15/09/25 20:13:16.40 .net
『新横浜スケートセンター』は、早朝から約20人の選手でごった返す。
選手数は膨れ上がったが、リンク数は増えていない。リンクは最近、
冬タイヤの試乗会にも貸し出されるようになった。
滑るのは1日最大でも3時間弱。浅田が佐藤を占有できる時間となると、
15分程度に過ぎない。浅田の拠点である『中京大学アイスアリーナ』も
他の選手と共有だ。ソチ五輪前のように貸し切ることはできなくなった。
「これからは思うように音楽はかからないし、やり難いと思うよ」
競技復帰への覚悟を確認するかのように佐藤が伝えると、
「いい勉強をしています」と浅田は答えた。大人になった浅田の変化を、
佐藤が最も感じるのは氷上だ。技術は上がり、佐藤の教えの理屈を
しっかり理解して滑っている。おかげで、これまでぶつ切りだった要素が
繋がりを見せる。「“旨味”ですよね。ベテランだから出せる味が出てきた」
経験が骨肉となっているのを浅田も感じている。
「(以前は)大人っぽく見せたくてアップアップしていたけれど、(今は)
何かを(無理に)作ろうというのがない」。自然に滑るだけで
高い演技構成点が出そうだ。だから、3Aのことを聞かれると、言葉を濁す。
「もうベテラン。ジャンプの技術も大切だけれど、
大人の滑り・自分の滑りを見てもらいたい」