16/09/03 19:27:40.27 yE1ZAO9e.net
ある程度固まってきたので晒す
ギルド名 WRDSH
古代語(英語)で 全 種族の 迷宮 探索 隊 の意味。
(Whole Races' Dungeon Searching House)
母音がないので読めない。初期メンバーの名前の頭文字と一致しているが偶然。(設定上は)
名前はそのキャラの職名と頭文字を合わせる。
以下キャラ詳細(環境依存文字が混じってます)
ディアナ・シェーファー(Diana-Schäfer)『純潔の守護者』
砲火ドラグーン ドラグーン女2 声No.09
親の死をきっかけに冒険者を始めた少女。
両親は凄腕の冒険者で、幼い頃から親の背中を見て育った彼女は、自然と冒険者を目指すようになっていた。
バカ真面目で敬語が基本。探索では豊富な知識でパーティーをサポートする他、戦闘では一番の火力係として活躍している。
(序盤に取ったガードスキルはほぼ使っていない)
ラルフ(後述)は幼馴染で、何度もアタックしているものの、決まって相手がキョドられてうやむやになっている。
また、親の死に深く関わる後述の人物には滅多に見せない憎しみを向ける。
伝説は信じていないが、頂上にあるものに対する興味は尽きない。
「皆さん起きてください!もう7時ですよ!」
「あ、あなたは!私の親を、憧れだった人を殺した!」
「ちょ、ちょっと落ち着いて下さいよラルフさん!」
ラルフ・エールリヒ(Ralf-Ehrlich)『正義の審判者』
振り撒きリーパー リーパー男1 声No.30
赤毛(メッシュは隠れてます)の少年。クールのような印象を受けるが、その実かなり熱いやつ。
すぐ何かに熱中して静かになるのも上の印象に拍車をかける。
赤毛のため、よくそれをネタにからかわれている。冒険者になったのは昔いじめてきた奴らを見返すため。
努力でごり押しする癖があるが、それでうまくいく運と才能もある。
探索中イベントにあまり引っかからない。戦闘中は大体異常を撒いているだけ。時期問わずよく死ぬ。
ディアナに思いを寄せているが、ちょっといい雰囲気になるとすぐ黙りこくったり逆に喋りまくるようになったりしてうまくいかない。
ある人物の加入後は感情的になりがちなディアナのブレーキ役になることが多い。
「ネ、ネクタルを…」
「落ち着け!いくらコイツを傷つけても何にもならねえよ!」
「ぼ、冒険者としての、その…冒険者だ!」
212:名無しさん@お腹いっぱい。
16/09/03 20:12:38.14 5P0926w+.net
>>211
王道設定イイネ…
でもこの感じだとディアナが病みそうだなぁ
213:名無しさん@お腹いっぱい。
16/09/03 21:40:08.33 EddaUazb.net
>>211
ディアナは仇絡みで熱い成長イベントとか覚醒イベントがありそうだ
残りのメンバーにも期待
214:名無しさん@お腹いっぱい。
16/09/03 22:26:43.51 5P0926w+.net
>>213
めっちゃカッコイいじゃないですかやだー
最近はちょっとしたストーリーや世界観が出来上がりつつある
このゲームやっぱり凄いなぁ
215:名無しさん@お腹いっぱい。
16/09/03 23:33:23.95 yE1ZAO9e.net
修正 ディアナの声はNO.33
ワルワーラ・ニコラヴェナ・リャードワ(Варвара-Николаевна-Лядова)「自由の魔法使い」
支配者ウォーロック ウォーロック女2 声No.30
厳格な家を飛び出してきた魔術師。
努力せず才能でごり押すタイプ。才能自体はある。
彼女も彼氏を失っている。そのショックで覚えた魔法のほとんどを忘れてしまっている。
その後、後を継ぐというディアナのギルドに加入。
よく酒を飲む。上記の事件の後数週間は酒場に入り浸っていたという。
探索では才能を活かして多方面に活躍。戦闘でも安定したダメージソース。
「とりあえず一杯!」
「当分の目標は、あの頃のあたしを超えることかな」
「あ、またあの二人またやってるよ…」
ヘンリク・フォン・エステルハージ(Henrik-von-Esterházy)『実りの狩人とその相棒』
犬ハウンド ハウンド男1 声No.11 犬 バーター 鷹 ギョース
ディアナ、ラルフの友人。あと一人メンバーが欲しいというので調査がてら加入。
数年前、考古学者の父に連れられ引っ越してきた。二人とは新聞配達のバイトで知り合った。
ペット2匹は物心付いた頃から一緒。
セリアンでは珍しいインテリ。しかしセリアンらしい勇敢さも兼ね備える。
探索では身体能力で色々と役に立っている。戦闘でも封じ、回復とマルチに活躍。
ギルド内では例の事件に一番関係が薄いのを気にしている。
ある人物加入後はそれが顕著に表れるようになり、両者の架け橋になろうと日々苦労している。
「またひどいな…バーター、回復お願い。」
「僕が、僕が頑張らなきゃダメなんだ…」
「僕?そういう恋愛関連は特に何も…何その疑いの目」
ステーファノ・シリグ(Stefano-Sirigu)『賢き奇跡使い』
天寵シャーマン シャーマン男1 声No.07
南の孤島出身の青年。幾何学模様が現れる特殊な術を使う。
いつも冷静に、物事を一歩引いた目で見ている。問題解決の糸口になることもしばしば。
島を代表して伝説の財宝を求めてやってきた。事件の後散り散りになった控えメンバーの中で唯一残った。
自転車がひそかな趣味。暇なときによく走っている。
探索では地図描き担当。戦闘では多彩なバフで味方を確実にサポートする。
「何で水面塗っちゃダメなんですか?」
「私はあなた達を手助けするだけです。主役はあなた達ですから。」
「ちょっと一っ走りしてきます」
216:名無しさん@お腹いっぱい。
16/09/03 23:39:51.25 5P0926w+.net
大量の伏線ですなぁ
これは期待
217:名無しさん@お腹いっぱい。
16/09/04 00:40:04.42 kq5xzftK.net
>事件の後散り散りになった控えメンバーの中で唯一残った。
シリグはディアナの両親と同じパーティーだったのか、
Wrdshのパーティが途中で壊滅しかけるのか?
続きが気になる
最近スレがkskしてて嬉しい
218:名無しさん@お腹いっぱい。
16/09/04 00:43:07.23 3UPMussc.net
>>217
最近勢いあるよね
嬉しい限り
219:名無しさん@お腹いっぱい。
16/09/04 00:48:35.10 3UPMussc.net
そういや世界観設定とか晒して良いのかなここ
220:名無しさん@お腹いっぱい。
16/09/04 00:58:53.26 kq5xzftK.net
はよ、はよ晒すんだ
古いスレとかにもオリジナル世界観とかいろいろあるし
前スレで年表まで作った猛者もいるお
221:名無しさん@お腹いっぱい。
16/09/04 01:06:52.39 7/1+0lLF.net
俺もなんかまた色々と追加設定生えてきたよ。とりあえずただ文で挙げるだけだと味気ないから、ちょっとSSにしてみようかなーと思って現在まとめ中。
222:名無しさん@お腹いっぱい。
16/09/04 01:49:09.05 3UPMussc.net
と言ってもこじんまりしたものですが
>>119
>>131
>>139
>>140
少しばかり昔に世界樹に挑んだ一つのギルドがあった…
二人のアースランが立ち上げたそのギルドは無名ながらも非常に速いスピードで成長し、遂には第五層に到達する
しかしギルドは25階にて謎の失踪を遂げてしまう
それ以来大量のギルドが世界樹に挑んだが、誰一人として踏破した者は居なかった…
それから時は流れて15年後
世界樹に探索目的で挑む冒険者も減り、世界樹の伝説も風化していく中、世界樹踏破に踏み出した二つのギルドがあった
一つは【 ペルクトソル 】
ルナリアの名家出身の兄妹が率いるギルド
ギルドリーダーのバッシュ・トロンはかの15年前のギルドのウォーロックの血を引くということで、非常に期待がかかっている
そしてもう一つは【ハーフムーン】
アースランの神童と呼ばれる
アリエス・トロントをリーダーとするギルドで、こちらも非常に期待されている
………はずだった
蓋を開けてみれば【ハーフムーン】に居たのはアースラン一の落ちこぼれに家出当然の少女3人に記憶喪失の女性一人という有り様で、誰一人として【ハーフムーン】に期待を寄せる人など居なかったのだ…
一方そのころ世界樹ではモンスターや冒険者が相次いで惨殺されるという事件が続発し、見かねた評議会はその得体の知れない殺人鬼を【ナイトキラー】として多額の懸賞金を掛け、対策を図る
結果、懸賞金に目が眩んだ冒険者によって世界樹には大量の冒険者が集まり、15年前の活気を予期せぬ形で取り戻していく…
・伝説のギルド
アースラン2人、ルナリア、セリアン、ブラニー、一人ずつで構成されたギルドで、前人未到の第四層を突破するなど、今なお語り継がれる存在
25階層にて失踪し、メンバーの行方はわかっていない
・ナイトキラー
夜な夜な遊びに出かけるアリエスにいつの間にかついたあだ名
夜中しか現れないことから名前が来ており、
多額の賞金が掛けられているが、挑んだ人間の大半が死体になるので評議会でも人間かモンスターか判別が着かないほどに情報が不足している
出現階層は幅広く、四層から一層までどこにでも出現し、誰彼かまわず殺して遊んだり喰ったりする上、時のトップクラスギルドが壊滅するなど異常な実力を持つ
223:名無しさん@お腹いっぱい。
16/09/04 02:20:09.11 kq5xzftK.net
いいね!!
アリエスに勝っても負けても詰んでやがるwww
>>198、>>204で全然爆破してなかったので後日談投下
メンバーとレベル差が開いてきたので、
差を埋めるためにレベリングをすることにしたガン子とブラニー
キキカギ「ワフワフ」
カシク「樹華ちゃん、このあいだのアレってコツとかなぁい?(どんぐりを拾いながら)」
樹華「フンジンバクハーのことですか?あれは狭いところに粉を撒くといいらしいです」
カシク「この間のキャンプポイントとか、ここみたいな?」
樹華「ええ、こんな感じでっ(小麦粉ぶん投げ)」
ブラニーの小柄な体では上手く飛ばなかった小麦粉も、
アースラン族の手では上手く飛散し、通路に粉がもうもうと舞っている!
新米ギルド「うわ、なんだこれ」
新米ギルド「リーダー!煙の中からカメが!!」
新米ギルド「どっかの戦闘から逃げてきたんだろ、横どっちまえw」
カメ「??」
樹華「これで横に避難して、後は火をつけるだけです(イナズマショット)」
カシク「うーん、私には無理そうk」
新米ギルド「うわぁぁぁあああああああああああああっ!!」
轟音とともに爆炎が舞い散り、男たちが吹き飛ぶ
モンスターも全滅したようだが、通路も滅茶苦茶になってしまった!!
キキカギ「……(ジト目)」
樹華「……あ(汗)」
カシク「に、逃げよう?(習得はやめておこーっと……)」
この後二人に二つ名が付けられたw
224:名無しさん@お腹いっぱい。
16/09/04 14:06:21.75 3UPMussc.net
>>223
そんな詰んでるかな?
あんまりその後は考えてなかったし是非とも理由が聞いてみたい
225:211
16/09/04 14:30:51.67 kmUwm+eA.net
反応が良くて嬉しい限り。
それではWRDSHの控えメンバーを。
イルダ・オラサバル・ハイメ(Hilda-Olazábal-Jaime)『孤独の薬草師』
慈悲ハーバリスト ハーバリスト女2 声No34
物静かなアルビノの女性。
あまり日光に当たれないので引きこもり、それをからかわれ、さらに引きこもり…という悪循環に陥り、根暗な性格になってしまった。
自分が外に出る勇気をくれた医者にはかなり感謝している。
薬草専門になったのは目が悪いから。
世界樹の噂を聞き、重宝されるだろうとアイオリスに向かった。一番居心地が良かったのがWRDSHらしい。
探索ではイベントの被害者になることが多い。戦闘では貴重な回復役として味方をサポート。
一見正反対の性格のワルワーラとよく酒場で飲んでいる。
「ん?よく見えない…」
「意地でもあんた達は生きて返すわ」
「あんた第2階層であたしのパンケーキ食べたでしょ」
オルバーン・ツェツィル(Orbán-Cecil)『気取った拳士』
セリアン→衝撃セスタス マスラオ男1 声No20
女好きな格闘専門のマスラオ。
幼少期の一家惨殺のトラウマから享楽的な生き方をしている。
何がしたい訳でもなく浮浪を続け、アイオリスに行き着いた。
あまり好かれる性格ではないことは自覚しており、追い出さず面倒を見てくれるWRDSHには感謝している。
探索では大体力でごり押している。戦闘ではよく死ぬ。
イルダに世話になりまくった結果色々と妙な感情を抱いているようだ。
「何で地面掘るためだけに俺が行かなきゃいけねーんだよ」
「何でこんなんだってわかって俺の面倒見てくれるんだ?」
「め、迷惑だってのはわかってんだよ」
ニーカ・ミハイロワ・ゲルト(Нина-Михайловa-Гердт)『惑いの少女とそのトモダチ』
召霊ネクロマンサー ネクロマンサー女1 声No39
今まで散々隠してきた『ある人物』の正体。今回の事件の原因。
元々ルナリア魔術学校の生徒だった。優等生で純粋だった彼女は、周囲の妬みからよく騙されていた。
ある日教えられた魔導書。呪文の文以外はかすれて読めないが、深く考えず彼女は呪文を唱えた。
それが禁じられた「人殺しの呪文」であることも知らず…
その対象になったのがディアナの両親、ワルワーラの彼氏の計3人だった。
死霊として存在しているとはいえ、人を殺してしまったという事実は彼女の性格に深く影を落としている。
死霊の言うことしか信じず、その彼らにも罪悪感から心を開いてはいない。
いつか自分なしで彼らが動けるようになる呪文を編み出すためあても無く旅を続け、アイオリスに至った。
身内がいる手前追い出す訳にもいかないので、仕方なくWRDSHの一員とされているが、しばしばディアナ等に暴言を浴びせかけられている。
「皆、来て」
「言いたいだけ言えばいい、私が殺したのは事実だもの」
「何で、何で私に関わろうとするの!辛くなるだけよ!あなたも、私も!」
226:名無しさん@お腹いっぱい。
16/09/04 14:49:08.30 kq5xzftK.net
>>224
女性陣やライバルギルドは事件を解決するだけで問題ないんだけどさ、クレイルは実子じゃないやん?
