷を躊躇いなく踏めるタイプ?」と聞かれるらしい。5秒以内に頷けなければ不採用だとか、実際にテストされるだとか様々な噂が囁かれている。
ルシアン 25歳 ♂ドラグーン1 声18ハイテンション
とある国王の庶子である父親を持つ。帝国騎士である母親はルシアンを産みこそしたものの、ついには仕えていた国を捨てられず離れて暮らすことになった。
仕事柄一定の地に留まれない父親と共に旅をしてきたが、7歳の頃に祖母が長を務めるシノビの里に預けられて以降はそこで平穏に暮らしていた。
ところが18歳になったルシアンの前に、父親の腹違いの弟を名乗る一国の王子が現れる。その叔父に乗せられてあれよあれよと言う間に祖父に当たる人物が治める国にまで連れてこられた。
そして2年足らずで叔父はルシアンに1つの遺言を残して病死。次期国王を巡って騒がしい王宮でも叔父の遺言と持ち前の明るさで何とかやってきたものの、しまいには従弟との望まない王位争いにまで担ぎ上げられてしまう。
いい加減うんざりしたルシアンは国外逃亡。従弟と家臣たちからの半年に及ぶ逃亡生活の果てに、追い込まれたルシアンは一か八かで崖から飛び降りる。ところが崖は想像していたよりも高かった。さすがに死も覚悟したが、目を覚ませばおいでませアイオリス。
右も左も分からない状況の中偶然通りがかったハウンドのロビンと出会い、騙し討ちのような形でギルドを設立する羽目に。
(ルシアンがアルカディアの文字が読めないのを良い事に、ロビンが適当な嘘を並べつつ書類を書き進めて勝手にギルドマスターにした)
アペイロンというギルド名はルシアンが提案した。いつかギルドを作った時のために用意していた名前だという。
何事にも全力投球、情に厚く騙されやすい。騙されてもほぼ気にしない。そして時折違和感こそ覚えているが、異世界に来ているという事実にまだ気付いていない。
銃砲などを触ったり改造することが好き。普段から無駄に明るいが、戦闘となると更に気分が高揚してしまう。これらは母親譲りらしい。
騒がしくする割に気配を消すのが得意。父親との旅で身に付けざるを得なかったこの特技を生かして、気付いたら誰かの隣にいたりいつの間にかふらりとどこかに消えたりする。
初っ端から痛い目に遭っているのにまだ文字を学ぶ気すらない。なのに樹海内の採取物や食べ物に関する知識は口伝で即覚えた。宝箱以上にロマンがあって燃えるらしい。
祖父と父親が踏破したという世界樹の迷宮への挑戦にずっと憧れていたためか、樹海探索には人一倍熱意が篭っている。
そもそもアースランではないので、頂上に関する伝説の内容にも真偽にもまるで興味がない。
もし権力を得られるのであれば従弟にでも押し付ければいいと考えている。

341:名無しさん@お腹いっぱい。
16/09/13 23:13:44.17 bgDf/UXP.net
ロビン 推定21歳 ♂ハウンド1 声11穏やか
まだ物心もつかないような幼子の頃に事故で両親を亡くし、偶然そこに居合わせた商人の義父母(ともにブラニー)に息子として迎えられた。
商人としての知識を叩き込まれて育ったためか、金銭に目がなく常に損得を考えて行動する。しかし育ての両親は彼に商売のイロハこそ教えたものの格段ケチというわけではない。
ロビンなりに育ての親と種族が異なることを気にしており、そのコンプレックスを大いに拗らせたせいである。
すくすくと腹黒く育っていくロビンを見るうちに、やがて義父母はセリアンとしての将来も選択肢に入れるべきではないかと考え始めた。ぶっちゃけあまりにもどケチに育った息子に危機感を抱いた。
そして両親に与えられた1匹の猟犬を連れて、ロビンはアイオリスへと旅立つ。
道中耳にした世界樹の迷宮の噂に金の臭いを嗅ぎつけたが、自らの性格があまり良くないことを自覚しているので仲間集めが大変そうだと早々に諦めていた。街のど真ん中で誰彼構わず気さくに話しかけまくる青年を見かけるまでは。
あまりにも世界の常識を知らない青年ルシアンの話を聞いていくうちに、こいつ大丈夫かという感情とこいつ使えるなという感情がせめぎ合う。
気付いたらルシアンをギルドマスターに仕立て上げ、自分もそのギルドに所属することを決めていた。悪気は割とない。
ギルドの実質責任者はロビン。書類や金銭の管理、クエスト請負など事務的な作業は彼が大体処理している。
樹海にはほとんど足を踏み入れないけど自称冒険者。時々ルシアンに無理矢理引きずられて探索に連れ出されている。
義父母を心から慕っていること、ルシアンを騙しっぱなしにせず何だかんだで面倒を見ていることから、本人が思うほど性格が悪いわけではない。
しかし効率主義であるため、ルシアン以外のギルドメンバーからはどうも冷たい印象を持たれている。
猟犬の名前はシラユキ、女の子。彼女を連れてきた義父母、シラユキ自身の様子から察するにハウンドに従うのはこれが初めてではなさそうだ。
ロビンとは出会ったその日から実にビジネスライクな関係が築かれている。たまにもふもふしてるのも毎日散歩してるのも、全ては利害の一致からだとロビンはかたくなに主張する。
伝説はセリアン族に伝わる内容ではなく、ブラニー族に伝わる内容を程々に信じている。ただし頂上にあるとされる財宝よりも、そこに至るまでの過程で得られる利益の方がより大きいと考えている。
……ちなみに見えている地雷は踏まずに回避する。

