20/06/06 22:05:46 CAP_USER.net
無観客の今、競馬場の「音」をTwitterで
2020/6/6
1944年以来となる、ファンのいない競馬場での日本ダービーが終わりました。
筆者はこの春、皐月賞と日本ダービーで無観客競馬のG1レースの実況を担当しました。コントレイルが15年ぶりとなる無敗での2冠を達成。
本来なら偉業を称える大歓声が響いていたはずだと思うと、どこかやるせない気持ちになります。ファンの皆さんに早く競馬場に戻ってきてほしいと願うばかりです。
さて、無観客競馬が始まってから、ファンの間で大きな話題となったSNS(交流サイト)があるのをご存じでしょうか。
阪神競馬場の公式ツイッター(@HanshinKeibaJo)です。写真や動画で競馬場の風景を切り取り、積極的に発信。
ステイホームで競馬を楽しむファンの目や耳を楽しませています。
■「普段見ることのできないシーンを届ける」
このツイッターを運営している、いわゆる「中の人」にお話を伺いました。日本中央競馬会(JRA)阪神競馬場お客様課サービス係の吉田歩さんです。
吉田さんが発信するツイートは競馬の世界を飛び越えて反響を呼び、先日はNHKのテレビ番組「ノーナレ」でも取り上げられました。
「部署の業務としてSNSの運営があります。『イベントの告知に使用する』と昨年3月にツイッターの運営を引き継ぎました。
そのときには特別な感情はなかったんです。転機になったのは昨年の夏ごろ。平日にスタンド内を歩いたりコースを眺めたりするのが好きなのですが、
6月の開催が終わった後、大きなクレーン車を使って芝の張り替え作業をしているシーンを見かけました。それがとても興味深く映り、多くの人に見てほしいと思いました。
そこから、競馬ファンが普段見ることのできないシーンを届けようと考えるようになりました」
コロナ禍で無観客競馬が進む中、阪神競馬場公式ツイッターの発信は増えました。
そこには「競馬場に来たくても来られない方に、競馬場の様子を届けたい」という吉田さんの強い思いがあったのです。
「無観客での実施が決まったのが2月29日の阪神競馬開幕の直前でした。
来場を楽しみにしていた方々はなおさら寂しい思いをしているだろうと、競馬場の『今』を発信するようになりました」
ひときわ大きな話題となったのが『HORSE RACE SOUND』という動画。
普段は歓声やざわめきでかき消されるはずの、競馬場の"音"に注目したこの動画はツイッター上で16万回以上も再生されました。
音が注目され、話題となるのは、ラジオというメディアで働く筆者としては大変うれしく感じます。
「無観客競馬になってから、パドックでの号令や、レースで競走馬が駆け抜ける音などが、すーっと耳に入ってくるようになりました。
歓声という音がなくなったことがきっかけで、競馬そのものが持つ音の魅力を再確認したのが大きいです。
そしてその音に耳を傾けていると、改めてファンの歓声のパワーの大きさが感じられるという循環が生まれました。
心にダイレクトに届き、絶えず気持ちを動かし続ける音の力はすごいと感じています」
以下略
URLリンク(www.nikkei.com)