アリエスをどうにかしても跡継ぎが消えるからトロント家が詰む
アリエスが改心するか、他にも跡継ぎ用意するか実家見捨てて平民おちせんとクレイルはBadendしか迎えられないやん……
227:名無しさん@お腹いっぱい。
16/09/04 15:00:27.64 3UPMussc.net
>>226
あっ
よくよく考えたらアリエスを殺しても彼をナイトキラーと信じて貰える可能性は低いよなぁ…
殺さなかったとしたら他のメンバーは良しとしてもクレイルは行き場所を無くすし…
これクレイルだけピンポイントで詰んでますやん…
>>225
事故か…
悪意があった訳じゃないだろうしこれはしんどい
228:名無しさん@お腹いっぱい。
16/09/04 20:49:56.34 7/1+0lLF.net
>>225
ニーカと他のメンバーとの蟠りがどう解けていくかが鍵だろうなぁ……あと魔導書の件で騙した奴への報いはよ。
>>227
Ⅲのエイクも今回のクレイルも、主人公だけピンポイントで報われない感あるなぁ……
てか追加設定浮かんできたからSSまとめてみてるけど若干長くなってきてるわ……w
229:名無しさん@お腹いっぱい。
16/09/04 21:24:33.90 3UPMussc.net
>>228
小分けで晒せばいいんじゃないかな
エイクは復讐も済ませたし金も入ったし幸せなんだろうけどアーモロード的にはバッドエンドかね?
230:名無しさん@お腹いっぱい。
16/09/04 21:47:49.24 7/1+0lLF.net
>>229
とりあえずまだ途中だけど近々流してみるかな。
まぁゲーム的に片方に付いたらもう片方から見ればバッドエンドだしなぁ
231:名無しさん@お腹いっぱい。
16/09/04 21:51:12.63 h+stIavh.net
>>181だけどまだ一周目もクリアしてないのに、仲間割れでギルド壊滅したバッドエンドから続く
2週目パーティの妄想設定が膨らんできてしまったので晒させてください
SS1レスと設定1レスです
232:名無しさん@お腹いっぱい。
16/09/04 22:03:27.96 3UPMussc.net
>>231
オッケーイ
233:名無しさん@お腹いっぱい。
16/09/04 22:34:07.79 h+stIavh.net
では
ユズにとってCitrusの仲間はかけがえのないものになっていた
大切な仲間のため、これまでなんの躊躇もなく発散してきた嫉妬心を我慢して、膨れ上がる狂気を溜め込み続けた
やがてユズは壊れた
きっかけはほんの些細な出来事だった
軽い怪我をしたユーレカをバレンシアが手当し、普段人と目を合わせないユーレカが
珍しくバレンシアの目を見て礼を言った。それだけのこと
彼女とってこの光景は到底許せるものでは無かった
音もなく刀を抜いたユズはバレンシアに斬りかかる
その時とっさに庇ったヒュウガはまともに斬撃を受けてしまい即死した
「混乱?まさか三途渡り…いやそんなはずは無い。だって」
仲間の豹変に戸惑い考えを巡らせるバレンシア
しかし彼女へ再び向けられた刃に思案を打ち切られ、なし崩し的に人間同士の戦闘が始まる
ユズはまさにこの時ために一刀マスラオに転職していた
ユズが放つ兜割りの前には鉄壁の防御力は意味をなさず、バレンシアも無惨に斬り殺されてしまった
流石にここまでくると唯一無二の親友であったユーレカもユズに恐怖を抱き始めた
もう後戻りはできない。ならば貴方を殺して私も死ぬと、ユズはこの日のためにずっと隠し持っていた新品の短剣を取り出す
まだ誰の血でも汚されていない短剣で貴方を殺そう。ユズは喜びとも悲しみともつかない表情を浮かべ短剣を振り上げた
しかしその時、少し離れた場所に隠れていたブラッドがユズに死霊をぶつけた
ユズは聞き取れない声で何かを呟いた後、焼死する
モンスターに襲われたわけでもなく突如壊滅したギルドCitrus
ブラッドとユーレカはひとまず今後の方針を決めるためギルドハウスに戻った
そしてブラッドはユーレカを気絶させ、魂を喰らい身体を奪った
ユーレカを庇ったのは仲間意識でもリーダーとしての責任感でもない
大事な予備の身体を壊されてはたまらないという、ただそれだけの理由だ
人間の危険性を改めて思い知ったブラッドは死霊ばかりを集めたギルドを組み直し、再び世界樹へと挑むのであった
234:名無しさん@お腹いっぱい。
16/09/04 22:39:48.39 h+stIavh.net
バッドエンドから続く2週目メンバー設定
推敲してたら長くなったんでレス分けます
カラー変更はこんな感じ
URLリンク(i.imgur.com)
名前の前の「」は二つ名
●「新生キメラ」ブラッド
外見…短髪ウォーロック男
職業…召霊ネクロ
役割…リーダー
リニューアルしたブラッド
ユーレカの魂が5%ほど混ざったせいで前よりも少しだけ口が悪くなった
仲間にしている死霊D~Eに名前が無いのはその方が使役しやすいから
名前をつけると自我が強くなってしまうので、命令に背く可能性が出てくると考えてのこと
「やれやれ、ふりだしに戻ったか」
「また君に計画を狂わされるわけにはいかないからね、管理させてもらうよ」
●「名もない小悪党」死霊D
外見…セリアン男汎用
職業…死振りリーパー
役割…毒味
Citrus崩壊前からの付き合い
詳細は>>185
詰めが甘い性格で、迷宮で冒険者の遺品なんかが落ちてると警戒せずに拾う
そして酷い目に合う
「旦那!またお会いできましたね…って誰だお前!?」
「うう、次から気をつけますって…」
●「名もない呪い姫」死霊E
外見…三つ編みシャーマン
職業…三属ウォーロック
役割…マスコット
Citrus崩壊前からの付き合い
詳細は>>185
この世に絶望をもたらすためにCitrusを利用しているつもりだったが
最近では冒険そのものが楽しくて当初の目的を忘れかけている
みんなから子供扱いされるのが不満
「無礼者めが、妾を誰だと思っておる!えっ知らない?何故じゃ!」
「そんなに妾の力を借りたいのか?仕方ないの~(ニコニコ)」
235:名無しさん@お腹いっぱい。
16/09/04 22:42:26.27 h+stIavh.net
●「名もない怨霊」死霊F
外見…アースラン女汎用
職業…一刀マスラオ
役割…メイン火力、料理担当
ブラッドを殺すために黄泉返ったユズ
でもブラッドから召喚される形で出てきたので彼には逆らえない
見た目は初恋の人、中身は自分を殺した上に使役するど畜生なブラッドに
複雑な気持ちを抱きながら第二の人生を歩む
新たな予備に選ばれたルビー(後述)のことを心配してギルドを抜けるよう助言しているが、うまくいっていない
「お願いだからその目で私を見ないで…」
「私を解放したら必ずアイツを殺す。きっとそれが分かっているから手放さないのね」
●「冷徹な仮面」ルビー
外見…ルナリア汎用女
職業…砲火ドラグーン
役割…マッピング係
いくつものギルドを渡り歩いてきたベテラン冒険者
彼女がギルドを移った理由は様々
壊滅した場合もあり、彼女自身が見切りをつけた場合もある
そんな経歴のせいで一部の冒険者からは「金さえ積めば誰にでもつく信用ならない奴」と噂されている
しかしルビーは「損得で動かない人ほど信用できないものはない」と逆に主張し噂など気にしない
新米の頃は感情的で正義感あふれる性格で、自分の信条に反することには真っ向から反対するタイプだった
ギルドに馴染めず渡り歩く羽目になったのもその性格によるものが大きい
今はクールな現実主義者を装っている。その方が自分も他人も楽に生きられると考えたからだ
Citrusで割と気さくな死霊達と関わるうちに、少しずつだが上手く素の自分を見せられるようになっていく
冒険者ギルドに最近登録されたルナリアの中で、不気味なCitrusの雰囲気を嫌がらなかった唯一の人物
例によってブラッドの予備の身体としてスカウトされた
ブラッドにとってはルナリア女の身体はベストではなく、乗り移るとなぜか少しだけ運が悪くなるから
なるべくならルナリア男を仲間にしたがっていた
でもルビーの冒険者としての実力と心の強さは買っている
「先に言っておくけど、あなたの目的がどうであれ私には関係無いわ」
「感謝などしなくていい。目の前の敵に集中して」
以上です
236:名無しさん@お腹いっぱい。
16/09/04 23:04:29.96 7/1+0lLF.net
>>233
あぁ……なんとなくそんな気はしたが、やっぱりやらかしたかサイコストーカー……w
俺もまだクリアしてないがなんか触発されてバッドエンド・ハッピーエンドの分岐ネタ浮かんできたかもしれん。
ただうちの場合は>>89の追加設定が下敷きになるから、2周目はそもそも全く別のギルドの物語になりそうだ。
237:名無しさん@お腹いっぱい。
16/09/04 23:16:08.33 3UPMussc.net
サイコパス恐るべし
238:名無しさん@お腹いっぱい。
16/09/04 23:27:33.51 ryOlBEjT.net
兜割り当たっちゃったか―
ラスボス倒せばハッピーエンドが確約されたゲームで死人出してバッドエンド生み出せる妄想力いいなあ
ところで単独パーティでキャラの絡みなぞあるはずもなく設定オンリーでも大丈夫ですかね
239:名無しさん@お腹いっぱい。
16/09/04 23:40:27.50 3UPMussc.net
>>238
大丈夫ですぜ
240:名無しさん@お腹いっぱい。
16/09/05 01:01:26.51 2fwnP1YP.net
では拙いですがお言葉に甘えて
ギルド 一人と二匹
つづみ
外見:セリアン種族絵♀ 褐色肌に灰色がかった白髪、赤紫色の瞳
ボイス:クール
職業:ハウンド 一部ボス戦ではネクロマンサー
貧しい山奥の村生まれ。
動物だけならまだしも人には見えない死霊とまで意思疎通が出来てしまう。
長いことその事実を隠してきたが、何もない空間に向かって楽しそうに喋る姿を見られ
気が触れたのかと村人から恐れられることに。
小さな村の誰もがつづみを避け、ついには幽閉されそうになった彼女は逃げるように村を出た。
死霊に助けられつつ動物たちの力も借りながら行く当てもない旅をしていると
ある日、大陸の中心にある世界樹が闇に飲み込まれそれがやがて大陸全体を覆っていく夢を見る。
動物でもなく死霊でもない誰かが呼んでいる気がした彼女はアイオリスへと向かうことにした。
もう長い間動物と死霊としか話していなかったために他人との接し方を忘れてしまった。
あまり喋らず物静かで近寄りがたい雰囲気を持つが、頭の中は食べ物か宿屋のふかふかベッドのことで占められている。
「知らない人からは受け取れない(って死霊が言ってた)」
「わかった(パンケーキが食べたいなあ…)」
猟犬:テンパス 鷹:トラクト
樹海へ行ったきり帰らない主人を街で待ち続ける2匹の動物。
ならば一緒に探しに行こうと提案したつづみに力を貸す。
2匹とも従順な性格ゆえに主人と認めた人間以外には露骨に態度を変える。
死霊
つづみは死霊だと思い込んでいるが彼女が生まれ育った土地に古くから住まう精霊の一種。
その土地から離れることで力のほとんどを失ってしまった。
物理的に干渉することはできないが、豊富な知識と人生(?)経験でつづみを助ける。
住む世界が違う者に肩入れをしすぎるのは良くないと思いつつも
自分と話すことが出来る人間は数百年ぶりであり、つい口が出てしまう。
「食うのか。本当に食うのか?…我は知らんぞ」
「お主の呼ぶ名が我の名じゃ。だからこれからも死霊と呼んでおくれ」
二つ名
八足三魂の射手(飛鷹)
一人と二匹、合わせて八本の足で樹海を進む。
テンパスとトラクトは主人の亡骸を弔った後も彼女についてゆく。
2匹はつづみを新たな主人と認め、かつての主人が夢見た世界樹の頂を目指す。
街中でも常に一緒だが犬とはぐれ鷹に探される姿はどっちが飼い主かわからない。
二足亡魂の死術士(破霊)
動物たちでは樹海の皇帝たる巨象に太刀打ちできないと悟ったつづみは死霊の力を借りた。
魔物の生命力を吸収する事で本来の力の一部を取り戻した死霊は彼女の新たな武器となり盾となる。
以上です
クリア後ボス戦で砲火に転職した理由が全く思い浮かばない。
241:名無しさん@お腹いっぱい。
16/09/05 01:35:24.56 XIo6oUhN.net
お一人様でもクリアできるのか…(戦慄)
242:名無しさん@お腹いっぱい。
16/09/05 12:46:01.45 PmJUrnDR.net
>>241
世界樹Ⅲでも裏ボスをたった一人(&盾役一人)で簡単に消し飛ばせるクラスがあったりするんやで……まぁ必要なスキル振りとレベリングにそれなりの時間はいるが。
243:名無しさん@お腹いっぱい。
16/09/05 13:09:50.05 8xd2iZKl.net
バッドエンドから物語繋いでくのいいなぁ
ダークファンタジーそんな好きじゃないけど世界樹は絵柄柔らかいから気分滅入らないや
>>240
死霊(精霊)は面白いね 名前つけられないのが残念
と思ったけど本人がいいっつってるし主人公目線では死霊なんだから問題ないのか
そしてさらりととんでもないもんにソロで挑んでる気がするけど、実話?
なんて書いてたら自分も晒したくなってくるあるある
世界観一新された今作に世界樹4の設定とか持ち込んでるんだけどそういうのも構わないんだろか
244:名無しさん@お腹いっぱい。
16/09/05 13:18:31.93 XIo6oUhN.net
>>243
大丈夫大丈夫、なんでもこいこい
俺もⅢの晒したし
>>242
シノビだっけか?