342:名無しさん@お腹いっぱい。
16/09/13 23:14:52.21 bgDf/UXP.net
フィオリーナ 24歳 ♀ウォーロック1 声33真面目
そこそこ名家の一人娘。幼い頃から大人しく従順なお嬢様として育つが、いつも日常に物足りなさを感じていた。
そんな中、12歳となったフィオリーナは一族の領地である森で行き倒れているアースランの少年、ラルフを拾う。
この子の世話をしなければ!という使命感に目覚めた彼女は、両親にひたすら頼み倒してラルフを自らの側仕えとして引き取ることを決める。フィオリーナ、人生初のわがままであった。
12年後、立派な淑女として育ったフィオリーナは立派な護衛として育ちすぎたラルフを連れて、見聞を広めるという名目でアイオリスへとやって来る。
本命は冒険者となり、世界樹への尽きない知識欲を満たすためである。両親に言えば確実に反対されるので、冒険者を目指すという部分は伏せて家を出てきた。
何事も冷静に対処できるが、新たな知識や謎解きには非常に好奇心旺盛。樹海の地図のほとんどがフィオリーナの手によって記されている。
彼女が戦闘不能状態に陥るなどで記せない場合は他のギルドメンバーが記入するものの、大体描き方についてあれこれ文句をつけてくる。記録物に関してはがっちがちに几帳面であり、ロビンに一目置かれている。
ラルフを弟同然に思っている。外見がどうあれ可愛くて仕方ないらしい。過保護ではないかと他人に指摘されてもどこ吹く風。彼の能力そのものは全面的に信頼しており、何かと任せることも多い。
ここ最近になってようやくラルフに対して弟や側仕えとして以上の感情を抱いていると自覚したが、一族の決まりとして純血のルナリア同士の婚姻が鉄則とされているため既に諦め気味である。
ルシアンだけは彼女の気持ちを知っており、彼も祖父母の身分違いの恋を知っているだけに親身になって話を聞いてくれている。ただし馬鹿なのであまり役に立っていない。
アイオリスで初めて知った酒の味をいたく気に入り、1日の終わりにはルシアンやロビンとよく酒を飲んでいる。フィオリーナが1番酒に強い。
伝説は普通に信じている。日々の樹海探索においても貪欲に知識を吸収しているからか、頂上で得られる世界の謎に対してのハードルが徐々に上がってきている。

343:名無しさん@お腹いっぱい。
16/09/13 23:16:40.76 bgDf/UXP.net
ラルフ 18歳 ♂セスタス2 声8弱気
6歳の時にフィオリーナに拾われる。それ以前の記憶はあやふやだと公言しているが、たった1人の肉親である母親に育児放棄された末に捨てられたことを今でもはっきりと覚えている。それゆえ異常に気が弱く、いつまで経っても自分に自信を持てない。
フィオリーナの住む屋敷に仕えるようになってからも卑屈すぎる性格はなかなか改善できず、また屋敷で唯一のアースランであったことも影響してか同年代の使用人たちから目を付けられて虐められてしまう。
ある日それを見抜いたフィオリーナより、1つの命令が下された。「あなたは確かにあの子たちとは違う種族だけれど、あなたにしか出来ない強さだってあるのよ。見せておやりなさい」
……主人の言いつけのもと、ラルフはひたすら筋トレに励んだ。そして気付いた時には見事なマッチョへと成長していたのだった。周囲にはドン引きされたものの、主従ともにやりすぎたとは微塵とも思っていない。
マッチョになっても気性は穏やかで弱気。それでも昔よりは随分とましにはなっている。
フィオリーナを助けたい一心で掃除洗濯炊事から裁縫まで一通り覚えた。その代わりにフィオリーナはラルフに頼りきりとなり家事全般が不得手となったことに本人は気付いていない。
フィオリーナの旅立ちとともにラルフも護衛としてアイオリスへ同行することになる。ところが街に到着してすぐに生みの母親によく似た人物を見かけて、思わず気を取られているうちにフィオリーナとはぐれてしまう。
自らの不甲斐なさに意気消沈するラルフの前に現れたのは、世界レベルで絶賛迷子中のルシアン。彼の叱咤激励を受けてラルフは再び持ち直し、フィオリーナと合流することができた。
後にルシアンに恩を返すため、また彼の大胆不敵さに憧れて、設立したギルドにフィオリーナ共々加入する。
命の恩人であり主人でもあるフィオリーナを敬愛している。今はきちんとフィオリーナさまと呼んでいるが、幼い頃はフィオねぇちゃんと呼んでいた。たまにうっかり口にしては宿屋の部屋の隅に引きこもるほど凹む。
伝説は信じてはいても興味がない。フィオリーナの知識欲が満たされるならそれで満足。それでももし自分が権力を得られるならば、彼女と対等になれるのだろうかと時折考える。

