14/10/28 17:45:45.50 1szET8Z90.net
驚異的なペースでホームランを量産するメジャーリーガーがいた。
記者達がどういうトレーニングをすればそんなに打てるのかと尋ねたところ、
彼はこともなげに「日常生活で鍛えられたのさ」と答えた。
その秘訣が知りたいと取材を申し込んだ記者達が招待されたのは、彼の実家の牧場であった。
数千エーカーはあろうかと思われる広大な敷地にはたくさんの家畜ポケモンが飼われている。
その中で、彼が最初に案内してくれたのは牧草地であった。
「ここで肥料を撒くのがボールを真芯で捕らえる訓練になるんだ」と彼は言う。
肥料を撒くことがなぜバッティングの訓練になるのかと訝しがる記者達の前に、
牧童がピックアップトラックに乗ってやって来た。
荷台にはベビンネが詰め込まれた大きな籠が10個ほど乗っている。
「チィチィチィ!!「ヂィー!!チィチィ!!」
大騒ぎするベビンネの籠を1つ降ろした牧童は、バットを彼に手渡した。
「いいかい、簡単そうだがなかなかコツが要るんだ」
彼が促すと、牧童はベビンネを1匹掴みだして彼にトスした。バットが振りぬかれる。
「チィィ―――ッ!!!!」
悲鳴を一声残し、ベビンネははるか遠くまで飛んでいった。500フィートは飛んだだろうか。
そして牧童が次々とトスするベビンネを、彼は全て右へ左へと快打してゆく。
「ヂィ―ッ!!」「チギャァ―ッ!!」「チビィィ――ッ!!」
牧草地に満遍なくベビンネは飛んでゆく。
大抵は落下地点で即死、辛うじて生き残ってもすぐ餓死して、牧草の肥やしになるのだそうだ。
なるほど、「肥料を撒く」とはこういう意味だったのである。