245:名無しさん@お腹いっぱい。
16/09/05 13:34:03.78 2fwnP1YP.net
>>243
ぜひぜひ
象さんはお香と縛り糸で動き止めてる間に等価交換連打
ゾンパに抵抗がなければどの種族でもソロで勝てるはず
むしろラスボスの方がよほどつらかった
246:名無しさん@お腹いっぱい。
16/09/05 14:18:36.55 MFmkrGYk.net
>>244>>245ありがとうございます
一応、世界樹4ネタ有、擬人化?チック、コメディタッチなので注意
絶界雲上域の片隅、暗国ノ殿はとある凶報に浮足立っていた。
「ビートルロードが殺された!」6層随一の防御力でもって仲間を守ってきた彼の信頼は厚く、慕われてきた彼の死は多くの者を悲しませ、怒り狂わせた。
6層最奥在住、悪食のYさんは語る。
「ええ、確かに見たんです。返り血を浴びた何者かが丁度そこの次元から走って出ていくのをね。まったく許せませんよ、彼は、彼は……」
声を震わせるYさんは涙ながらに現在調査隊を募り犯人を捜す準備をしていると漏らした。
筆者としてもこの許されぬ悪行の全容が暴かれ、犯人に正義の鉄槌が下されるのを望むばかりである。
暗国ノ殿広報部土竜通信:かぎづめモグラ
やがて名乗り出た5匹の魔物により異世界侵攻も兼ねた調査隊が編成される。
彼らが飛び込むのは別次元の世界―『アルカディア』―情報収集の為それぞれがヒトの姿を与えられ、今彼らの初めての旅が始まる。
暗国ノ殿異界支店メンバー
名前:アカジ氏 人間換算16歳
クラス:♂ハウンド1アナザー赤髪色白、転職マスラオ
備考:常に寝ぼけたのんびり屋。
調査隊の募集すら知らなかったがメイガスにより強制的に参加させられた。
すっきり目覚めた際の戦闘能力は竜をも凌ぐ程、のはずだったが刀という人間の武具になかなか慣れることが出来ず悪戦苦闘中。
起きてる時は比較的常識人だが押しが弱くあまり強く意思表示はできない。その分本気で怒った時の手加減はない。
時折寝ぼけて宿の家畜を食べようとしてジェネッタに「めっ」される姿が見られる。熊語が通じる仲。
名前:メイガス 人間換算17歳
クラス:♀ウォーロック2アナザー藍髪青肌、転職シャーマン
備考:リーダーを務める仕切り屋さんにして皆の名付け親。
特にビートルロードと仲が良かったわけではないが旺盛な好奇心と知識欲から調査隊に出願。恐らく誰よりも今回の旅を楽しんでいる。
またアカジ氏の寝てる間に勝手に参加登録させるなど何かと抜け目ない一面も持つ。
時折アルカディア評議会内に忍び込み本を読み漁っては兵士に追い出される姿が見られる。レムス様は引き笑いで黙認。
名前:ヤンマ大王 人間換算27歳
クラス:♂リーパー2金髪色白
備考:ファンキー&ハイテンション。
クレイジーな外見でビートを刻み街行く人を恐怖に陥れる。熱くなりやすい性格で喧嘩も絶えない。その度にメイガスの指示でハナビに石化させられる。
暑苦しさは仲間想いの裏返し。ビートルロードと最も親しいのも彼だった。
時折魔女の黄昏亭で酔って大暴れする姿が見られる。メリーナは彼が来て以来店に石化の香を置くようになった。
名前:破滅野ハナビ 人間換算12歳
クラス:♀ハーバリスト1紫髪
備考:戦闘では臆病なおませさん。
攻撃を受けようものなら香だのハーブだのを手当たり次第に投げつける。結果的に敵を状態異常にできる場合が多く性格の割りに戦闘貢献度は高い。
プライベートでも店売りの香を愛用しており、不用意に彼女の部屋に入ると麻痺ったり毒ったりする。本人曰く美肌効果が期待できるらしい。
参加の動機は人間の恋愛に憧れて。
時折香の配達に来たセリクが状態異常になっている姿が見られる。
名前:ライデン10 人間換算10歳
クラス:♀ネクロマンサー1アナザー黄髪黄肌赤黒目、転職ウォーロック
備考:無口で無表情。
過去のトラウマから仲間に危害を加える者に異常な敵対心を抱く。調査隊に参加したのも単に犯人を許せないから。
ただそんな彼女の重い気質も緊張感に欠けるメンバーには通じず、それが返ってトラウマの緩和に繋がっていることを彼女はまだ自覚していない。
メイガスとハナビに妹分認定され何かとガールズライクなお誘いがかかるも本人は乗り気でない。
時折釣り中のエドガーの傍らにちょこんと寄り添う姿が見られる。その誰も入り込めない謎の父娘感は静寂を好む彼女にとって格好の逃げ場である。
長くなったので分割
247:名無しさん@お腹いっぱい。
16/09/05 14:19:26.17 MFmkrGYk.net
>>246続き
その他の魔物
悪食のYさん
魔物たちのボス的存在、かつ冒険者にとっては裏ボス的存在。
今回の一件で別次元の世界の存在を知り、ちょっと侵略したいなと思っている。
そのための斥候として調査隊を送り込んだ。ビートルロードの敵討ちは建前である。時折花開く。
赤獅子丸
犬、あるいはアカジ氏がヒト化した時にミスって分かれてしまった力の一部。仕方ないのでギルドで飼っている。
伝承鳩
鷹、あるいは暗国ノ殿と異界支店を繋ぐ連絡係。どうしてか次元を超える力を持っている。ギルドで飼っている。
ビートルロード
次元を超えて絶界雲上域を侵略に来た星喰の一部を単身で止めた勇者。
彼の死闘は誰もが知る世界を誰に知られることもなく救った。
以上でした。
そのまんま4の6層エネミー、赤獅子、ホロウメイガス、大王ヤンマ、破滅の花びら、ライデンジュウです。
前作での彼らの布陣のシナジーの高さがとても仲が良いように見えたので妄想が膨らみました。
実際に二周目をこのパで進んでるんだけど召喚枠使えないとすっごい苦労する……
248:名無しさん@お腹いっぱい。
16/09/05 14:43:24.60 MFmkrGYk.net
>>245
なるほど象さんとかでしたか いやそれでも凄いんだけれど
裏ボスまで突っ込んだのかと思いましたわ 突っ込むのかもしれないけど(
ID違うけど>>243でした 連投失礼
249:名無しさん@お腹いっぱい。
16/09/05 14:49:59.92 2fwnP1YP.net
あいつら仲いいもんなあ
擬人化しやすいというのはすごくよくわかる
Yさん花開いちゃっても大丈夫なのかひょっとして中身に人格乗っ取られてるのか
250:名無しさん@お腹いっぱい。
16/09/05 15:09:41.66 2fwnP1YP.net
連投失礼
>>248
30Fのあれは流石におとなしく封印されてもらってます
それ以外のボスをレベルキャップ順守で全撃破30FのEDを見て一人旅はおしまいです
251:名無しさん@お腹いっぱい。
16/09/05 15:33:11.64 XIo6oUhN.net
>>247
コメディチックでいいね
妄想が捗りそうだ
252:名無しさん@お腹いっぱい。
16/09/05 16:28:25.44 MFmkrGYk.net
>>249
まあ中身ごと倒されても2週間で復活するような方ですし大丈夫でしょう
乗っ取られてるかどうかは本人のみぞ知るといった感じでしょうか(考えてない
>>251
今作はストーリー性薄めてくれてるから妄想勢は楽しく進められますよね。勿論シリアス方面でも
253:名無しさん@お腹いっぱい。
16/09/05 16:32:10.40 TFswP+Rt.net
4は4でインペリアルさんっていう火力特化がいてですね?
>>247
街の人の対応wwww
そういえばエドガーさん結婚してるんだよな……ネズミhshs
254:名無しさん@お腹いっぱい。
16/09/05 17:06:30.47 XIo6oUhN.net
っていうか地味に世界救ってるビートルロードェ…
255:名無しさん@お腹いっぱい。
16/09/05 18:05:54.03 HL9NE3Ff.net
>>244
メインアンドロのサブゾディもヤバいぞ、触手一本も潰さなくても消し飛ばせる
>>246
こうして見るとこいつらといいカボチャといいⅣの第六迷宮の敵はみんな仲良いよなぁ……住んでるところはあんなんだけどw
256:名無しさん@お腹いっぱい。
16/09/05 18:59:29.81 MFmkrGYk.net
>>253
街の人との交流は毎度妄想しますわ。皆キャラ強いしねw
エドガーさんは放置コメ聞く限り娘さんもいるらしいっすね
>>254
ずっと先の話なんだけど彼との戦いで星喰の鎌が欠けてて、欠けた分のリーチで仲間が助かる展開とかが好き
>>255
色々な初動があってからhageさせてくるからそれぞれの関係性がわかりやすいですよね
今作の6層エネミーは各個が仕掛けてくる縛り状態異常のバラエティー多すぎてやられる前にやるって感じの攻略したからどうもそれぞれの色が見えてこない印象
次辿り着いたらがっぷりよつで組んでみようかな
257:名無しさん@お腹いっぱい。
16/09/05 19:18:44.77 XIo6oUhN.net
悪夢なんて経験値稼ぎに即死させられるしなぁ
正直潜航もHP低いし牛魔人くらいしかまともに戦って無い
258:名無しさん@お腹いっぱい。
16/09/05 23:47:12.65 XIo6oUhN.net
もう一度世界観設定練り直してたらむちゃくちゃ長くなったんで、また晒して大丈夫ですかね?
259:名無しさん@お腹いっぱい。
16/09/05 23:55:40.59 TFswP+Rt.net
もうちょい練ってみたら?
いっそ支部池と言われるレベルのストーリーにまとめたっていいんだ
260:名無しさん@お腹いっぱい。
16/09/05 23:59:36.35 XIo6oUhN.net
>>259
支部池?
261:名無しさん@お腹いっぱい。
16/09/06 01:27:37.91 5fs39WFJ.net
やっと第4層突破…
支部池ってなんなんだろうか…
262:名無しさん@お腹いっぱい。
16/09/06 02:18:16.09 LYa5+Mzj.net
「こんな本格的なストーリーに仕上げるならここで晒すよりpixivにアップした方がいいんじゃね」というレベルかと
支部はpixivの略、池は行け
263:名無しさん@お腹いっぱい。
16/09/06 18:44:59.05 5fs39WFJ.net
>>262
おっ…おう…
そんな壮大なもんを作るつもりではないんだが…
反省してちょっと練り直してきます
264:名無しさん@お腹いっぱい。
16/09/06 19:22:24.22 2v5KDUFc.net
ライトな設定でもSSの枠を飛び越えた大作でも気軽にどんどん上げてくれると嬉しい
265:名無しさん@お腹いっぱい。
16/09/06 23:05:47.17 5fs39WFJ.net
前日章みたいなものを
>>222>>119>>131>>139>>140
ギルド【ブルースカイ】
今なお伝説としてその名を馳せるギルド
各個人が様々な問題を抱えていた為風あたりは強かったが
そんな中でも、目的を共にした4つの種族の男女が世界樹を踏破していく様は大戦に苦しむ人々に希望を与えた
ランカー・フォールズ
『無限の勇気』
(ドラグーン男1ボイス無し 当時28才)
15年前に世界樹登頂を成し遂た上結果として大戦を終わらせ、今や英雄としてその名を馳せる伝説
生まれつき声帯に難病を持っており声が出せない為、実家で猟や農作業をして暮らしてきた
先の大戦では声が出ないという理由で徴兵されず、家族から見放され、迫害から逃れているうちに世界樹の噂を聞き
自身の声帯を治す方法があるかもしれないと、アイオリスを訪れた
ドラグーンではあるが守りよりも火力担当で、猟で鍛えられたら圧倒的な風読み技術と視力を生かした射撃を得意としている
声は出ないがジェスチャーや筆談でコミュニケーションを取り、感情豊かで性格は陽気なお調子者でやや受け身になりやすい
しかしやるときは自分の意志を強く持つ男で、いざという時は強い勇気で障害に立ち向かう
25階にたどり着いた後失踪し
行方がわからなくなり、今や存在が伝説と化している
クレア・フォルセン
『挫けぬ愛』
( フェンサー女1 当時24才ボイス24)
教会前に捨てられていた孤児で小さい頃から教会で過ごしていた大戦前まで騎士として教会を守る傍ら、人々に教えを説いていたが大戦時に徴兵を拒否し投獄される
釈放後、人々と共に戦争反対を掲げて立ち上がるが、それを疎ましく思った軍から粛清され、自身も処刑されることになってしまう
しかし処刑直前に牢屋を爆破し逃走、アイオリスに流れ着く
その後長かった髪を切って緑に染め『キューネ・ミュリエス』を名乗り【ブルースカイ】に身を隠す
性格は厳格だが慈悲深く、一度決めたことは絶対に曲げない強い意志でギルドを引っ張る
反面、突然の自体に弱かったり、他人に対して臆病になりがちだったりと、精神的に脆い面がある
大戦時は罪人扱いだが現在は投獄されながらも戦争に逆らい続けた英雄として名を残しており
彼女達の戦争に反対する願いも結果として叶うことになる
ギルド解散後、行方が解らなくなった
【ハーフムーン】の『キューネ』とどこか似ており、関係性がありそうだが
本人が何も覚えていない為
単に偶然だろうと、本人含めたギルドメンバーは思っていた
しかし一部の人々は彼女がクレアである事に気がついており、レムスやルドガーはわざと気がついていないフリをしているよう
266:名無しさん@お腹いっぱい。
16/09/06 23:06:50.02 5fs39WFJ.net
ミリア・バッシュ
『燃ゆる命』
(ネクロマンサー女2 当時20才ボイス33)
由緒正しきバッシュ家の次女で、将来有望なウォーロックだったが16の時に余命5年と診断され、家出。
その後流れ者のネクロマンサーとして死に場所を求めて戦い、各地の戦場で名を轟かせていた
そんな時世界樹の噂を聞きつけ、もしかしたら寿命を延ばす手段があるかもしれないと
徴兵を無視してアイオリスに向かった結果、軍から怨みを買ってしまう
性格は粗暴で強気だが、本来は弱気で誠実な性格をしており、死にゆく自分を弱く見せない為にわざと性格を変えている
ギルド解散後、クーデターを起こした革命軍に身を隠し、22才までその頭脳を発揮し続け、戦争の終結を見守りつつ亡くなった
トロンの叔母に当たる人物
カレト・ウィークレス
『強き友情』
(ハウンド男アナザー1当時18才 ボイス1)
雪原の母子家庭に産まれ、小さい頃から、森や山で動物達と遊んでおり、特に犬のヴオッゾとコーレンとは兄弟のような仲だった
しかし10才の時に母親が他界し、1人での生活を余儀なくされそれ以来、厳しい自然の中を森の仲間達と共に生き抜いてきた
その為非常に身体能力が高く、大戦時に徴兵されるが、兵士がコーレンを傷つけた事に激昂し、兵士に重傷を負わせて逃走した
その後逃亡生活の中、意識の戻らないコーレンを助ける方法を探してアイオリスにたどり着く
冷静沈着でシビアな性格で年以上に大人びているが友情を重んじ、時に熱く敵に立ち向かう
ギルド解散後、反乱軍に加入し、20才で戦死するまで、前線で戦い続けた
フレイアとは腹違いの兄弟ではあるが、当のフレイア本人は気がついてない
フレンシアン・クロフィールド
『固き決意』
(シャーマンアナザー女1 当時14才ボイス36)
親が戦争に出た後、当時1才の妹を育てるため徴兵を無視していたが、ある日妹が軍に人質に取られ、返す条件として世界樹の秘宝か軍に加入するかの選択を迫られる
軍に入ったところで、自分の体が耐えられない事を知っていた彼女は世界樹の踏破を決意し
【ブルースカイ】に加入する
当初は妹の為に皆をどこかで出し抜いて秘宝を手に入れるつもりだったが仲間と探索していく中でやはり自分には皆を騙すことはできないと思い直す
弱気で臆病だが好奇心が強く、とても素直な性格で騙されやすい
ギルド解散後、単身で軍に突撃し、背中に大量の銃弾を浴びながらも妹を守りきり友人に届けた後、軍に投降し、処刑された
なお、この事件については軍が機密裏に処分しており、彼女に関する文献のみ異常に少ない
ちなみにコルトレミアは自身に姉が居たことすら知らず、預けられたら友人夫婦を両親だと思い込んでいる
・先の大戦
18年前、種族間の対立が元に巻き起こった戦争で、三年間続いた後、【ブルースカイ】が前人未到の第4階層に到達した事もあり、種族間の協力を重んじる動きが加速し、各種族でクーデターが勃発
その後和解という形で戦争は終結する
267:名無しさん@お腹いっぱい。
16/09/07 12:58:46.43 LKaSJ7BY.net
ここに触発されて設定を膨らませ始めたら4人目で4000字近くなって何の冗談かと
まだあと2人いるんだぜ…控え含めたらもっといるんだぜ…先が長いよ
268:名無しさん@お腹いっぱい。
16/09/07 15:05:34.38 qKKzcyD3.net
>>265
前日譚てのはキャラの生まれ行動顛末が揃ってるから独立した読み物として見れるなー
ネクロになった子とシャーマンの子の話はダークで切ないけど好き
269:名無しさん@お腹いっぱい。
16/09/07 18:55:10.80 LORi4odV.net
>>268
ありがとう
今回は初めは普通の冒険だけど、すこしづつ明かされる真実ってのを考えてる
一応『ブルースカイ』が25階にたどり着いた後を一部の人物が知ってるからそこで明かされるみたいな
270:名無しさん@お腹いっぱい。
16/09/07 22:05:32.28 IOZnCdDl.net
初挑戦でどうにか水晶竜sageして四層突破……何回ドMがひぎぃして、その立て直しのために何回ひぎぃの杯使ったかもう覚えてないわ……。
271:名無しさん@お腹いっぱい。
16/09/08 01:20:07.91 +v7qFwWo.net
ハイアンドローの人か、5層は楽しいぞ!(白目)
先制取られるだけでHAGEるからな!!