344:名無しさん@お腹いっぱい。
16/09/13 23:17:38.11 bgDf/UXP.net
エマ 37歳 ♀ハーバリスト2 声24お嬢様
様々な種族が暮らす小さな村で、代々医者として診療所を営む家に生まれる。両親と姉、弟に囲まれて平凡ながらも幸せに暮らしていた。
医者である父親の背を見て育った彼女もまた医者になることを夢見るが、診療所は長子である姉が継ぐことが早くから決まっていた。
それでも少しでも姉の助けになれたらとエマは薬学の勉強を続けた。だがエマが12歳の時、姉は流行病でこの世を去ってしまう。その後両親が後継者として指名したのは、まだ幼い弟であった。
両親が自分に対して期待していないこと、ここに留まっていては夢など叶わないことを幼いながらに悟ったエマは、15歳になると同時に家出を決行するのだった。
この時エマは気付いていなかった。姉の病を治そうとエマが独自の手法で配合した煎じ薬が、死ぬことはなかったはずの姉の命を奪ってしまったことに。両親はそれを分かっていて、エマには何も告げない代わりに家業を継がせない選択をしたのである。
家出した後は薬草売りとして生計を立てながら様々な土地を渡り歩いた。薬学への理解を深めていくうちに、姉の死の原因について徐々に疑問を抱き始めていた。そんな時偶然旅先で鉢合わせた同じ村出身の人間の口から、ようやく真相を聞かされることとなる。
愛する姉を殺した事実、両親への誤解、取り返しのつかない罪にエマは打ちのめされる。しかし彼女はすぐに立ち上がった。罪は償わなければならない。かといってこのまま無為に生き長らえるわけにもいかない。
考え抜いた末にエマは冒険者になろうと決断していた。冒険者とは常に死と隣り合わせに生きる者たちだ。そんな人々を1人でも多く、自分の命を張ってでも救えるように。それこそが贖罪なのだと信じて。
基本的にはおっとりとしていて優しい。他人は出来る限り大切にするが、 自分自身の安全は軽視している。消極的な希死念慮があり、何が起こるか分からない樹海でならばいずれは死ねるだろうと頭のどこかで考えている。
自らの命に対して異様に諦めが早いので、パーティが壊滅してもエマだけは最後の生き残りにしないよう影で取り決められている。
年下であれば問答無用で「~ちゃん」と呼ぶ。老けて見られるとむしろ新鮮で嬉しい。
そのため一目でエマがそれなりの年齢であると見抜いたルシアンを気に入り、ギルドへの加入もルシアンがギルドマスターというだけで即座に決めてしまった。
伝説はもし本当なら皆さん幸せになれますねうふふ程度に他人事として考えている。信じないわけではないが、夢は大事にすべきというスタンス。

345:名無しさん@お腹いっぱい。
16/09/13 23:19:11.18 bgDf/UXP.net
ムツキ 20歳 ♂マスラオ2 声9物静か
武人の家系に生まれた末っ子。上に兄が3人、姉が1人いる。特に重要な責任を負わされることもなく、頻繁に修行と称して家を空ける放任主義の家族の中で自由気ままに育つ。
しかしあまりにも放っておかれたせいで、ややコミュニケーション能力に欠けた大人へと成長してしまっていた。愛想は決して悪くはないものの表情の変化に乏しく、口数が圧倒的に少ない。
子どもの頃より留守がちな両親からの教えを守って、遊びもせず1人でストイックに剣の修行を続けた結果である。
そうして18歳になったムツキは、そろそろ自分も家を離れて修行の旅に出てみようかと軽い気持ちで当てもなく旅立つ。
ちなみに誰にも何も告げずにふらりと家を出たため、2年経ってようやくムツキの不在に気付いた親兄弟に現在進行形で必死に探されている。
特に目的地もなくふらついているうちに、たまたま御触れを耳にしてアイオリスへと訪れる。
世界樹の迷宮ならば格好の修行の場になるのではと考えたムツキは足を踏み入れようとするが、当然ながら即座に衛兵に追い返されてしまう。
まずギルドに所属して認可を得なければならないということを知らず、途方に暮れたムツキはとりあえず空腹を満たそうと魔女の黄昏亭に入る。
そこで居合わせたルシアンに気付けば身の上話を根こそぎ話しており、軽い調子で誘われるがままにギルドに加入することを了承していた。
一見すると人を寄せ付けないような冷たい印象を持たれやすいが、実際はマイペースで純朴。力仕事となるとどこからともなく現れてせっせと手伝い、用が終われば満足そうに去っていく。
自らの剛力で誰かの役に立てると嬉しいらしい。積極的に複数人の会話の輪には入らず、黙って誰かの話を聞いている方が好き。興味がなさすぎる話題であれば、エマやラルフを肩車して遊んでいたりもする。
幼い頃から熱心に取り組んできた剣や修行のこととなると目の色が変わる。どんな困難が待ち受けていようとも、修行として捉えて果敢に挑もうとする。
同じセリアンであるロビンから冗談交じりに脳筋(意訳)と馬鹿にされて以来、彼を何かと毛嫌いしている。しかしロビンの猟犬シラユキとは仲が良く、彼女を巡っての三角関係が繰り広げられている。
伝説についてはあまり口にはしないものの、何の疑問も持たずに信じまくっている。強くなったその先のことまでは考えていない。

346:名無しさん@お腹いっぱい。
16/09/13 23:23:35.77 bgDf/UXP.net
おまけで見た目
URLリンク(i.imgur.com)
URLリンク(i.imgur.com)
URLリンク(i.imgur.com)
URLリンク(i.imgur.com)
URLリンク(i.imgur.com)
URLリンク(i.imgur.com)

