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テレビを捨ててから、およそ3年半が経過した。捨てたきっかけは、どの番組も観ていてストレスが溜まるだけで、面白くないということに、ふと気がついたのだ。どの番組を見てもイライラが募ってしまい、むしろ「イライラ製造機」のような存在になったため、思い切ってエイヤッと捨て、NHKに解約手続きをした。最初は「不便になるかな」とも思ったが、一度も困ったことはなく、むしろイライラが大幅に減り、時間泥棒から解放され、睡眠時間も長くなったのだ。【中川淳一郎・ネットニュース編集者】
無駄な時間
テレビに限らず、自宅にあるモノの多くは結局不要ということが多い。現在の家に住んで5年10ヶ月が経過したが、2DKの部屋のうち一つには、引っ越ししてから開けていない段ボール箱がいくつもある。1年使わなかったものは一生いらないもの、といった言い方もされるが、居酒屋や空港、病院で流れる時以外には見ないテレビもそんな、必要のないものの一つだったのだ。
朝、惰性でつけていた情報番組のザッピング行為や、19時、21時のNHKニュースとそこから先の民放のニュースで同じような映像を見るのも無駄な時間だったと感じている。編集者という職業柄、これらを見る必要があると思っていたのだが、基本はNHK朝7時のラジオニュースと新聞とYahoo!ニュースで事足りてしまうことを改めて理解した。むしろ書籍や、仕事に役立ちそうな記事を読むようになった。
年間2万円ほどの受信料は税金のようなものと割りきっていたのだが、払った上でイライラするのが馬鹿馬鹿しくなったため解約した。イライラの理由は、テレビがプロパガンダのツールとして機能し過ぎるのを目の当たりにしたからだ。特に新型コロナ報道が人々にもたらしたすさまじい影響力に驚愕し、自分はこの渦に巻き込まれてはならないと思った。
当時の報道では連日陽性者数の発表を速報で行い、トイレットペーパーが棚から消えた様や、自粛を訴える政治家と専門家の発言をこれでもか、と報じる。街の人々が恐れおののく様子を紹介し、リポーターは「あーっ! マスクをしていませんね!」と「マスク警察」をやる。
ココアでやせる
さらに「月曜日としてはもっとも多い陽性者数」など手を変え品を変え、テレビは恐怖を煽り続けた。2023年5月8日の五類移行以降は陽性者数の発表はやめたが、それとともに、人々の恐怖も段々薄れ始め、正常化への道が進んだ。結局テレビが熱狂するかどうか、ということが日本の世論を決めていくのである。「今はネットの時代だ」と言う人も多いが、その影響力はナメない方がいい。その影響力が作り出す世論と「渦」にあなたも巻き込まれていく。
先日、ABEMA Primeという報道番組に出た時、食料品の消費税率1%への変更について実業家の夏野剛氏が興味深い発言をした。
「なんで今、減税に反対する人がこんなにいるんですかね。以前は賛成する人ばかりだったでしょう」
これを聞いてピンと来た。テレビは見ていないものの、テレビのコメンテーターが「財源はどうするのか?」「最初は0%といっていたではないか」などと批判的な発言をしていることは把握していた。あとはスーパーの店長による1%ではPOPや値札の書き換えなどが大変、やるなら0にすべきなどの発言も。世の論調が1%化に否定的になるようテレビがリードしたことは理解した。叩きどころがないリベラル系の岸田政権と石破政権ではなく、保守寄りとされる高市政権だから、基本的にリベラルな存在であるテレビによる反対論調が強くなったのではなかろうか。
かつて、「ココアでやせる」「寒天でやせる」「納豆でやせる」とテレビが言えばスーパーの棚は空になった。この時にテレビの影響力のすさまじさは思い知ったが、東日本大震災時の放射線の危険性をあおる報道、感染症報道に加え「10年に1度の台風報道」「南海トラフ地震の恐怖報道」などで人々は右往左往させられた。同じような話題を一日中、そして何日も続けるのがテレビの特徴である。古くは「オウム」、「引っ越しおばさん」、「小池劇場」、「紀州のドン・ファン」、「ごみ屋敷」、「荒れる成人式」など。最近では京都の11歳男児行方不明事件しかりである。
つづき
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