272:名無しさん@お腹いっぱい。
16/09/08 06:41:54.15 czBk4awS.net
WRDSHの者です
異世界転生設定の第二ギルドの設定を
…は時間がないのでとりあえず概要だけを
『アマユミ』
世界樹の迷宮解禁と同時に名を挙げ始めたギルド。
メンバー全員が異世界出身なのが特徴。
異世界について
大体現代日本と似たようなもの。
稀にワープホールによりアルカディアに人が飛ばされる。
飛ばされた人間は何かしらの特殊能力を得るようだ。
メンバーの設定はちょっと待って下さい…
273:名無しさん@お腹いっぱい。
16/09/08 19:37:11.84 mr+6pFGU.net
>>271
なんだいつもの世界樹じゃないか(錯乱)
にしてもついに五層まで来たか……>>89の設定がどう転ぶことになるかなぁ。
あとそういえば水晶竜の部屋でふと思ったんだが
・近道開通状態なら鈴一個でエンカ無しで到達可能(=一人でも行ける)
・水晶竜の部屋ではブレスで迎撃されるものの、このブレスでは絶対に死なない
・水晶竜の部屋ではエンカウントが無い(=↑でどんなに体力が減ろうと絶対に全滅しない)
・糸で簡単に街に帰れる
……あれ、これもしかしてドMにとって楽園なんじゃ……?
274:名無しさん@お腹いっぱい。
16/09/08 20:13:50.03 ymrhBMrw.net
>>273
夜な夜な一人で遊びにきてそう
ついにクライマックスですなぁ…固まったら是非結末を見せて欲しい
>>272
前ギルドとは関係無し?
完全な世界観リセット?
275:名無しさん@お腹いっぱい。
16/09/08 22:28:03.27 czBk4awS.net
注:『特殊能力』とは経験なしである程度アルカディアの人々の能力が使えるということ。
あと本名そのまま名乗ると怪しまれるので偽名使ってます
それではキャラ設定を
ブルー(本名:雨弓 浅葱)
連撃セスタス アースラン男 声No04
家族揃ってアルカディアに飛ばされた普通の男性。
優先順位はいつも家族が第一の良き父。
的確な部位を突き動きを封じる拳術を習得した。
ワープ先のジェネッタの宿に一家で居候している。
「じゃあギルド結成ってことでいいんだな?」
「だからってあなた呼びは少し恥ずかしいだろ?」
バイオレット(本名:雨弓 菫)
迅雷フェンサー アースラン女 声No24
浅葱の妻。かなりの浅葱さんラブ。
息子が成長してきたので接し方に困っている。
味方の攻撃に目にも留まらぬ速さで追撃する剣術を身につけた。
お財布担当。メンバーが増えるにつれて段々ケチるようになってきた。
「誰がなんと言おうと買いません!」
「浅葱さ…あ、ブルーさん…これは違和感があるというか…」
グリーン(本名:雨弓 常盤)
金剛ドラグーン ブラニー男 声No31
上二人の息子。年齢は二ケタになるかならないかぐらい。
ワープして一週間ぐらいショックでまともに動けなかった。
むしろ一週間で立ち直れるほど心が強いともいえる。
アルカディアに来てから心だけでなく体まで強くなった。
「僕に任せてよ!」
「とうちゃ~ん!かあちゃ~ん!」
276:名無しさん@お腹いっぱい。
16/09/08 23:32:17.33 ymrhBMrw.net
五層クッソ辛いなぁ
こら勝手にドM設定生えるわ
277:名無しさん@お腹いっぱい。
16/09/08 23:49:58.58 RH22K5o0.net
>>275
DLCかと思ったら汎用種族絵なのね。確かに元現代人設定も違和感ない印象。
かく言う私も(?)別データでオフ会仲間設定のモブ顔たちにふざけた名前でふざけた言動させたりしてます。
278:名無しさん@お腹いっぱい。
16/09/09 00:27:34.66 vxqIU9kL.net
5層に来て思う、1層は弱体装置があるし2層は休憩できる箇所がそれなりにある
3層は助っ人がいるから安定するし、4層はボス戦で先制が取れる優しさがあったと
6層に至れたら5層にも優しさがあったと思えるのかな…
ところで4で気が付いたんだが
2台にすれ違い登録すると自分のギルドもギルカ交換対象になるんだ
そしてなんらかの差があると自分のギルドの子でもギルドに招待できる
もしかしたら5なら設定のみのよそギルカ作ったりサブメンバーをギルカにしてお気に入りにしておけば
探索中に設定キャラがでてくるのだろうか…?
279:名無しさん@お腹いっぱい。
16/09/09 02:49:17.79 CSCYizfh.net
ゲーム機外に持ち歩かないからうちのギルドはブレイズ冒険団としか出会ってない
いつも先回りして現れ、よくわからない理由で施しをしてくれるコンラッドさんを不気味がっている(という妄想)
280:名無しさん@お腹いっぱい。
16/09/09 12:20:50.78 4RS07E+W.net
Qコードでここのギルド同士の交流なんかもできるわけか
面白そうだけど世界観が喧嘩しそうでもあるなw
281:名無しさん@お腹いっぱい。
16/09/09 19:38:05.89 MPjyZq+d.net
>>276
あの五層の辛さはうちのドMにとっては多分天国なんだろうなぁ……まぁもう少ししたら設定重視の都合パーティから抜けるんだけど……。
とりあえず抜ける前のご褒美としてアリさんクエストで例の辛いパンは食わせておいた。
282:名無しさん@お腹いっぱい。
16/09/09 23:49:35.21 yqTZzzwt.net
思ったより設定に入り込んじゃってSSみたいなの書いてみました
折角だから貼ってみたいんだけどそういうのもよろしいんでしょうかね そこそこ長くなっちゃったんだけども
283:名無しさん@お腹いっぱい。
16/09/10 00:00:10.74 Bu05Zt7H.net
いいと思うよ
284:名無しさん@お腹いっぱい。
16/09/10 00:23:39.03 QPzsiwjx.net
ID変わりましたがありがとうございます
では夜の内にパパッと……
285:名無しさん@お腹いっぱい。
16/09/10 00:42:24.53 QPzsiwjx.net
ではでは、4の6層エネミーパの者です。
一応設定>>246の時折の話なんですが……多分設定は読まなくても大丈夫です(
『時折:名もなき目撃者たち』
ケース1.『戦場:宿屋の初陣』
私は樹海鶏、名前はまだない。
迷宮から拉致され、こんな場所にいる。
外を自由に闊歩することは叶わない。初めはそれが不満で暴れたりもした。
だが今では待遇に概ね満足している。餌も美味いし寝床の掃除も行き届いている。
主人気取りの糸目の兎女も口ではからあげ云々と物騒なことを言いつつ優しく接してくれている。
ただ一つだけ、どうにか改善してもらえないかと頭を悩ませていることがある。
AM5:00
甲高い鳴き声で宿に朝を告げるのが私の生き甲斐であり、種に刻まれた役目だ。
しかし私はその役目を一度も果たしたことがない。
その理由が今、古ぼけた扉を開けて庭へと現れた。
「グルルルル……」
セリアンと言ったか。糸目の女と同じ種族の赤髪の少年だ。
それがゆらりゆらりと身を揺らしながら迫ってくる。
5m、3m、1m、数cm 今それと私の間にあるのは飼育小屋の網目の柵1枚。
糸目風に言えば「一触即発」の距離だ。
鳴けない。鳴けば殺される。
ピリリと張り詰めた緊張感。
このザラついた静寂を少しでも崩そうものなら、この獣は網目を引き裂き私の喉元に食らいつくだろう。
だから、鳴けない。
ここに来て以来、こいつは毎朝こうして小一時間程、飼育小屋の前に張り付く。張り付いて私の生き甲斐を奪う。
カナリアが歌うように、ツバメが旅するように、ペンギンががまんするように、イワォが仕舞われるように、かの者()がsageられるように……
私にも種としての生き甲斐というものがある。それが鳴くこと、朝を告げることなのだ。
だがそれは叶わない。
この人間がいる限り。というかこの野蛮さはもう人間というより獣そのものだ。もはや赤獅子だ。
だから、今はもう諦めようと思っている。
卵さえ産んでいれば命を保障される生活、思えば良いご身分だ。
きっとこの出来過ぎた待遇の代償が私の場合、鳴き声だったのだろう。
だからもう諦めよう。命あっての物種だ。
物悲しさに目を伏せたその瞬間だった。
286:名無しさん@お腹いっぱい。
16/09/10 00:44:49.97 QPzsiwjx.net
「お客さんだったんですね……ウチ、悲しいですよ」
明後日の方向から聞こえた聞き慣れた声、柔らかい声だ。
「……グル?」
獣の注意が逸れる。
その視線の先にはいつになく神妙な顔つきをした糸目の女が立っていた。後ろ手に何か持っている。
「ニワトリさんの鳴き声から一日を始める、ウチのささやかな願いでした。きっとニワトリさんも同じ気持ちだと思うんです。以心伝心の仲です」
違う。けど、内容は当たっている。もしかしたらこれは希望というものなのではないか。
「それをこんな恐怖を植え付けるような方法で邪魔してたなんて……仏の顔も三度まで、許せませんよ!」
らしくもなく凛と叫ぶと、糸目は赤髪に飛びかかった。赤髪も喉を鳴らして応戦する。
どうでもいいが仏は一度目と二度目に何をしていたんだろう。
「たぁーーー!」
ちょっと間抜けな咆哮と共に、勝負は一瞬の内に決した。
彼女が後ろ手に持っていたのは大きな調理鍋。それを赤髪にがばりと被せてしまう。
何やらポーズを決める糸目の後ろで、鍋を被せられた男は視界を求めてふらふらと死霊のように彷徨っている。
どうやらこれだけで無力化できたらしい。
糸目は一仕事終えたとばかりに額を手で拭い、こちらに近づいて来る。
「ウフフフ、これで危険は去りましたよニワトリさん。
さあ、今こそウチたちの夢を叶えようではないですか。おいで~」
小屋の扉が解放され、糸目が両手を差し伸べてくる。
良いのだろうか、鳴いても。この宿屋に、朝を告げても良いのだろうか。
「ささ、盛大に鳴いちゃってください! 冒険者さんたちに朝を告げるのです!」
柔らかい胸に抱えられて外に出た私は、糸目の両手でもって頭上に高く掲げられる。
澄んだ空が近い。鶏としての本能が打ち震えた。
嘴が開く。空気が喉に、肺に流れ込んでくる。
あとは、この喉を鳴らすだけ……!