終わり
ごめん、いざ書いてみたはいいが自分がドン引きするレベルでなっげえな
でもたのしい

347:名無しさん@お腹いっぱい。
16/09/14 06:40:48.17 OLceQtlB.net
個性的なのに仲良さそうなメンバーだな
二つ名笑った

348:名無しさん@お腹いっぱい。
16/09/14 18:13:26.63 kQyL61fW.net
>>340
一つ凄まじく気になる事がある。
このギルドは第一階層の地雷解除クエは結局どう突破したんだろうかw

349:名無しさん@お腹いっぱい。
16/09/14 19:23:27.12 K9ObCews.net
>>348
ギルマスが面白がって二つ踏んだところで、見えてる罠に突っ込む理由がお嬢様を守るためであるマッチョがガチ泣きで制止
そこで本来の依頼内容を思い出したので最後だけは真面目に解除しました

350:名無しさん@お腹いっぱい。
16/09/14 19:44:49.37 kQyL61fW.net
>>349
ある意味期待通りの答えだったわw

351:326
16/09/14 20:49:09.02 kQyL61fW.net
エンディングに関して簡単にだけど固まったから投下してく。
とりあえずハッピーエンドの方から。

設定に関しては前スレ>>705~今スレ>>6>>89参照

ハイアンドロー:エンディングA『それぞれの旅立ち』
水晶竜討伐後行方をくらましたウィン。仲間たちはウィンが一通だけ保管していた王女からの密命文を発見し、すぐさま第五階層に向かう。
第五階層の奥、24階でウィンを発見した一行はウィンを止めるために、ウィンもまた主人の命令を遂行するために戦いとなる。

激戦と説得の末にウィンを連れ戻すことに成功したハイアンドロー。一行はそのまま第五階層の最奥の元凶を討ち果たす。

その後王女はハイアンドローの手によって捕縛され罪人として王都に引き渡される。

全てが終わった後、ギルド『ハイアンドロー』は一時解散。いつかまた再会することを誓い合い、それぞれ自身の目的を果たすために旅立っていった。


ウィン・ローレスト
過去の因縁全てに決着を着けた後、世界樹だけでなくまだ見ぬ世界の謎を求めて旅立っていった。その傍らには常に最愛の『御主人様』、そして数人の仲間達がいたという。

シャン・フェリル
ウィンの『御主人様』として共に旅立つ。本人曰く、王女は調教して連れて行こうかとも思っていたらしいが『こいつ(ウィン)にまた何かあったら困る』ということで止めたらしい。なお身長は結局伸びなかったそうだ。

カエデ・メイフェン
『揉み足りない』とのことでウィンの旅に同行する。シャンとは相変わらず折り合いが悪いようだがなんだかんだ戦闘での相性は良いようだ。ちなみに結局胸は全く育つことは無かった。合掌。

ナミネ・ヴァーミリオン
『ウィンさんは回復する人がいないと大変なことになってしまいます!』とウィンの旅に同行。日々皆の傷(うち9割ほどはウィンのもの)を癒しながら医師としての腕を着実に磨いている。

レナ・フォルク
猟犬達と共に修行と称してウィンの旅に同行。虫嫌いは相変わらずなようだが暴走は減ってきたようだ。

セレネ・ルナリィ
レン・サイアス
実はギルドメンバーも知らないうちにやや親密になっていたらしく二人で旅に出た。なお世界樹への挑戦を止めてからはレンの料理はまともになったらしい。

ガル・ウォルフェイド
ミーヤ・ストレイン
ティア・ストレイン
一人旅に戻ろうとしたガルだったが、『また迷いそうでほっとけない』という理由からミーヤが、『ミーちゃんに付いていきたい』という理由からティアが旅に同行することに。ガル自身はめんどくさそうにしながらも満更でもないようである。

バッドの方は周回前提なこともあってかもう少しかかりそうだ……。

352:名無しさん@お腹いっぱい。
16/09/14 22:33:45.82 FUPhfwUi.net
あっさりとして冒険者らしい好みのグッドエンドだわ



…そのぶんバットエンド重いんだろうなぁ

353:326
16/09/14 22:59:07.15 kQyL61fW.net
>>352
自分自身、重い設定は好きだけどバッドエンドは苦手だから救いに繋がるような内容にはしてある(と思う)。
というわけでバッドも投下。

ハイアンドロー:エンディングB『もう一度、仲間達と共に』
24階でのウィンとの戦いに敗れ、ギルド『ハイアンドロー』は壊滅。ウィンはそのまま最奥の元凶を討ち滅ぼし第五階層の未知の技術の情報を持ち王女のもとへ帰還する。
数年後、ウィンから齎された樹海の技術により隆盛を果たした『国』が王都及びアイオリスの街を侵略、世界樹は『国』の管理下に置かれる。
それによって一握りのアースランのみが世界樹の恩恵を独占、残された多くの民及びブラニー・セリアン・ルナリアは『国』に管理・支配されるようになってしまう。

それから数十年後、『国』から逃れながら一人当てもなく樹海を彷徨うブラニーがいた。
それはギルド『ハイアンドロー』の唯一の生き残りであるセレネ・ルナリィであった。
幸か不幸か、ウィンとの戦いで奇跡的にも生き残ってしまっていた彼女は死に場所を求めるかのように樹海を、それも『国』にとっても前人未踏の地である第六階層を彷徨っていた。
(ちなみにウィンは命令のためとはいえ『大切な仲間達を自ら手にかけてしまった』ショックから精神が崩壊してしまい、帰還から数年後に衰弱死している)

