20/11/24 22:46:33.47 CAP_USER.net
「短時間で稼ぎたい人ほど…荒っぽい運転」宅配自転車、配達目標達成でボーナス加算の業者も
2020/11/24
飲食店の料理を届ける宅配代行サービスの自転車や原付きバイクによる相次ぐ交通トラブルを受け、国は１０月、業界団体へ交通安全の徹底を促す通達を出した。
参入業者や加盟する飲食店も増えており、国や警察は事故の内容を分析し、事故防止に注力している。
■「運べばもうかる」
９月上旬、福岡市南区で大きなリュックを背負った自転車の男が歩道を突っ走るのを警察官が目撃した。
接触はしなかったが、歩行者を飛びのかせながらの走行だった。捜査関係者によると、男は５０歳代の配達員。
その場で道路交通法違反（通行区分違反）容疑で摘発され、その後、書類送検された。
東京では自転車の配達員が首都高速道路に進入するトラブルも。
大阪市では８月、配達員の自転車に追突されて負傷したとして、６０歳代の女性が配達員と宅配代行業者を提訴した。
配達員が車との接触などでけがをする事故も起きている。
配達員の報酬は各社異なり、距離などによっても変動する。
業者によっては１件５００円前後で、一定期間内で配達目標を達成するとボーナスが加算されることもある。
福岡市で配達する男性（２１）は「たくさん運べばもうかる。短い時間で稼ぎたい人ほど、荒っぽい運転になっていると思う」と話す。
■「優しい運転を」
相次ぐ配達員の事故や交通違反を受け、国も対策に乗り出した。
２０１９年に飲食店で起きた労働災害のうち、配達中の交通事故１１４件を厚生労働省が分析したところ、
当事者となったのは若年層の配達員が多く、２０歳未満が１７％、２０歳～２９歳が４３％と２９歳以下で６割を占めている。
一時不停止やスマートフォンの「ながら運転」などを事故原因の一因と指摘している。
同省や内閣府、農林水産省など５府・省庁は１０月２６日、宅配代行業や飲食店の業界団体に対し、連名で配達員への交通安全啓発の徹底などを求める通達を出した。
配達員の登録時に交通安全に関する教育を行うほか、対面による研修の実施を要望。事故事例を収集、分析し、配達員に情報提供して注意喚起するよう求めている。
厚労省の担当者は「新型コロナ感染防止のための外出自粛要請などで、飲食物の宅配需要は高まっている。業界側に自発的な改善を求めたい」とする。
警察も摘発・指導を強化している。福岡県警は、宅配代行業者に配達員への啓発徹底を促すのに加え、料理を提供する飲食店にもチラシを配布し、
配達員に「自転車は車道通行が原則」などと直接呼びかけてもらう取り組みを行っている。
県警交通指導課は「年末にかけて人通りも交通量も増加し、事故の危険性が高まる。配達員は歩行者に優しい運転をしてほしい」とする。
一方、ウーバーイーツの日本法人によると、スマートフォンアプリで速すぎる移動を検知した場合に警告を出したり、法令違反があった場合は登録停止などの対応を取ったりしている。
同法人は読売新聞の取材に、「今後も関係機関のご協力を仰ぎながら、安全啓発への取り組みを強化していく」としている。
◆宅配代行サービス＝自転車などによる料理の宅配代行サービスは２０１６年、米大手の「ウーバーイーツ」が日本でサービスを開始して以来、徐々に拡大。
スマートフォンのアプリで登録された飲食店に注文すると近くにいる配達員に依頼が届き、注文した客へ運ぶ。
現在、ウーバーイーツと「出前館」（本社・大阪市）の大手２社だけでも延べ約１０万の飲食店が加盟している。
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