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【図1】ルイ・ヴィトン「ポルトフォイユ・サラ ダミエ・アズール」(同社ウェブサイトより)
あのマーク見たことある、あの名前知っている。企業が自社の商品やサービスを、他社のものと識別・区別するためのマークやネーミング。それらは「商標」と呼ばれ、特許庁に商標登録すれば、その保護にお墨付きをもらうことができる。
しかし、たとえ商標登録されていても、実は常に有効な権利とはなり得ない。そもそも商標登録には、いついかなる場面でもそのマークやネーミング自体を独占できる効果はない。
このように商標制度には誤解が多く、それを逆手にとって、過剰な権利主張をする者も後を絶たない。商標権の中には「エセ商標権」も紛れているケースがあり、それを知らないと理不尽にも見えるクレームをつけられても反撃できずに泣き寝入りするリスクがあるのだ。
「エセ商標権事件簿」(友利昴著)は、こうした商標にまつわる紛争の中でも、とくに“トンデモ”な事件を集めた一冊だ。
第7回はフランスの高級ブランド、ルイ・ヴィトンが日本の中小企業に行ったいじめのような商標権トラブルについて取り上げる。(全8回)
※ この記事は友利昴氏の書籍『エセ商標権事件簿』(パブリブ)より一部抜粋・再構成しています。
フランスの高級ブランドが日本の中小企業に商標いじめ!?
ルイ・ヴィトンといえば、世界的にその地位を確立しているフランスのラグジュアリーブランドだ。日本にも愛好者は多いが、同社は日本人全体を敵に回しかねないイチャモンを、日本企業にぶつけたことがある。
2020年、ルイ・ヴィトンは東京・浅草にある仏壇・仏具を取り扱う滝田商店に対し、自社の商標権を侵害している旨の警告文を送りつけた。しかしルイ・ヴィトンと仏壇とは、あまりにもミスマッチな取り合わせだ。いったい、何が商標権侵害だというのだろうか。
同社が問題視したのは、滝田商店で販売されていた「市松模様をあしらった数珠袋(念珠入れ)」であった。ルイ・ヴィトン曰く、これが同社のブランドラインのひとつである「ダミエ柄」の商標権侵害だというのだ。
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【図2】滝田商店「数珠袋 (念珠入れ)」(同社Amazonストアより)
ルイ・ヴィトンのダミエ柄のポーチ(図1)と、滝田商店が取り扱っている数珠袋(図2)のデザインを比較すると、確かに似ているとはいえる。だがこれは、似て当たり前である。なぜならば、どちらも地模様のデザインがチェッカー柄、日本でいうところの市松模様である点が共通しているだけだからである。
つづき
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