やがて第六階層の奥でセレネは最大の敵である星喰と対峙。既に精根尽き果てていた彼女は星喰に自身を殺すよう懇願する。
星喰がそれを理解したのかは不明だが、迫りくる星喰の攻撃を前にセレネはゆっくりと目を閉じる。

『これでようやく……みんなにまた会えるわね……』

そう呟いた次の瞬間、セレネの身体は塵一つ残さず消し飛ばされ、彼女の魂は安らかに大切な仲間達の元へ逝った……。




……はずだった。

少ししてセレネは目を覚ました。そこはまだ平和だった頃の、そしてまだ自分がギルド『ハイアンドロー』に所属する前のアイオリスの街だった。
そこでセレネは再びかつての仲間達と出会う。彼達は自分が知る仲間達とは少し違うが、それでも紛れもない同一人物だと確信することが出来た。
自分が知るアイオリスとは少し違うこの『次の』アイオリスで、セレネの新たな旅が始まるのだった……。

・『次の』アイオリス
星喰に殺されたはずのセレネが辿り着いたアイオリスの街。大まかな点はセレネが元いたアイオリスと同じ。
セレネの持つ『前世の記憶』のスキルによって記憶を保ったまま輪廻転生によって辿り着いたのか、それとも星喰の攻撃によって並行世界に飛ばされてしまったのかは不明。
少なくとも後述の仲間達の特徴から、単純な時間遡行ではないことだけは確か。

・『次の』ハイアンドローに関して
『次の』アイオリスにおけるハイアンドローの面々の特徴として
・外見やクラス、年齢等に差異は無い
・大なり小なり、性格やそれまで歩んできた生い立ち等に差異がある。しかし『前の』ハイアンドローの面々と共通するところもあり同一人物であると実感出来る。
・セレネ以外は二つ名の種類が入れ替わっている、また二つ名の名前も異なる。
(ウィンの二つ名が金剛→砲火になっているなど)

354:名無しさん@お腹いっぱい。
16/09/14 23:02:18.75 kQyL61fW.net
とりあえず以上。ぶっちゃけ『前世の記憶』のスキル名に惹かれてこうなった感はあるかも。
とりあえず2周目のメンバーに関しては現在まとめ中。

355:名無しさん@お腹いっぱい。
16/09/14 23:05:37.46 FUPhfwUi.net
うわああ…ウィンさん仲間殺しちゃうんですか…

『次の』があるにしてもなんというか夢オチのようで全く救われてないよなぁ
特徴とか違うのなら絶対に意識しちゃうだろうし

356:名無しさん@お腹いっぱい。
16/09/14 23:20:45.32 kQyL61fW.net
>>355
徹底的に追い込んでみたらいつの間にかこうなってた。
まぁ跳ばされたのが年長組だからまだマシな方なんじゃないかなぁって思ってる。ティアや年少組だったら例え跳ばされても精神的に耐え切れなかったと思うし。

結論から言うと>>89の設定が降ってきちゃったのが一番の原因だろうなぁ、てかあの王女ホント余計なことしかしねぇ(苦笑)

357:名無しさん@お腹いっぱい。
16/09/15 13:37:24.43 JOa8NOC+.net
ワーイ、ウマクイタッヨ
自分の設定が一部でもが広まっていくのが嬉しい
これがハッピーエンドに繋がってもセレネの心情考えると設定に深みが出るね

358:名無しさん@お腹いっぱい。
16/09/15 18:20:30.20 /smRag0J.net
>>357
セレネ自身としては、本当なら既に死んでるはずの自分が形はどうあれ仲間とまた会うことが出来たってことに満足してて、『前』の仲間達との違いに関してはもう割り切れてる感じかな。

ちなみに2周目は設定的に1周目のバッドエンドには絶対に繋がらない予定(バッドエンドが無いとは言ってない)

359:名無しさん@お腹いっぱい。
16/09/17 05:58:15.41 /gXeUpxh.net
二軍パーティの設定考えてたらくっそ長くなってしまった
SS1レスと二軍設定、それと二軍新設に伴って二つ名見直しした今の一軍設定を貼っていきます

360:名無しさん@お腹いっぱい。
16/09/17 05:59:54.03 /gXeUpxh.net
ヒュウガの成長イベント &#8722;もう鎌は飾りじゃない&#8722;

水晶の迷宮までたどり着いたギルドCitrus
思わず目を奪われる美しい迷宮にもやはりモンスターはいる
モンスターは初めて見る人間を格好の獲物と判断し、早速襲いかかった
いち早く敵の接近に気づいたのはヒュウガだ
素早くモンスターに接近し、おもむろに手に持った大鎌をぶん投げて敵に蹴りかかった
「死神キック!」「(死神要素ゼロだよねそれ)」
パーティの盾であるバレンシアはいつでも助けに入れるよう身構えながら
心の中で何度繰り返したかわからないツッコミを入れる
「ウォーサイズブロー!」「(いやそれただのパンチだからね?戦鎌はさっき投げ捨ててたよね?)」
「死神アッパー!」「(だから死神要素……どうしよう、ツッコミが間に合わない)」
いつも通りの戦闘が終わり、ぶん投げた鎌を拾うヒュウガにバレンシアが恐る恐る話しかける
「あのさ…今更言うことじゃ無いかもしれないけど、この鎌って何に使ってるの?」
「えっ?見ての通り攻撃っスよ」
彼は鎌を使っているつもりで戦っていたのだ。戦闘の度に鎌をその辺にぶん投げてる自覚は無かったようだ
「つーかこんなデカい鎌持ってるのに使ってない奴がいたらダサすぎっしょwww」
自覚のない自虐に、バレンシアは軽い頭痛を覚えた
今までどうして誰も疑問を口にしなかったのか
それは戦う彼の姿があまりに堂々としていたからだ
一切の迷いもなく戦うその姿は下手に口出ししてはいけない気持ちを起こさせてしまう
そうして月日が流れるうち、今更そんな疑問を口にできない空気が生まれてますますツッコミづらくなっていった
しかしそれももうおしまい
ヒュウガ本人のためにもそんな不条理な沈黙は打ち破らなくてはならないと、バレンシアは決意した
「じゃあ、どうして戦闘の度に鎌を拾いに行ってるの?」
「そういやなんで俺、いつも戦闘終わったら鎌探してるんだろ……えっまさか俺って鎌を使ってない!?」
ヒュウガは酷いショックを受けた
そして一ヶ月の休暇を貰い、鎌で格好良く戦うクールな死神目指して修行の旅に出たのであった