……という所で、何やら宿の方から女の声がして、私は地面に下ろされた。
「ん、おねいちゃんなぁに? 朝ごはんシチューにするから鍋返せ? それから手伝え? はぁい、今戻りま~す」
びっくりするほどの切り替えの早さで彼女は踵を返した。
そしてスキップでもするかのような軽快さで宿へと走っていく……途中の鍋男から鍋を取り戻して。
―朝の清々しい風に木々がざわめいた。
寝坊気味の小鳥たちがチュチュンと、いとも簡単に鳴く。
「……グルル」
庭には私と獣。もう間を隔てるものはない。あ、こっち見た。
……私は樹海鶏、名前はまだない。
この日、私は初めて冒険者たちに朝を告げた。
理想的な甲高い声ではなく、少々断末魔的な聞き苦しさがあったことは認めよう。
糸が切れたように二度寝を始めた赤髪の前で、息も切れ切れに誓う。
あの糸目の女の為には、絶対に鳴くまいと。
287:名無しさん@お腹いっぱい。
16/09/10 00:46:29.22 QPzsiwjx.net
ケース2.『鉄華:評議会に染まる』
私は兵士、名乗るほどの者ではない。
ド田舎から冒険者に憧れてアルカディアにやってきた私の夢は呆気なく費えた。
1層の1階、1人で臨んだところ1歩目からああっと襲われ、1発でのされてしまった。
幸い街が近すぎたこともあり怪我は大事にならなかったが、心には深い傷を負った。
木の臭い、獣の臭いだけで身体が固まってしまうようでは冒険者になどなれはしない。
ただ啖呵を切って出てきたばかりに田舎に戻るのも決心がつかなかった。
途方に暮れていた私を拾ってくれたのが、たった今私の敬礼ににこやかな笑顔を返してくれたお方、レムス様だ。
警備兵という職を頂いた私は今日もレムス様の為に働く。
「ふむ、今度はあの本がない。これはまた入り込んでるのかな?」
当面の厄介事はこれだ。
レムス様の悩ましげなお声、その元凶はわかりきっている。
最近になってこの街に住み着いた色物冒険者の一団、その一員が無断にして土足、そして大胆に評議会内に入り込み、数々の書物を持ちだして行くのだ。
「またあやつですか……今日こそ引っ立てて参ります」
「いやいいよ、個人的な趣味の本だし。
ちゃんといつも返してくれるからね、知識は広く知られてこそ意味があるんだ。
同じ本をセリク君の店で見かけたし、次の仕入れの時に一言頼んでおくよ」
「お言葉ですがそれは順序違いというものでは! 本来ならあの賊がそうすべきでして……!」
言い終わる前にレムス様は「放っておこう」と手で制し、歩き去ってしまう。
この物腰の柔らかさ、この一点だけが私の抱くレムス様への疑問だ。
カッカッと床石に靴音を鳴らし、私は早足に書物庫へと向かった。
厳重にかけられた錠前を外していき、重い扉に体重を乗せて押す。
どちらもあいつが現れる前にはなかった手間だ。
これだけ警備を強化したというのに、書物庫内の灯りはついていた。
眉を吊り上げて槍を構え、室内を見渡すと……いた。
隅の書棚の手前、まるで子供が散らかした跡のように床に散らばった本の中央に青い肌のルナリアが寝そべっている。
寝そべりながら本を読んでいる。ポテチと箸も持ち込んでいる。
私の存在に気づき「やっほー」と手を振る彼女に、拳がわなないた。
288:名無しさん@お腹いっぱい。
16/09/10 00:50:45.29 QPzsiwjx.net
「貴っ様ぁ! 毎度毎度幽霊の如く忍び込みおって! 今日という今日は許さん! 引っ立てて牢屋にぶち込んでくれるわ!」
「えー? またなの? どうせ捕まえられないクセにぃ」
人をおちょくったような口調が不快ったらありゃしないが、彼女の言っていることは本当だ。
まるで実体がないかのような身のこなしを捉えられたことは一度もない。
「あとそんなガミガミ言わなくても、レムちゃんも言ってたじゃない。知識は広く知られてこそってね。だからこうして有難~くわけて貰ってるのよ」
「レムちゃ……! レムス様だ無礼者! それに分けて貰ってる自覚があるなら少しは遠慮せんか! 貴様が持ち去った本をレムス様が読めず困ってらっしゃるのだぞ!」
「あらそうだったの? ごめーんあれ今セリク君に貸しててさ、悪いんだけど彼から返してもらってくんない?」
「又・貸・し、してんじゃねーよ!」
もう勘弁ならん。私は無法者の無礼者に向けて槍を振り上げ猛進した。
「懲りないんだから、じゃ、バイバイ」
小憎たらしい女は私の渾身の一撃を難なく躱してすれ違いに扉から出ていく。また一冊持って行きやがった。
身を翻して私も後を追う。幽霊のようなシルエットが角を曲がるのを確認する。
いつもの逃走経路だ。そして、それでいい。幾度もの敗戦、それは今日という裁きの日に向けての伏線だったのだ。
奴の信じてやまない逃走経路に仕掛けた罠、その効果が確かならそろそろ……
「キャー!? ちょっと何なのよこれ!」
討ち取ったり。私は緩む口元を隠しもせずに悠々と彼女の下へと向かった。
「ほうほう、良い格好だなぁ、ええ?」
自分ではっきりとわかる下卑た笑顔で見下した先には、糸に足を絡めとられ床石に這いつくばる女の姿があった。
「ほどいてよ! 悪趣味よ! 変態兵士!」
「ふん、好きなだけ喚け。喚いたところで縺れ糸:脚はほどけん。2,3ターンほどはな」
タネを明かせば簡単な仕掛け。廊下に張った縺れ糸、逃げる女の足が引っかかる。
あとは糸に仕込まれた神経毒が足の自由を奪ってくれるわけだ。絡まってるのは偶然だろう。
一通り罵詈雑言を浴びせた女はようやく観念したのか、不貞腐れた面で本を抱えた。
「もう、わかったわよ。降参降参、ちゃんと本も返すから許して? ね?」
この謝罪を聞いて一体何人が「はいそうですか」と納得するというのだ。
私は収まらない怒りを静かに槍に乗せ、切っ先を彼女に向けた。
「駄目だ許さん。貴様のような輩は一回痛い目を見た方が良いのだ。この一撃、恨むなら自らの軽率な行動を恨むんだな」
「え、ちょっと、マジで? 洒落になってないって! ごめんごめんって……めんご?」
最後の最後でまたイラっときたので、戸惑うことなく切っ先を引き、突きの姿勢に入った。
ようやく彼女の切羽詰まった顔を見ることができた。ざまぁみろ。
下がりつつある溜飲に気を良くしながら、私は突きを繰り出す。
何も本当に当てるつもりはない。眼前で寸止めするつもりだった。
冒険者を目指して鍛え、兵士になってからも訓練を欠かしたことはない。それくらい造作もないはずだった。
だが……ブスリと、あっていいはずがない手応えが柄を通して伝わってくる。
見ると、咄嗟の反応だろう顔を庇うように突き出された本を、槍が見事に貫通していた。
しまった、縺れ糸:腕も仕掛けておくべきだった。
後悔する頃にはもう遅い。背筋を凄まじいまでの寒気が駆け巡る。
289:名無しさん@お腹いっぱい。
16/09/10 00:51:38.27 QPzsiwjx.net
「やあ、二人とも、何をしているんだい?」
ひくつく頬とかくつく首で振り返ると、そこには笑顔を称えたレムス様が立っていた。
そのにこやかな視線は私でも女でもなく、槍の刺さった本に向けられている。
「あ、あは、あはは、レムちゃん怖いよ? それ暗黒微笑って言うんでしょ、この本に書いてあっ……」
「東方にはかつて礼節を学ぶ際の特殊な座り方があったんだ。
正座って言ってね、足を揃えて折りたたむ座り方なんだけど、それなら縛られたままでもできるだろう?」
女は冷や汗たっぷりに従った。
「君も」
私も顔を引きつらせて従った。
「確かに忍び込んでまで本を漁るというのは褒められた行為ではない。
許されざることかもしれない。でも私は君に捕まえろなんて頼んでいない。何故かわかるかい?」
「い、いえ……」
「彼女や君の性格からして、ぶつかり合ったらこうなる可能性があると思ったからさ」
言い返せない。その可能性の結果がすぐそこに貫かれたまま転がっているからだ。
「私自らが対処に動かなかったこと、君たちに強く念押ししなかったこと……この損失は私の責任だね」
「いやいや滅相も……」
「だからせめて、今からでも強く、強く念押ししようと思う。
予定されていた会合が先方の都合で無くなってね。
3時間ほど時間が空いたんだ、3時間ほど念を押そう」
差し向けられた温かい笑顔に、隣の女は「知ってるわ、読んだもの。あれ、ボスキャラオーラって言うのよ」と耳打ちしてくる。
小突いて黙らせたが、実のところ私にも見えるのだ……笑顔の後ろから滲み出る紫色のオーラが。
……足の痺れが取れた頃、私は自らの身体の、そして心の変化に気づいた。
レムス様の笑顔、お声を思い浮かべるだけで身が固まり、竦んでしまうのだ。
またその事実に絶望し、がむしゃらに走り抜けたその先で、もう一つの変化を実感する。
なんと樹海の臭い、木々と獣の合わさった臭いに包まれても、身が固まらなくなっていたのだ。
「何なの私の体質……」
―私は冒険者、名乗るほどの者ではない。
またこうして冒険者として復帰できたのは単にレムス様のお陰であるのは間違いない。
だがその恩人を思い浮かべるとトラウマに震えてしまうというのは何とも不義理なものだ。
時折迷宮で顔を合わせるあの女は「ショック療法って奴ね。本で読んだから間違いないわ」と笑った。
そういう彼女にも変化はあったようで。
無礼な呼び名は改めていないものの、最近では書物庫に忍び込むことはなくなり、入り浸る際はレムス様に一声かけるようになったらしい。
290:名無しさん@お腹いっぱい。
16/09/10 00:52:31.68 QPzsiwjx.net
ケース3.『戦乱:それぞれの酒場』
俺は依頼人、名前は酒場の姉ちゃんに言ってある。
時は夕刻、初めて訪れる酒場は酒の臭いと豪快な笑いで満ち溢れていた。
酒のツマミは冒険譚……俺たち子どもが一度は憧れるシチュエーションだが、ここではそれが日常風景なのだろう。
おずおずと依頼をお願いすると、酒場の姉ちゃんは優しく微笑んでくれた。
クエスト内容はブローチの素材を探して欲しいというもの。
数日前、友達のお気に入りだったそれを冒険者ごっこのマント留めに使っていたところ川に落とし失くしてしまったのだ。
樹海由来の素材が使われていた物だったので同じような物を用意することもできず、その友達とは現在絶交中だ。
報酬はたったの5enと虫の抜け殻。俺の全財産だ。
果たしてこれっぽっちで受けてくれる人などいるのかと、酒場の姉ちゃんを疑うわけではないが不安は不安だった。
酒場の片隅で足をプラプラすること1時間、そろそろ諦めて帰ろうかという時。
ゆっくりとこちらへ歩み寄ってくる人影があるのに気づいた。
もしや、本当に、受けてくれたのか、あんな報酬しかなかったのに。
冒険者とは粋で優しい人たちと聞いていたし信じていたがまさかここまでとは、俺は感動を胸に顔を上げる。
そして、理想と現実のギャップを目にするのだ。
「Yeah……ボーイ、随分ブルー入ってんじゃねぇのメェン?」
俺の描く冒険者像が音を立てて瓦解していく。何だこの男は。
背には大鎌、頭はツンツンと立たせた刈り上げ金髪、服は全身レザー、三白眼は笑顔、大の大人の男のクセして太腿チラリ。
変っ態ではないのか。
「HeyHey……セイ・THE・ウンorスン? 折角声かけてやってるんだ、何か言えYO」
何で腰くねらせてんの。
そのファッションでどこ冒険するの。どう冒険したらそのファッションに行き着くの。
「Oh……もしやボーイ、シャイボーイ? んならイッツァ失礼した! 俺から名乗るぜマイネーム!」
言うや否や口頭でのドラムロールと共に男は突然回り出した。
レザーファッションのせいで不本意にもボディラインが丸わかりだ。地味に背中の鎌が鼻先を掠めた。怖えーよ。
「Iamaヤンマ、ヤンマキングだ、ヤンマ大王と呼んでくれ。Say! YAN☆KIN!!」
どれだよ。
発生した明らかな異常事態に頭がようやく追いついて、俺はカウンターに向けて視線を送った。
酒場の姉ちゃんと目が合う。
視線で「助けて」と、「チェンジで」と訴える。
両手が拳を作って「頑張って!」との返答があった。
なんでだよと、俺は机に頭を打ちつけた。そこそこの音が響く。
「What’s!? ボーイ、ロックだなぁ。何が君の魂をそこまでビートさせるというんだいティーチミー・クエスト内容(YO!)」
うぜぇ。こんなの相手に頑張らなくてはならないのか。
いや確かに外見と口調が面妖なだけで話の内容はさっきから割とまともだけど……そこが逆に気になるというか気に入らないというか。
まあ、でもまともな面もありそうなのだ、人は表面だけが全てではない。意外と良い人なのかも知れない。
もう少し頑張ってみようではないか。
291:名無しさん@お腹いっぱい。
16/09/10 00:55:28.16 QPzsiwjx.net
「あ、あの、おじさん、クエ受けてくれてありがとう。
でもさ、本当にあんな報酬で受けてくれるの? あんな……虫の抜け殻なんか、とかでさ」
しまったな、おじさんは言い過ぎたか。ケバいメイクこそしているが年齢はまだ20代くらいな気もする。
妙な所で地雷を踏んでも厄介そうだ、今からでもお兄さんと言い直し……
「ああ? 虫の抜け殻『なんか』たぁどういう意味だコラ……」
そっち?
