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羽生結弦のフィギュアスケートは伝統芸能か
2/20(木) 18:06配信 時事通信
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語り継がれるものは何回も
羽生結弦がフィギュアスケート界に長年漂うもやもやした通説に切り込んだ。
音楽に合わせて氷の上で演じ、ジャンプやスピン、ステップの技術を競うスポーツ。
同じ曲による再演は是か、非か―。ショートプログラム(SP)、フリーとも以前の演目に戻して2月の四大陸選手権を制した後、
「フィギュアスケートでは毎年、新しいもの(曲、プログラム)をやる。(繰り返し)やっても2年くらい。本当にそれが全ての真理なのかなと自分の中で思っている」と語った。
連覇を遂げた平昌五輪以来で、3季目の再演となったフリー「SEIMEI」への思いは特に強い。映画「陰陽師」で安倍晴明を演じた狂言師の野村萬斎さんにもかつて助言を求めた。
「伝統芸能とか語り継がれるものは何回も何回もやる。バレエもオペラも。自分もそういう道にいてもいいんじゃないかな。もっと極められるものもある」と言う。
この異色の発想はフィギュアスケートになじむのか。採点するジャッジ、規則を決める国際スケート連盟(ISU)の関係者に聞いた。
◇舞台芸術には、かなわない
あるベテランの国際ジャッジは羽生の考え方について、「同じプログラムを滑ることがマイナスにはならない」と話した。
ロイヤルバレエの白鳥の湖、歌舞伎の勧進帳などを挙げて「いいものは何度でも見たい。そういう意味で、特に完成度とレベルの高いスケーターによる良いプログラムは見飽きたからもういいやということにはきっとならない。
もう一回見たい、もっとどこか良くなっているのかなという気持ちは出てくる」と言う。
それでも伝統芸能とは違う、と付け加えた。
伝統芸能にはひいきの客を付けるという一面はあっても、勝敗の要素はない。フィギュアスケートは芸術と表現、技術でスコアを争う。
「技術的に難しいものを入れていくことで、表現は制限されてしまう。そういう意味ではスポーツなので、バレエなども含めた舞台芸術の表現力、完成度や芸術性、それが訴えるものにはかなわない。そこでは初めから勝負にならない」と断じた。