そして一ヶ月後、ヒュウガは戻ってきた。ドラグーンとなって。
彼が肩に担ぐ得物は巨大な銃身の先端に湾曲した刃を取り付けた銃剣、いや銃鎌と言うべきか
相変わらず彼が憧れるリーパーとは程遠い姿だが
とても嬉しそうに銃を撃ちまくるヒュウガに口出しをするものはもういなかった

361:名無しさん@お腹いっぱい。
16/09/17 06:01:25.83 /gXeUpxh.net
二軍パーティ設定

こっそり力を蓄えた死霊Eが仲間を集めて世界樹の迷宮に挑む
無断で仲間を集めたのであやうくメインパーティと敵対しそうになったが
シラヌイ(後述)がうまくとりなして存続を許された
一軍がスルーしたクエストや素材集めの消化と資金稼ぎが主な仕事
構成は 砲撃 連撃 迅雷/犬狼 天譴

●「二つ名」名前
職業/外見
以下詳細
という書き方をしていきます
長いので数レスに分けます

●「自称黒幕」ハレヒメ
天譴シャーマン/シャーマン女2
役割…自称真のリーダー
出しっぱなしで放ったらかしにされていた死霊。今までは死霊Eと呼ばれていた
メインパーティが身につけていた追憶の音貝のおかげでじわじわと力を蓄え
ついに生前と同程度の能力を取り戻し、自分の本名「羽礼比女」を思い出した
生前のハレヒメは遥か昔に滅びた王国の姫君であり、強い力を持つ巫女だった
近い未来を予想する力を持っており、その力のおかげで人々から恐れられたり奸臣に利用されたり
様々な目にあったがここでは割愛する
ある時王国で大規模な飢饉が起こり、生贄の儀式が行われることになる
最上位の巫女であり尊い血をひくハレヒメは生贄としてはある意味最もふさわしい、言い方を変えれば最高級の供物といえる
生贄に選ばれたハレヒメは目を覆いたくなるほどの凄惨な死をとげた
強い恨みを持ったハレヒメは怨霊として復讐の機会を伺いながら彷徨っていた
そしたらある日、変な召喚術に引っかかってこの世に現れてしまった
音貝のおかげで力をつけたハレヒメはメインパーティを出し抜いて世界樹の頂きにある宝を奪うため、ついに行動を開始する
しかし根が単純で騙し合いなんか全然向いてないのでうまくいきそうにない
「わらわの事は姫と呼ぶがよい。嫌か?ならラスボスと呼んでよいぞ。それも嫌じゃと、何故じゃ!」

362:名無しさん@お腹いっぱい。
16/09/17 06:02:17.45 /gXeUpxh.net
●「怪異ブリーダー」マーシュ 犬狼ハウンド/セリアン男汎用
出しっぱなしなっていた悪い冒険者の霊。今までは死霊Dと呼ばれていた
追憶の音貝のおかげで生前の力と名前を取り戻した
自分を現世に呼び出して住処まで与えてくれたブラッドには感謝してるけどそれはそれ
大人しくしているよりもハレヒメの企みに乗っかった方が面白そうだと判断して彼女のパーティに加わる
盗み脅し騙しは平気でやる悪党だが人殺しは好まない
だから一軍のユズや自分のパーティにいるシラヌイのような危険人物とはなるべく距離を置きたがっている
ブラッドが召喚術に失敗して化物を呼び出してしまう度に
「亡霊同士ならうまくやれるだろ」という謎の理屈のもとにマーシュに化物の管理を押し付けてくる
本人は不本意だが、その化物達とはすぐに心を通わせることができた
Citrusで変な経験を積んでいくことで自分でも知らなった才能が開花したようだ
言葉選びがいちいち小物っぽいのが特徴
ヒュウガには自分と同じかませ犬キャラの匂いを感じて親近感を持っている
「こっ今度は何を連れてきたんだよ!一体俺をなんだと思ってるんだ!」
「目当てのブツは手に入れたし早いとこずらかりましょうぜ」