「HeyHeyHeyHeyHeyボーイ……おじさん久々キちまったよ。
一寸の虫にも五分ザSOUL、虫を馬鹿にする奴ぁ許せねぇ。表に出な!」
ガシリと、腕を掴まれ引っ張られる。
「ショータイムの始まりだぁ!」
これ以上何を始めるというのだ。
っていうかこれは実はヤバい状況なのではないか。
普通に変質者の連れ去り案件ではないか。
本能が警鐘を鳴らし始めたその時だった。
「はいそこまで」
ピシャリと、艶やかさの内に鋭さを秘めた声が響いた。
見ると俺の腕を掴む男の腕に、黒く細い手が添えられている。
酒場全体がどよめいた気がした。
「まったくもう……喧嘩っ早い人とは思ってたけど、まさか子供にまで吹っ掛けるなんてね。ごめんねボク、もう大丈夫よ」
言葉の後半を俺に向けて、姉ちゃんは優しい笑みを浮かべる。
俺は照れて視線を再び腕に落とす。
と、男の腕に添えられた姉ちゃんの手、の横にやけにボロボロなもう一本の手があった。
その手はギリギリと男の腕を締め上げ、俺を解放してくれる。
「あ、ありが……」
おずおずとその手の持ち主に視線を移して、腰が抜けた。
見上げる先には、所々皮膚の剥がれ落ちた明らかなこの世ならざる者が……胸に死霊Aという名札がある。
「げ、いやあのメリーナさん、これはその……」
初めて素を見せた変態に、姉ちゃんは眼つきをきつくして香水の小瓶のようなものを突きつけた。
「もういいの、貴方には言葉で注意するよりこっちのほうが手っ取り早いわよね」
常連なんだこの人。無情の言葉と共に、小瓶がプシュと灰色の霧を吹きかけた。
「Shit……やっち、まった、俺って奴ぁ、まったく、don’t study……」
無念そうに呟く変態の身体は徐々に石のように固まっていく。
俺はそれを震えて見ていることしかできない。これ、結構なトラウマ映像だ。
完全に石化してしまった変態は死霊にズルズルと店から引きずり出され、メリーナさんと呼ばれた姉ちゃんは清々しげに息を吐いた。
292:名無しさん@お腹いっぱい。
16/09/10 00:56:03.00 QPzsiwjx.net
「ふう……やっぱ樹海の強敵モンスター、ムカつく夏のゴロツキには
プシュっと一吹き石化の香ね。お求めはアイオリスの大市まで、定価は250enよ」
宣伝?
「死霊毎を爆破させたり闇に引きずり込んだりってので
駆除の方法はいくらでもあるんだけどね、これだと後片付けとかも簡単で助かるのよ」
「そ、そうっすか……」
引き気味に相槌を打つと、彼女は「さてと」と艶やかな笑顔をこちらに向けた。
眼鏡の奥の聡明そうな瞳は、まるで俺の全てを見透かしているようだった。
「はい、これ」
差し出されたのは1枚の紙切れだった。表には丸っこい字で「いらいしょ」と書かれている。
「これって……」
「君が変態に絡まれてる間にね、小さな女の子がクエストカウンターに置いていったの。
でもその依頼、名無しな上にそんじょそこらの冒険者じゃ歯が立ちそうにないのよ。
だから、貴方に頼んでもいいかしら?」
「小さい女の子って……」
まさか。俺はひったくるように紙切れを受け取るとその丸っこい字に目を通した。
ぜんりゃくボウケンシャーさま
友だちとケンカをしてしまいました
その子はわたしのおきにいりのブローチをなくしてしまったんです
だからわたしはすごくすごくおこりました
それからその子とあそんでません。
でも、何日もたつとそれがすごくすごくさみしくなってきました
ブローチをなくされたときよりさみしいです
だからわたしとその子をなかなおりさせてください
ほうしゅーは5enと虫のヌケガラでおねがいします
読み終えた俺は整理のつかない心のまま目前の姉ちゃんを見た。
「初依頼の日に初クエストだなんて贅沢ね。いってらっしゃい、気を付けてね」
不思議と勇気の出てくるその言葉に押されて、俺は駆け出した。
……俺は依頼人、只今クエスト中だ。
冒険者たちの激励を背に店を出た俺は、変態の石像を通り過ぎて街道を走る。
そしてとぼとぼと前を歩く女の子の見つけ、その名前を叫んで呼んだ。
293:名無しさん@お腹いっぱい。
16/09/10 00:56:57.56 QPzsiwjx.net
ケース4.『戦乱:勘違う大市の果て』
ども。ウチ、ジェネッタって言います。名前はジェネッタです。
この街で宿屋やってます。
今日はおねいちゃんの言いつけで晩御飯の買い出しに来ています。
アイオリスの大市……そこは商人と主婦の戦場。
この刹那にもどこかで血で血を洗う値切り合戦が行われているのです。まさに諸行無常ですね。
ウチもそんな戦いを繰り返して、後はセリク君のお店で新しい包丁を貰えば任務完了です。
ですが、これは一体どういうことでしょう。
セリク君のお店が……閉まってしまっているのです。
もう一度言います。しまって、しまっているのです。
……ウチは不審に思ってお店の裏を覗いてみました。
そこには一心不乱に火花を散らすセリク君の姿があったのです。
よーせつ?か何かはわかりませんが何かを作っている様子、気になったのでしばらく見守ってみることにしました。
するとしばらくして「ヤッターウマクイッタヨー」との声が。
ウチはあんパンとミルクを仕舞ってもう一度セリク君を見ます。
セリク君は大きな風呂敷に沢山の物を詰め込んで、どこかに出かけるようです。
移動を始める前の神妙な顔つきと深い溜め息、これは事件の臭いがします。
彼はきっと何か大きな陰謀に巻き込まれて望まぬ発明品を作らされ、それを届けに行くのかも知れません。
同じアイオリスに住む同胞として、これは見過ごせません。
しかし急いては事を仕損じると申します。ここはもう少し様子を見ることにしましょう。
悪の組織への献上品を携えた彼の行先は、どうもウチらの宿屋のほうみたいです。
っていうか、宿屋の前でセリク君立ち止まっちゃいました。宿屋をガン見してます。
こ、これはもしや黒幕はお客さんの誰かなんでしょうか。
なんということでしょう、計らずともウチらは悪の研究に加担してたことになります。灯台下暗しとはこのことです。
……セリク君に動きがありました。どうやら宿屋の裏に回り込むようです。
お客さんの部屋の窓が並ぶ裏庭まで来たセリク君は、風呂敷から何かを引きずり出しました。
結構デカいみたいです。
そしてその全容を目にしたウチは、思わず声を上げてしまいそうになりました……上げませんでしたけどね、お口にチャックというやつです。
風呂敷から出てきたのは、もう一人のセリク君でした。
どうやら悪の組織が命じたのはクローン技術の開発だったようです。
クローンセリク君は背中のゼンマイを回されるとカタカタと進んで行きます。
そんでとある部屋の前に立つと、窓に向かって吸盤みたいなものがついた棒を伸ばし始めたのです。
何をするつもりでしょうか。あの部屋に闇の首領がいるのでしょうか。
手に汗握るウチの前で、窓が開けられました。クローンセリク君が「ヤッターウマクイッタヨー」と声を上げます。
これはまさかの空き巣ですか?
でも、それを聞いたオリジナルセリク君は意外にも店の表に戻って行ってしまいました。どういうことでしょう。
そして正面玄関から堂々と入ったセリク君はさっきの部屋のある廊下へと進んで行きます。
勿論ウチも追います。途中でおねいちゃんに「買い物は?」なんて聞かれましたが今はそれどころじゃありません。
あんパンとミルクを押し付けて更に後を追うと、やっぱりさっきの部屋の前にセリク君が立っています。
294:名無しさん@お腹いっぱい。
16/09/10 00:59:03.86 QPzsiwjx.net
ようやく密会の瞬間が来るようです。セリク君もお顔全体を覆うマスクで正体を隠します。
きっと名前も顔も知られちゃいけないんでしょう。それが裏社会を生き抜く秘訣というやつなんですね。
部屋の扉がゆっくり開いて、中からブラニーの女の子が出てきました。
こっちも美容パックみたいなのでお顔を隠してますが、ウチにはわかります。お部屋ナンバー◆◆◆◆◆のお客さん、破滅野ハナビさんという方です。
ハナビさんがセリク君の取り出した袋を受け取ります。ああっと粉のようなものが落ちました。これは動かぬ証拠です。
とんでもないことです。ウチの宿屋で薬物売買が行われてるなんて……
二人ともウチのお得意さん、これ以上闇に染まっていくのを黙ってはいられません!
ウチは二人目がけて駆け出しました。
「ダメですよ二人とも~! 薬は二十歳を過ぎてから、ですよ~!」
「え、ジェネッタちゃん?」
「それを言うならお酒は……って駄目だこっち来ちゃ! 止まって! 戻って!」
「ふえっ?」
セリク君が鋭い声で何かを叫びましたが、何だか甘い匂いがして、頭がほんわかして上手く考えられません。
っていうか、だんだん眠く……ってか寝る子は育つ……?
……ウチはジェネッタ、夢の中にいます。
目が覚めて身体を起こすと、さっきと同じ廊下がありました。
そんで目の前では正座したハナビさんがセリク君に叱られていました。
「だからいつも言ってるじゃないか! この香は戦闘用なの! 部屋で焚くもんじゃないの!
今回は眠りの香だったからよかったものの、前に毒の香とか焚いてたよね君!」
「ごめんなさい……でも乙女のスキンケアには無駄にできる時間なんかないの。
全ては王子様みたいな人間に見初められて恋をするためなのよ……美肌に賭ける女の子の気持ち、セリク君はわかってくれないの?」
「いやだから、これに美肌効果とかないから! ほらジェネッタさんも起きたなら言ってやってよ……!」
「……感動しました」
「へ?」
ウチも、ウチも白馬の王子様に憧れていた時期があります。
いいえ、全世界の女の子は常時パッシブで王子様を待ち望んでいるのです。
「そんな恋の為なら! ちょっとくらい危険なことでも許せちゃいます! ウチは応援しますよハナビさん!」
「ジェネッタちゃん……!」
「いやあの……二人とも……?」
「でもハンパはいけません。どうせなら宿のこの辺りをお香美容ルームにして―パンも焼けるように―」
「わあいいですね! じゃあじゃあ、雰囲気演出にブヨブヨを―飾りつけには兵馬俑を―」
「……代金は後でいいや。僕帰るからねー」
花咲くガールズトークの後、いつの間にかセリク君はいなくなってました。
この夜はおねいちゃんの機嫌が悪かったです。晩御飯も少し少ない気がしましたし……改造の案も却下されてしまいました。
でも負けません! お客さんとの共同作業、必ず成功させてみせます! 粉骨砕身です!
295:名無しさん@お腹いっぱい。
16/09/10 01:00:11.80 QPzsiwjx.net
ケース5.『戦場:そのギルドは釣れるか釣れぬか』
俺は樹海魚、名前はまだない。
木漏れ日がまだら模様に反射する水面……季節を通して安定した水温を保つこの水場が俺たちの住処だ。
この階の水中には飛びぬけた実力のF.O.Eはおらず、毎日は安穏と過ぎ去っていく。
少々退屈な暮らしだが、そんな毎日の中にも娯楽は存在する。
否、娯楽自らがやってくるのだ。
水面が微かに揺れた。木々のざわめきにガチャリという金属音が混じる。
俺はすぐさま水面近くまで浮上し、水辺の様子を盗み見た。そう娯楽がやってきたのだ。
透明度の高い樹海の水を挟んで陸側に現れたのは、漆黒の重鎧に身を包んだ大柄な人間。
そいつは今日も水辺の切り株に腰掛け、餌をポチャリと投げ入れてくる。
ミミズ……完全にご馳走だ。俺たちの好みを知り尽くしてやがる。
もちろん慈悲や恩情の品というわけではない。これはフィッシングという娯楽、ゲームなのだ。
それも内容は血も涙もないデス・ゲームと来た。
豪華景品に釣られ不用意にパクリと行けば即ジ・エンド。
餌に仕込まれた針が口に刺さり、そこから伸びる糸にあっちの世界へと連れて行かれてしまうわけだ。
そうして帰ってこなかった仲間は数知れず……まさに生死を賭けた真剣勝負というわけだな。
死ぬのが怖けりゃやらなきゃいいって? そんなんじゃ退屈に飼い殺されちまうよ。
これでも何度か生き抜いてきたんだ……男と男の一対一、俺は甘んじて受けるぜ!
