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安田峰俊「境界の民」
イスラム原理主義と中華文明圏が激突する民族問題の火薬庫、それが新疆ウイグル自治区。
少数民族とはいえ1000万人以上の人口が存在し、民族も言葉も宗教も漢人とは異なるため、
密告・尋問・虐殺・亡命といった言葉が日常を飛び交う。
そんなウイグルの支援には、他ならぬ日本も深く関わっており、
ウイグル問題への抗議・啓発を行う民間団体として「日本ウイグル協会」という組織が存在するという。
この団体を取り巻く日本人たち。ある者は大時代的なアジア主義者を気取って在日ウイグル人に接し「情念派」と呼ばれた。
そしてある者は、歴史に深い造詣を持つものの高飛車でわがままな一面を持ち「知識派」と呼ばれた。
やがて彼らは「可哀想」なウイグル人をめぐって対立を深め、次第に両者とも姿を消していく。
その後現れたのが、ネット派と呼ばれる一味である。
ネット派の人々は誠意と使命感こそ持っていたが、
総じて歴史的な視野や政治的な問題の本質を見抜くソリューション能力に乏しかった。
その結果、初めは傀儡首班に過ぎなかった協会トップの在日ウイグル人によって、
したたかに利用されてしまう。
普通に付き合う。ただそれだけのことが、ここまで難しいものなのだろうか。
ウイグルを「道具」として利用した結果の成れの果て、
それはより深い混迷への誘いであった。
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