●「冷血剣士」シラヌイ
迅雷フェンサー/マスラオ男2
二軍の実質的なリーダー
美意識の高いオネエ系な剣士
世界樹の迷宮とは金稼ぎと腕試しのために来た
格下の相手にも入念に策を練ってから挑み、一方的になぶり殺すことを好むサディスト
敵を陥れることは大好きだが、自分が騙されたり陥れられると激しく怒り狂う
最近冒険者としてギルド登録されたハレヒメとマーシュは凄い能力を持っている割に単純なので
利用価値がありそうだと考え、二人の仲間になった
二軍の運営に関わる細かい仕事や一軍との話し合いなんかは主に彼が行っている
外面はいいのでそこまで警戒されていない
「アッハハハ!こんな罠に嵌まって無様にもがいて苦しんで死んでいくなんて、最高ねぇ」
「このアタシが…こんな罠に嵌まる…っ!?何故だ、何故だ何故だ何故だッ!!」

363:名無しさん@お腹いっぱい。
16/09/17 06:03:44.26 /gXeUpxh.net
●「撲殺紳士」トムソン
連撃セスタス/セスタス男2
シラヌイの相棒
趣味は料理と掃除と戦闘
シラヌイとは違い、自分よりも強い敵と戦うことを好む
普段は気さくで優しく礼儀を重んじる性格だが、敵と見なした相手には容赦せず
人が変わったかのような残虐さをもって叩き潰す
シラヌイと組む前は料理人を目指していた
料理の腕も接客も文句なしのレベルだったが、唯一にして致命的な欠点が血の気の多さだ
客が喧嘩を始めると止めに入ったつもりがついつい一緒になって暴れてしまう
ある日ついに問題を起こして料理店を辞めることになり、その直後にシラヌイと出会う
共に旅をするうちにシラヌイの狂った人格に影響を受け、自分の戦闘狂な一面を開花させてしまった
彼のお陰で二軍メンバーは樹海の中でも美味しいご飯を食べられる
「準備できたぞ。さあ食事にしようか」
「お前の力はそんなものかぁ!最期まで、物言わぬ肉塊へ変わるまで抗ってみせろ!」

●「蜂の巣にしてやるぜ」ヒュウガ
連撃セスタス→砲撃ドラグーン/リーパー男2
今まで死霊と言う名のニートだったハレヒメが仲間を集めて勝手に迷宮へ入りだしたので
そのお目付けとしてブラッドの指示で送り込まれた
「二軍のリーダーになってパーティを管理しろ。無理なら力ずくで潰してもいい」
との命令で送り込まれたのだが、パーティの主導権はすっかりシラヌイが握ってしまっている
それどころかヒュウガは二軍パーティの悪役軍団っぽい雰囲気に感化されてヒャッハーし始めた
そもそもヒュウガには辛気臭い雰囲気漂う一軍パーティよりも明るくて自由な二軍パーティの方が肌にあっていたのだ
完全に人選ミスである
「やっべえ…俺この空気に流されそう…」
「ヒャッハー!おい雑魚どもォ!死にたいやつから前に出なァ!」

364:名無しさん@お腹いっぱい。
16/09/17 06:04:39.76 /gXeUpxh.net
うちのハウンドがあつかう獣(というかバケモノ)の設定
ある意味異世界転生モノ
●ヤマノケ(猟犬)…ブラッドが召喚に失敗して別の世界から呼び出したモノ
勝手に徘徊されても迷惑だからマーシュが預かって面倒を見ることになった
テンソウメツが口癖
山奥に棲み着き、近くを通る人間に取り憑いて生気を吸う恐ろしい化物らしい
15歳以下で健全な心を持っていそうな少女が好物。残念ながらCitrusには該当者がいなかった
故郷にいたときより力が落ちているので
仕方なくCitrusの手助けをしながら元の世界へ帰れる日を待っている
戦闘では森の木々から力を集めて仲間達を癒やしてくれる
…関係ない話だが、最近樹海で理由なく正気を失う女冒険者が増えているらしい

●くねくね(鷹)…ブラッドが召喚に失敗して別の世界から呼び出したモノ
飛んだり曲がったり歪んだりとフリーダムな動きができる真っ白な化物
こいつと目を合わせると良くて頭縛り、酷いと回復不可能な混乱状態になるので気をつけよう
ブラッドが屋敷で召喚の実験をしていたらこいつが呼び出されて、逃げ回った挙句ユーレカの部屋に入り込んだが
その場に偶然居合わせたユズが(というか勝手に部屋に忍び込んでベッドの下に隠れていた)咄嗟に切り捨てて大人しくさせた
言葉も動きも意味不明で何を考えているのかわからないが、Citrusのために戦ってくれる
例によってマーシュが管理を押し付けられている

次のレスからは一軍の設定を書いていきます

365:名無しさん@お腹いっぱい。
16/09/17 06:06:32.43 /gXeUpxh.net
現在の一軍メンバーの設定
ヒュウガが抜けて代わりに知らない爺さんがパーティ入りし、編成が 金剛 死遠 四天/六属 召霊 に変わりました

●「転生キメラ」ブラッド
破霊ネクロ→召霊ネクロ/ネクロ男2
役割…リーダー、荷物持ち
ギルドCitrusの発足者。冷静沈着で無責任な性格
最近召喚術に更なるアレンジを加えてみた
そしたら別の世界からも化け物をせるようになってしまった
何が出てくるかは呼び出してみるまでわからないので危険極まりない
召喚に失敗して消せなくなった化け物はとりあえずマーシュへ押し付けている
最近、棺桶に食材を入れておくと長持ちすることに気づいた
時々棺桶から死霊と融合してモンスター化した食材が飛び出すようになったのが難点
「名伏し難い触手のような化け物を召喚してしまった…面白そうだから放っておこう」