……とはいえ呆気ない幕切れじゃあ詰まらない。慎重になるべきところは慎重にだ。
目の前を揺れ動くミミズ、まずはこれにギリギリまで接近する。
ここは大胆でいい。この罠は食いつきさえしなければ向こうから危害を加えてくることはない。
勝負はここからだ。
何度も言うが樹海の水は澄んでいる。こっちから向こうが丸見えということは向こうさんからもこっちが丸見えということだ。
見てから釣り上げ余裕でしたとはいかせない、ここからはフェイントを織り交ぜる。
ミミズをつつき、様子を見る。これで焦りなんかが顔に表れてくれりゃ楽なんだが。
奴の顔は漆黒の兜に覆われ、表情を悟らせてくれない。そのための装備なのだろう。
更に二度三度、続けてミミズをつついてみる。
いつもなら表情は見えなくとも腕や指にピクリと反応があるところだが、未だその素振りも見せない。
勝負中に寝入る奴じゃない。どうやら今日はあいつも本気のようだ。どうしても俺たちを釣り帰らねばならない理由があるらしい。
俄然面白くなってきた。
俺は四方八方からミミズをつつき揺らし、口を開いては閉め、怒涛のフェイントを浴びせかける。
自己評価では残像が出るレベルの動きだったのだが、それでもあいつは微動だにしない。
流石は俺のライバル……今日は長丁場になりそうだぜ。
そうして息の詰まる攻防が続くこと数刻、日は陰り、水面が朱に染まってきた頃のことだった。
296:名無しさん@お腹いっぱい。
16/09/10 01:03:15.78 QPzsiwjx.net
樹海の茂みが揺れて、そこから人間の幼女が顔を出した。
人間と言ってもその肌や髪は毒々しいまでの黄色で、頭には角が生えている。奴らにも個体差というものがあるのだ。
そいつは黒鎧の隣にちょこんと座り、話しかけるでもなくこっちを見詰めてくる。
好機だ。時折現れるこいつがいると、黒鎧の動きに戸惑いが生まれる。
「…………今日は、どうした。また追われたのか」
そうやって話しかけるということは、少なくとも神経の数%を幼女に割いているということだ。
「…………まあ、そう。メイガスもハナビも、あとジェネッタもリリも、私に変な服着せようとする……不快」
「…………そうか、大変だな」
幼女はコクリと頷き、再び静寂が始まる。
ちっ、もう少し会話に花咲かせてくれりゃわかりやすい隙が出来そうなんだがな。どうにもこいつらは口数が少ない。
「…………樹海探索はどうだ。アイオリスにはもう慣れたか」
思春期の娘を気遣う親父か。
「…………探索はまあまあ。アイオリスも、まあまあ」
「…………そうか」
「…………うん」
……途切れたよ会話。
今のは親父が悪い。せめてどっちかに絞って聞いてやれよ。適当に聞いてるのバレバレだ。
「…………でも、ここ好き」
おお、珍しく幼女から話しかけた。
ミミズの位置がピクリと下がった。安らぎを感じることによる筋弛緩、いわゆる隙だ。
「…………そうか」
「…………うん」
先程と同じ流れに聞こえるが、この会話は途切れていない。
無骨でいつも頼られる男が珍しくストレートに好きと言われて返しに困っているのだ。
黒鎧の声色なら同い年くらいの娘を持っていてもおかしくはない。もしかしたら存在を重ねているのかもしれない。
ともかく、今あの兜の中は幼女へかける言葉の推敲でいっぱいのはずだ。
これは明確な隙、千載一遇のチャンス、勝利の方程式だ。
俺は意を決してミミズに食らいつく! 糸が張ったのがわかった。
だがその糸に引っ張られ針が俺の口内を貫くより速く、俺はその場から離脱することに成功した。
我が口の中には確かに戦利品、少々ふやけたミミズがある。
297:名無しさん@お腹いっぱい。
16/09/10 01:04:04.71 QPzsiwjx.net
「むっ、しまったな。俺の修行もまだまだのようだ」
本人からも敗北宣言があったように、この一戦は俺の勝利だ
「……逃げられちゃったの?」
ああそうだとも。俺は逃げ延び、そして生き延びた。この瞬間こそが生を感じられる時なのだ。
「そのようだ。今日は妻が家でパーティをひらくというのでな。
大目に釣って帰りたかったのだが……やはり欲は平常心を乱すな」
そう言って黒鎧は「今日はどうも旗色が悪い」と切り株から腰を上げた。
どうやらこれにて決着。また次の勝負に向けて英気を養うとしよう。
と、宴も竹縄というその時だった。
ちょこんと座り込んでいた幼女がおもむろに立ち上がり、水際からこちらを覗き込んでくる。
「…………魚、欲しいんだよね? 私も、釣る」
そう言いながら幼女はぼんやりとした目で俺を見詰めてくる。
何だ? やんのか? 悪いがお前のような小娘じゃ相手にならんぞ。俺を釣ろうなんざ数百年早い。
挑戦的に水面を跳ね、水をその顔にかけてやる。表情が少しムスっとする。青いな……黄色いけど。
そんな青臭い初心者フィッシャーは、何を思ったのか黄色い腕を水に浸けた。
何やらその腕全体が黄色い光に包まれているようにも見えるが、まあ釣竿も餌もなしじゃ話にも―
「…………ライトニング」
―俺は樹海魚、もう名付けられることはない。
視界の途切れる間際、最後に見た光景は黄色い閃光に包まれる水場だった。
ゆっくりと、身体が浮上していく。
もうすぐこの耳に届く音も途絶えてしまうのだろう。最後に聞こえたのは……
「……ん、お礼。いつもここにいさせてくれるから」
「あ、ああ、すまないな礼を言おう。だがあまり無茶をするなよ?」
「…………うん」
微笑ましいなオイ。
298:名無しさん@お腹いっぱい。
16/09/10 01:08:06.64 QPzsiwjx.net
……以上でした。
貼ってる途中で文字数制限などで思ったよりレスを消費することがわかってきて何かアレな気持ちになりましたわ……
これが上で出てた支部池ってやつなんだろうか
299:名無しさん@お腹いっぱい。
16/09/10 01:48:42.23 mgKZJ8Lf.net
乙です。
ミクロな視点に文才感じる。
魔物パーティといい発想力も羨ましい…
300:名無しさん@お腹いっぱい。
16/09/10 03:08:00.67 zTNtIE5P.net
とても面白かった
NPC視点通り越して鶏視点、魚視点から書けるとか凄いな
301:名無しさん@お腹いっぱい。
16/09/10 05:53:29.64 Bu05Zt7H.net
オッツ
よくこんな長いもん書けるなぁ…
自分でも挑戦してみるかなぁ
302:名無しさん@お腹いっぱい。
16/09/10 12:46:01.04 wRv4wx7s.net
一応俺もSS書いてはみたんだが……俺が書くとどうしても会話文多めで地の分が最低限のト書きぐらいになっちゃうんだよなぁ。
303:名無しさん@お腹いっぱい。
16/09/10 14:11:34.06 RUgNASio.net
4層あたりまで進むとメインパーティの戦法に飽きたり、より良い運用法を思いついたりして何人かを転職させたくなるよな
脳内設定ガッチガチに固まっちゃったから転職させ辛かったけど、逆にこれを
それぞれのキャラの成長イベントとして考えればよくね?と思うことにしたらさらに妄想が捗った
304:名無しさん@お腹いっぱい。
16/09/10 14:32:15.30 Bu05Zt7H.net
>>302
まあまあ晒してみなされ
ここならある程度気軽に晒せるし
305:名無しさん@お腹いっぱい。
16/09/10 15:11:57.74 wRv4wx7s.net
>>303
うちの場合二つ名解放してからのメイン戦法が『死霊3体出てる状態でドラグーンに咆哮&墓穴で殲滅+チェイスハーブで立て直し』というド安定戦法だったからなぁ……。
設定的にも『ドMと死霊と敵による疑似SMプレイ~ハーブによるアフターケアも添えて~』と妙にマッチしたから全く転職の出番が無いw
>>304
じゃあ晒してみるかな。ただ、今出先だからもう少し後でかつID変わることになるが待っててくれ。
306:名無しさん@お腹いっぱい。
16/09/10 15:22:51.88 RUgNASio.net
>>305
>>181の者だけど、俺もまさにその戦法に変えたいと悩んでた
うちの場合は三途渡りも使わせる予定だから、タゲを集めたドラグーンが敵に加えて四刀マスラオにも襲われることになるけどw
何かに目覚めてしまったドラグーンがサイコストーカーの鬱憤晴らしに付き合うようになり
結果的にギルドの空気が円満になってバッドエンド回避って流れでパーティ練り直してみようかな
307:名無しさん@お腹いっぱい。
16/09/10 15:43:34.53 Bu05Zt7H.net
うちは主人公が活躍できることを重視したし、転職も休養もなく進めてるなぁ
戦法も先制咆哮→カウンターガード→地の利→泡沫ぶっぱしかしないし、良くも悪くもクレイルがバステ撒き 回復 メインアタッカーと過労死しそうなほど働いている
308:名無しさん@お腹いっぱい。
16/09/10 17:14:36.46 OfuMqD3p.net
うちの子達はレベル揃えたいから何回か休養してるけどライチ以外戦略が安定とかしたことないなぁ
盾にガード&マウントやらせつつモンスターの適正参考にしながらやってるわ
そのライチも気が付くと殴り要員になっているがな!
>>298
漱石好きなん?
即売で出せるレベルじゃないですかヤダーwww
309:名無しさん@お腹いっぱい。
16/09/10 17:43:34.23 w1EtpRL+.net
>>306
※ドM騎士が仲間を見つけたらしくアップを始めました。
310:305
16/09/10 19:40:47.92 w1EtpRL+.net
少し遅れたが晒してみる
・設定に関しては前スレ>>705~今スレ>>6を参照
・会話文多め・地の分少なめ
・わずかなメタ発言あり
・多分5・6レスぐらい
ハイアンドローSS『秘密』
「~♪~~♪」
特徴的な白の長髪を靡かせ、上機嫌に鼻歌を歌いながらアイオリスの街を一人歩くセリアンの少女がいた。
ギルド『ハイアンドロー』のメンバーの一人、シャン・フェリルである。
この日はちょうど『ハイアンドロー』の面々にとっては休日であり、樹海から離れて各々休日を謳歌していた。
彼女もまた久々の休日ということで『ある場所』へと向かっていた。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
「……気づいてないわよね?」ヒソヒソ
「大丈夫みたいです」ヒソヒソ
「どこ……行くんだろ……?」ヒソヒソ
「気になるねー」ヒソヒソ
「でもあのシャンがあれだけ浮かれてるのよ?相当楽しみにしてることだけは間違いないわ」ヒソヒソ
そんな彼女を遠巻きに見張りながら尾行する五つの影があった。それぞれシャンと同じくギルド『ハイアンドロー』のメンバーであるミーヤ・ナミネ・ティア・ウィン・カエデである。
「それに、いつもどこに行くのか誰にも教えないのよ?きっと何か恥ずかしい秘密とかに違いないわ!……フフフ……これでようやくあいつの弱みを握れるわぁ……」
そう息巻いて妖しい笑みを浮かべるカエデ。いつもシャンとは犬猿の仲でありながら常にシャンに優位を取られている彼女にとっては、まさに千載一遇のチャンスといったところなのであろう。
「アンタねぇ……まぁでも確かに休みの日は毎日通ってるみたいだし、どこに行ってるのかは気になるわね」
そんなカエデの様子に『やれやれ』といった仕草を浮かべながらも、シャンの『秘密』に興味津々のミーヤ。
「人の秘密を勝手に暴くのは少々心苦しいですが……でもちょっと気になります」
「私も……シャンがいつもどこに行ってるのか……気になる……」
「ボクもリーダーとしてギルドのみんながどこに行ってるのか把握しておく必要があるからね。それにもしバレてもあとでごしゅ……シャンちゃんが踏んでくれるかもしれないからね」
約一名不純な動機が見えたが、どうやら他の三人も同じようである。
「……とりあえずウィンのドMぶりはいつものことだからスルーするとして、他の皆はどうしてるの?」
「レンは家事、ガルは暇だったらしいからその手伝い、レナは猟犬達の訓練、セレネはレンとガルのやり取りを見て悶えてたわ」
「……まぁ特に何も問題を起こさないようならいいわよ。あたしもせっかくの休みなのにあちこちに謝罪と詫び入れに回りたくないし」
311:名無しさん@お腹いっぱい。
16/09/10 19:41:45.97 w1EtpRL+.net
「あ!皆さん見て下さい!どうやらあそこに入っていくみたいですよ」
そう言い放ったナミネの指差す先には、確かに少々大きめの施設に入っていくシャンの姿があった。
一行はシャンが完全に中に入ったのを確認し、その施設の入り口に近づく。
「……孤児院?」
シャンが入っていった施設。それはアイオリスの街の表通りから少し離れたところにある孤児院であった。
「なんでこんなところに……?」
「どんな用があるんでしょうか……?」
「うーん……シャンちゃんの性格とあの楽しそうな様子を考えてみると……」
『…………』
「いやいやいやいやいくらなんでも色々と不味いでしょ倫理的にもスレの対象年齢的にも」
「え、いやちょっと待って?色々と問題起こしてきたけどついにうちから逮捕者出るの?……ごめん割とガチで胃がねじ切れそうになってきたんだけど」
「えっと……ミーちゃん、ぽんぽん大丈夫……?あと……中でシャンは何してるの……?」
「え、えぇとティアさんそれは……/// ……と、とりあえずミーヤさんはこれ飲んで下さい!///」(胃薬差し出し)
「シャンちゃん……いくらなんでも小さい子供たちにそんなうらやま酷いことしちゃダメだよ……!ボクなら代わりに何でもしてあげるのに……」
『ワーワー!』
一行が慌てながらそんな会話を繰り広げていると(なおウィンはミーヤにリバーブローをぶち込まれた)、孤児院の中から子供達のものと思われる大きな声が響いてきた。
「この声……まさかあいつ着いて早々やらかしたっていうの!?」
「どどど、どうしましょう!」
「今すぐ突っ込んで止めるべき?……いやでもそうすると中の子供達に危険が及ぶ可能性も……」
ミーヤ・ナミネ・カエデの三人はどうすべきか決めあぐねていた(なおウィンはリバーブローでちょうど脚縛りが入り悶えていた)。
「……あ。……あそこの窓からなら……中……覗けるかも……」
が、そんな中いまいち状況が飲み込めていないティアは孤児院の中を覗けそうな窓を発見する。
そしてそんな四人を置いて窓の方へ歩いて行ってしまった。
「ってちょっとティアああああああ!アンタだけは見ちゃダメぇぇぇぇ!!」
四人は慌ててティアを追いかけ連れ戻そうとする(ウィンの脚縛りはちょうど切れた)。しかし間一髪で間に合わず、そのはずみで五人とも中を覗いてしまう。そこには……
312:名無しさん@お腹いっぱい。
16/09/10 19:42:38.56 w1EtpRL+.net
「お前らー!ちゃんと良い子にしてたかー!」
『シャンねーちゃん!おかえりー!』
「シャンねーちゃん!冒険のはなし聞かせてー!」
「えーわたしシャンおねーちゃんにご本よんでもらいたーい!」
「まてよー!シャンねーちゃんとはおれたちが先にあそぶってやくそくしてたんだぞー!」
『ワーワー!』
「こらこら!喧嘩するとねーちゃんもう帰っちまうぞ!順番にみんなのお願い聞いてあげるから我慢すること!いいな!」
『ハーイ!』
