25/02/01 08:42:27.42 JulHaba/.net
【兵庫】100年以上前から在日コリアンが多く暮らしてきた神戸市長田区に、映像や生活資料でその歩みを伝えるミュージアムが昨年12月、オープンした。多様なルーツを持つ人々が暮らす長田で、相互理解を深める学びの場として期待されている。
JR新長田駅から南へ徒歩3分ほどの場所に「神戸在日コリアンくらしとことばのミュージアム」(同区若松町3丁目)はある。
愛称は「ナドゥリミュージアム」。ナドゥリは韓国語で「おでかけ」を意味する。
1階は在日コリアンの100年の歩みを学べる写真や映像、ジオラマのほか、「くつのまち」長田を支えてきた貼り工(靴底を貼り合わせる職人)の仕事道具などが展示されている。
2階には数千点以上の韓国・朝鮮にまつわる書籍が所蔵され、セミナー室としても活用される。
運営するのは一般社団法人神戸コリア教育文化センター。この場所で10年前からハングルの語学教室を開いてきた。
センター代表の金信鏞(キムシニョン)さん(72)は今回のミュージアムについて「在日コリアンの子どもたちがここに来れば自分のルーツがわかる、そんな場所にしたかった」と話す。
長年温めてきた資料館の構想をもとに、研究者ら約20人で手分けして映像資料の収集、ジオラマの作製などを進めた。
2階にあがる階段の壁には、戦時中日本に渡ってきた両親の間に生まれ、小学2年で山口県から長田に引っ越してきた金さん自身の経験もイラストを交えて紹介されている。
金さんらは2012年から朝鮮半島に関する研究者や長田在住の在日コリアンらを講師に招き、「長田在日大学」と呼ばれる市民の学びの場を設けてきた。
今年1月11日には大阪産業大学の崔誠姫(チェソンヒ)准教授が自身が時代考証を担当したNHK連続テレビ小説「虎に翼」で朝鮮がどのように描かれたかについて講演した。
主人公・寅子の同級生、崔香淑(汐見香子)やその兄の潤哲など、朝鮮に関わりのある人物が多く登場した。崔准教授は「これまでの作品ではここまで具体的に朝鮮が描かれてこなかった。『虎に翼』では役者の当事者性を尊重したことで、確かにあった歴史をより可視化させた」と説明した。
講演会後には参加者がドラマの感想を思い思いに語る時間も。崔准教授は「気軽に来て話して、アイデンティティーを癒やせる場は貴重。今も在日コリアンが住む長田にあることにも意味がある」と話す。
金さんによると、長田には約4千人の在日コリアンが暮らす。日本国籍を取得するなどしてその数は年々減っているというが、ベトナム、ミャンマー、南米からの移住者も増え多民族化は進んでいる。
「在日コリアンが長田を定住の地にした歩みが、他の民族へ一つの道しるべになれば」。金さんはそう力を込める。
開館は午前10時~午後6時、火・木曜休館。入館料は一般500円、学生300円、小中高生100円。(宮坂奈津)
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