●「唯一の良心」バレンシア
金剛ドラグーン/ドラグーン女1
役割…副リーダー、事務処理会計各種手続きetc...
いつの間にか変人ばかりが集まっているCitrusの現状に頭を抱えている
もはやCitrusでの常識人はバレンシアしかいなくなってしまったので
気づいたら人事やクエスト受注、
転職にともなう冒険者ギルドでの手続きなどの外向きの仕事は彼女が一人で担当することになっていた
加えて会計と事務処理もこなしているので探索に出ていないときも仕事が山積み
でも自分が仲間達から頼られていることにこれまでにない喜びを感じている
ここまで頼られることを喜ぶのはブラックギルド時代に「自分なんか価値がない人間だ」と思い続けてきた反動である
また、度を超えた献身ぶりも自分を消耗品か何かだと思い込まされてきた過去からくるものだ
最近はそんな気持ちの変化が戦闘スタイルにも現れてきており、自らカウンタースキル(墓穴・カウンターガード)の受け役を引き受け
敵の攻撃もユズが放つ三途渡りのとばっちりも文句一つ言わずに受け止めている
Citrusが抱える問題をほとんど一人でフォローしているバレンシアはいつ潰れてもおかしくない危うさがある
もしも彼女が潰れたらCitrusはあっという間に崩壊するだろう
「うちくらいですよ、料理の度に武器を構えなきゃいけないギルドなんて」
「さあ、今日も頑張らないと」

366:名無しさん@お腹いっぱい。
16/09/17 06:07:07.06 /gXeUpxh.net
●「マイペースな分析家」ユーレカ
天寵シャーマン→六属ウォーロック/ウォーロック男1
役割…マッピング、モンスターと素材の情報の記録係
バレンシアが敵の攻撃と三途渡りを自ら受けとめる戦法を取るようになってから
毎日ひどい怪我をしている姿を見て
「自分も仲間を守れる程度には強くなった方がいいのかな」
と思い始めた
元々はシャーマンをやっていたが、他人とタイミングを合わせるのは苦手な方なので
戦闘では味方の行動が終わってからバフをかけてしまうことが多かった
仲間はそれでも助けになっているから気にしていなかったが、ユーレカ自身は
最近になってそのことを気にするようになっていたので、この機会にシャーマンからウォーロックへと転職することを決める
他人を気にかけて転職するというのは彼にとってはかなりの成長だが、まだまだチームプレイは苦手なので
攻撃魔法に味方を巻き込みそうになることが多々ある
最近は深く潜るほどに複雑になる迷宮の地図作成が楽しくて仕方ない
迷宮で走り書きしたラフな地図やメモを元に毎晩資料を作成するのが何よりの楽しみ
「…でもさ、魔物に入り混じって戦う味方だけを狙いから外すなんて中々難しいと思うんだ」

●「サイコストーカー」ユズ
四天マスラオ/アースラン女汎用
役割…料理担当、メイン火力
今までは三刀+鎧を装備していたが、バレンシアから
「私が守るから遠慮しないで思いっきり戦っていい」
と言われ、鎧を捨てて四刀スタイルに変更した
刃を向けられても怒りも恐れもせず受け止めてくれるバレンシアにユズは深い尊敬の念を抱くようになった
自分がここまで強く気持ちを動かされる相手は今まではユーレカしかいなかったので戸惑いを隠せない
でもユーレカがわざわざバレンシアのために転職した事に対しては強い嫉妬心を抱いている
恋敵(と勝手に認識していた)バレンシアへの敬愛と憎しみの気持ちはユズの脳内をこれまで以上に混沌とさせていく
これが成長に繋がるか、更なる狂気を生むかはまだわからない
「私のためにこんなに傷つくなんて可哀想に。とっても嬉しい…」

●「神出鬼没な老詩人」ベルガモット
死遠リーパー/ドラグーン男2
役割…採取や素材剥ぎ取りなどの雑務
いつの間にかギルドに混ざっていた謎多き爺さん
ある日突然現れて戦闘に参加し、戦闘終了後も顔なじみのようなノリで会話に混ざるベルガモットに
ギルドメンバー達は皆、ツッコミを入れるタイミングをうかがっていたが
一緒に戦っているうちに悪いやつじゃないと思えてきたのでギルドメンバーとして採用することに決めた
丁度ヒュウガが二軍に移った時期なので人材不足だったという理由もある
一人称は我。口数は少なくクールな印象
孤高そうな見た目に似合わずとても気がきく性格で、雑用を進んでやってくれるし
戦闘でも的確にサポートしてくれる、痒いところに手が届く存在
冒険者をやっている理由は世界樹の中には美しいドラマが溢れているから
迷宮を歩む冒険者達にふらりと近寄り、そんな悲劇や喜劇をすぐ側で鑑賞するのが生き甲斐
気配の薄さも優秀だが目立たない仕事ぶりも人間観察をするためだけに身につけてきたものである
気分が盛り上がると常人が理解できない言葉で話しだすようになる
理解できない旨を正直に言うとわかりやすい言葉に言い直してくれる
「冷徹なる月光が我が罪を曝け出さんが如く降り注いでおる(月が綺麗ですね)」
「時は満ちた。虚に魅入られし者共は何を望むのか(そろそろ昼食の時間ですね。今日は何を食べますか?)」


以上です


次ページ
最新レス表示
レスジャンプ
類似スレ一覧
スレッドの検索
話題のニュース
おまかせリスト
オプション
しおりを挟む
スレッドに書込
スレッドの一覧
暇つぶし2ch