「それでその時ちょうどでっかい岩があってな……それをぶつけて怯んだ隙にどうにかそいつをやり過ごして先に進んだんだ」
「うんうん、それでそれで?」ワクワク
「そのあとはどうなったの!?」ワクワク
「『……そうしてリスはそれから糸を集めるようになったのです……めでたしめでたし』……はい、お終い」
「シャンおねーちゃんありがとう!」
「ねぇねぇ!つぎはこのご本よんで!」
「……はーち!きゅーう!じゅう! よーし、お前らみんな捕まえちまうぞー!」
「わーいねーちゃんがオニだー!」
「へへっ、今日こそねーちゃんに勝ってみせるもんねー!」
「ん、もうこんな時間か……じゃあそろそろねーちゃん帰るなー」
『エー!』
「ねーちゃんもっとあそぼうよー!」
「ダメダメ、あんまり遊びすぎると夜寝られなくなっちまうぞ?また今度来てやるからそれまで良い子にしてること!約束出来るかー?」
『ハーイ!』
313:名無しさん@お腹いっぱい。
16/09/10 19:43:17.91 w1EtpRL+.net
『・ ・ ・』
「……えーと」
「そのー……」
「うーん……」
「何と言いましょうか……」
『……あれ誰?』
自分達が知る普段のシャンの様子とのギャップに、思わず現実逃避しかけるティア以外の四人。
「シャン……子供と一緒にいると……すごく……楽しそう……」
それに対し特に疑問も抱かずに素直な感想を述べるティア。
「意外だったけど……シャンちゃんにもああいう一面があったんだね」
「そうですね……」
「……このことはここだけの秘密にしておきましょうか」
「あら?カエデ、アンタにしては珍しいわね。どういう風の吹き回しかしら?」
「別に……ただ、あんなに楽しそうにしてるアイツや子供達に水を差すのもどうかと思っただけよ」
「うん……あんなに楽しそうなシャン……はじめて見るし……邪魔しちゃ……いけないかも……」
「そうだね。……じゃあそろそろ帰ろっか。これ以上は宿のみんなに怪しまれちゃうかもしれないからね」
五人は頷き合い孤児院をそっと後にする。そしていつの間にか夕暮れ時になっていた街はずれをゆっくりと歩いていく。
彼女達は最初は仲間の『秘密』を暴くという目的のために、そして今度はその『秘密』を隠すという目的のためにより一層絆を深め合うことが出来たようだ……。
314:名無しさん@お腹いっぱい。
16/09/10 19:45:06.67 w1EtpRL+.net
「……なーに勝手に良い終わり方にしようとしてんだ、お前ら……?」
そんな五人の背後から良く聴き慣れた、しかし背筋が凍りそうな程冷たい声が響く。
「どうやら随分と面白いことしてくれてたみてぇだなぁおい……」
ゆっくりと五人が振り返った先にいた人物。それはさっきまで自分達が見張っていた大切な仲間。
その顔に浮かんでいたのは先ほどまで子供達に向けられていた眩しい笑顔ではなく、自分達がよく知る見下すようなサディスティックな笑み。
その声に含まれていたのは先ほどまで子供達をあやしていた時の慈愛の心ではなく、自分達がよく知る嗜虐的な行為を愉しむサディストの心。
自分達がいつも見かけているシャン・フェリルがそこにいた。
「まぁとりあえずお前ら……せっかく人が秘密にしてることを知っちまったんだ……覚悟はいいよなぁ?」
「」ガタガタ
「」ブルブル
「」ガクガク
「」ビクビク
「」ワクワク
その夜……ジェネッタの宿では五人がそれぞれ違った『おしおき』を受けたという……。
315:名無しさん@お腹いっぱい。
16/09/10 19:47:08.51 w1EtpRL+.net
以上、拙いものだけどこんなところで。
ついでに上記の補足の追加設定
シャン・フェリル(ハイアンドロー)
実は無類の子供好きということが判明する。
孤児院の子供の面倒を見るきっかけになったのは、ある日たまたまガラの悪い冒険者に絡まれていた子供を助けたことから。
さらに秘かに孤児院に自身のポケットマネーの多くを寄付していたりする。
元々、故郷の村にいた頃から小さい子供の面倒を見ていたこともあり、子供の相手に関しては非常に手馴れている(ただし本人の性格から子供の親からは良い印象を持たれていなかった)。
子供と一緒にいるときは普段のドSな性格は鳴りを潜め、最早『誰だこいつ』と言いたくなるほどの常識人へと変貌する。
自身の性格・性癖が異常であるということは自覚しており、子供達にはそういった面が移らないよう細心の注意を払って接している。
また、普段の自身の性格とのギャップも理解しているのでギルドの面々には秘密にしていた。
なお余談だが、ボイスパターンが38(毒舌)→44(ソロル)に変更された。
316:名無しさん@お腹いっぱい。
16/09/10 20:29:21.70 QPzsiwjx.net
遅ればせながら>>285-297の者です
レス下さった方ありがとうございました 妄想吐き出せてすっきりしました
鶏やら魚視点はミクロな視点を心掛けてるわけでも漱石大好きというわけでもなく、単に世界樹やってたら誰もが知ってるって奴らの視点を選んだだけでした。その方がとっつきやすいかなと
今回は世界樹と言いながら街の話ばっかだったのでもし次があれば樹海探索中のとか考えたいですねぇ。そん時はそれこそ台詞だけみたいな短くすっきりしたものにしたいですわ……
>>303
ちょっと違うかもだけど、後半になって攻撃が苛烈になってくると思わぬ一撃で落ちたら駄目な設定のキャラが落ちたりするんですよね(
お調子者設定や無謀設定ならいいけどニヒルなリーダー的な奴が落ちると途端にヘタレ属性がついたような気がしてモヤる……w
それで逆に妄想が捗る時もあるんすけどねぇ
>>310
むしろ簡潔に伝えられる方が凄い気がしますわ……短くしようとしてもどうしても説明加えてしまう(ssマッテマス ……と書き込もうとした矢先の投下でしたw
良いですよねギルメンの知られざる一面を皆で仲良く尾行する展開
台詞や挙動だけでこれだけ多くのキャラの性格が伝えられるってのは凄いなぁ
ほんわか終わるかと思いきや最後はいつもの感じに戻るのねw そして地味に気になるのがリスに何があったのか
317:名無しさん@お腹いっぱい。
16/09/10 20:38:39.26 Bu05Zt7H.net
なる程ね…意外な一面ってやつですか
いい意味で裏表があるってのはホントあこがれる
あと、地の文が短くなるのは地の文がナレーター担当してるからかなぁ
ssじゃなくて小説風にしたいんなら登場人数を絞るか、地の文担当を決めると安定する…かな?
318:名無しさん@お腹いっぱい。
16/09/10 20:53:36.69 w1EtpRL+.net
>>316
良くも悪くもオチは酷くあれ、が最早うちのギルドの特徴になってきてるんでw まぁとりあえず愉しみにしてたギルドリーダーの期待を裏切っちゃいかんだろうとw
あとリスに関しては数多のボウケンシャーが憎しみを持ってるだろうしお遊び程度に。
今回のリスは糸持ってくならまだしも、宝箱から飛び出してきて全体に雷浴びせてくるやつもいるんで……(白目)
>>317
自分自身、裏表というかギャップ系が好きなんでその影響もあるかもw
キャラ多めだとどうしても全員にセリフを回すためにセリフ量増えちゃうからなぁ、そこらへんは各々のさじ加減ということで。
319:名無しさん@お腹いっぱい。
16/09/10 22:45:31.10 RXS5CS+S.net
<<274
世界は同一。そのうち共演SS晒そうかな
<<285~ 310~
すごい。俺も書こうとは思うけどそんな文才はないよ…
275の続きです
レッド(本名:染山 茜)
セリアン→遠ざけリーパー セーラー服
よりにもよって樹海の一階に飛ばされた学生トリオの一人。
サブカルオタ。それなりにコミュ力はある。むしろうるさい。
瘴気を使えるようになっていた。まだ少し迷宮の過酷さにビビッている。が、好奇心はそれを上回る。
雨弓一家に発見されたとき空を見て物思いにふけっていた。
「スマホで死霊呼ぶとか何それメガテ…」藍「うっさい」
「あたし達も連れてってくれるの?」
インディゴ(本名:染山 瑠璃)
ブラニー→破霊ネクロマンサー セーター
茜の妹。小競り合いが絶えないがなんだかんだで姉妹仲は良好。
こっちは機械オタ。姉よりは静かだがまあまあしゃべる。
現地の魔術を活用した結果スマホで死霊みたいなものを呼べるようになった。
発見されたときは真面目にどうするか考えていた。
「持っててよかった工具一式!」
「姉ちゃん!もう少しの辛抱だからね!」
あと二人います
そのあとSSも晒す予定
320:名無しさん@お腹いっぱい。
16/09/11 10:41:28.38 CB/R7uEi.net
>>319
もしかしてその死霊って死霊じゃなく悪m…
321:名無しさん@お腹いっぱい。
16/09/11 15:39:47.41 cnJXVvDT.net
それ以上はいけない
322:名無しさん@お腹いっぱい。
16/09/11 18:06:04.17 0sdRuP5c.net
続き
追記:茜の声はNo25、瑠璃の声はNo37。
イエロー(本名:山吹 十色)
一刀マスラオ 学ラン 声No02
学生トリオ唯一の男。
真面目すぎて近寄りにくいオーラを出している。
刀を武器に戦う。ひたすら鍛錬に打ち込む姿がよく見られる。
発見されたとき考え疲れて寝ていた。
「…はっ!おはようございますっ!」
(どう反応すればいいんだ…)
オレンジ(本名:覚えていない)
ブラニー→六属ウォーロック ブラニー女 声No28
ある日雨弓一家と全く同じ場所にいた少女。
服装から異世界出身と考えられるが、本人は以前の記憶を失っている。
六つの属性を意のままに操る。技術は達人級。
メンバーとの関係はもはや家族。
「なにも、おぼえてないの」
「わすれたかった、のかな」
二つ名を忘れていたのでまとめて
ブルー『CONSTANT COBALT』
バイオレット『PURPLE PRIDE』
グリーン『EMERALD ENERGY』
レッド『SCARLET SENSE』
インディゴ『NEAT NAVY』
イエロー『AMBER ARTS』
オレンジ『MANDARIN MEMORY』
(命名:茜)
323:名無しさん@お腹いっぱい。
16/09/11 21:15:47.48 K2LHxN35.net
さっき満を持してラスボス挑戦……が、1/4も削れずhage……惜しくもストーリー全ボス初見sageは達成出来なかった。
流石にラスボス自身がSMプレイするだけにこっちの死霊SMプレイは通用しなかったか……w
>>322
異世界トリップ系もいいな、この中だとオレンジが何かしらの鍵を握ってそうだ。
324:名無しさん@お腹いっぱい。
16/09/11 23:43:13.78 heEqAFXg.net
なかなか上の二人のハードル高くて筆が進まない
設定は生えるがなかなか…
325:名無しさん@お腹いっぱい。
16/09/12 00:01:00.61 lVREH4Wo.net
ハードル高いよなあ
一応土台はできたけど二つ名取ってからとかクリアしてからの方が…とか考えてなかなか
326:名無しさん@お腹いっぱい。
16/09/12 19:20:22.11 P4VZHqUT.net
まだラスボス倒せてないがうちのギルドのエンディングのイメージだいたい固まってきたなぁ。
……一つ問題があるとすれば、ハッピーエンドとバッドエンドのどっちにすればいいのか自分でも決められなくて半ばマルチエンド化してるってとこだが……w
327:名無しさん@お腹いっぱい。
16/09/12 19:37:18.99 B9gEMRpm.net
>>326
どっちも晒せばいいじゃないか
大歓迎だぞ
328:名無しさん@お腹いっぱい。
16/09/12 19:59:08.76 P4VZHqUT.net
>>327
とりあえず今文に起こしてまとめてみてる。
ちなみにハッピーエンドの方は各メンバーの簡単な後日談あり、バッドの方は周回を見越した設定になりそうだ。
329:名無しさん@お腹いっぱい。
16/09/12 22:59:49.17 LZhFpX7T.net
>>326
何のためにセーブスロットが9もあると
分岐点とバッドとハピエンのデータそれぞれ作ってタイムツリーを作成するんだ!!
もちろんハピエンの中でもしも…とバッド妄想させてもいいし
仲間が死に行く中で幸せな走馬燈を流す形でもいいんだw
投下気体
330:名無しさん@お腹いっぱい。
16/09/12 23:11:43.41 B9gEMRpm.net
>>329
そういや9個もあったなセーブスロット
こりゃマルチエンディングが捗りますわ
そういややっと一本書けたけどss書くのって難しいなぁ
よく他の人書けるよなぁ
331:326
16/09/13 12:37:35.18 L8adSH7Q.net
>>329
スロットのこと忘れてたわw とりあえずデータは二つに分けといた。
>>330
思いのほかエンディングの文章化に時間かかってるから、先に晒してくれても構わんよ。
332:名無しさん@お腹いっぱい。
16/09/13 20:19:18.84 rpZKMro8.net
では投下
>>222 >>119>>139>>140 >>142より
僕の前には見慣れた一組の男女が居る
一人は『トロン』
そしてもう一人はその妹。
トロンと会うのは二日ぶりだろうか
確か…彼らが迷宮に潜る前に挨拶をしたんだっけ?
これだけならいつも通りだ。
そう、いつも通りのはず…
でも彼の抱える妹は
死んでいた。
………………………………………………
迷宮に潜る上で市場やってはならない事はなんだろうか?
それは糸を忘れる事だ
糸を忘れる事はそのまま死に直結する
「あっ…あれ?糸が…無い!?」
そんな糸を忘れ、慌てふためくクレイルに手を差し伸べたのがトロンだった
「…お譲りしましょうか?」
「えっ!?」
突然の救いの手に混乱するクレイル
しかし、彼は微笑みながら自ら手を差し伸べる
「困った時はお互い様ですよ」
「あ、ありがとうございます!」
それからも会う度、基本はクレイルが助けられるばかりであったが、そのうち時には他愛の無い話もするようになる
お互いの兄弟の話をしたり、
時には釣りや料理に興じることもあった
333:名無しさん@お腹いっぱい。
16/09/13 20:19:44.49 rpZKMro8.net
…………………………………
釣りを初めてから15分
二人ともかかる気配は無い
しびれを切らしたのか、クレイルがトロンに話しかけた
「ねぇねぇ」
「…どうかしました?」
突然の言葉だったが、お互い話す以外にすることもなく、会話が続けられる
「トロンってさ、兄弟とか居るの?」
二人の前の浮きは動く様子もないが
あくまでも釣りに集中しているようで
目線は目の前に向けたままトロンが答える
「二歳下の妹が居ますよ」
妹が居るというトロンの答に、クレイルはトロンの方を向いて軽く頷く
「そういえばクレイルさんにはお兄さんが居ましたよね」
「うん、まあ…あまり似てないって言われるけ…」
「かかった!」
クレイルが話してる途中に、トロンの竿に当たりがあったようで、トロンが先に魚を釣り上げる
「あっ、あれぇ?」
確かに彼らに実力や種族の差はあれど、それらの行為は充分に友人と呼べるものだったのかもしれない