20/02/25 16:16:47 CAP_USER.net
昨年11月に覚醒剤(かくせいざい)を所持したなどとして覚せい剤取締法違反(所持、使用)の罪などで起訴された
元タレントの田代まさし(本名・政)被告(63)。13日に仙台地裁で開かれた初公判では、
薬物入手の経緯や反社会的勢力との接点などを生々しく証言した。同法違反容疑による逮捕は
平成13年、16年、22年に続き4度目だが、公判からは薬物依存から抜け出せない難しさが改めて浮き彫りになった。
■注射器で“ネタ”
「タレントですが、ずっと活動はしていません」
白いシャツに黒のジャケット、黒縁眼鏡で入廷した田代被告は、しっかりとした足取りで自らの席に着いた。
裁判長から職業を問われると、視線を落とすことなく答えた。罪状認否で裁判長から起訴内容に間違いないかを問われた際には
「いえ、ありません」と素直に認めた。
検察側の冒頭陳述などによると、田代被告は薬物依存者の社会復帰を支援する「日本ダルク」の講演会で
聴講者から乾燥大麻を入手。さらに、昨年10月26日に行われたバイク関連のイベントに参加した際、
会場のトイレで覚醒剤と注射器を拾い、11月6日未明に東京都内の自宅マンション敷地内で覚醒剤を使用したことが
明かされた。
被告人質問で田代被告は覚醒剤を入手した際の経緯を具体的に証言した。
「仮設トイレの個室の一室で、トイレットペーパーが置いてある台に、財布と覚醒剤と注射器が置いてあった」
検察官から「誰のものかわからないものを持ち帰る怖さはなかったか」と問われると、「チャンスと思った」と答えた。
また、被告人質問では、反社会的勢力との接点も明かされた。昨年8月に反社の宴会に出席した際、
「耳元で『(薬物が)あるぞ』とささやかれた」「ふざけてハグしたときに、ポケットに薬物を入れられた」として
覚醒剤を入手、使用を再開していたことも証言した。
さらに、田代被告は反社との宴会で、注射器を用いた“ネタ”をしていたことも披露。「自虐はウケた」と自嘲気味に語ったが、
法廷内は失笑に包まれることもなく、薬物依存から抜け出せない田代被告の悲哀だけが漂っていた。
■一時は啓発活動も
平成26年7月、覚醒剤の使用で服役した田代被告は仮釈放となった後、ダルクで職員として一時活動していた時期がある。
田代被告はダルクでの生活について「(薬物を使いそうで)危ないと思ったときもあったが、ミーティングで冷静さを取り戻していた」
と証言。その言葉通り、薬物防止への啓発講演を熱心に行う田代被告は、メディアに取り上げられることもたびたびあった。
しかし、田代被告は金銭面を理由に昨年1月末、ダルクを退所。講演活動のかたわら「ユーチューバー」としての活動も始めたが、
結局、退所をきっかけに再び薬物に手を染めることになってしまった。
「(覚醒剤を)やめられている期間はちょっとずつ伸びている。僕の中では『頑張っているな』という気持ちがある」
過去の自ら犯した薬物事件についてそう振り返った田代被告。だが、「『ここまでやめているからOK』というのがないのが依存症。
僕には更生プログラムがまだ必要だと実感している。今回、身をもって分かった」との言葉に、薬物依存から抜け出せない
苦悩がにじみ出ていた。
■息子が初傍聴
仙台地裁で開かれた初公判の傍聴席には、田代被告の息子の姿があった。過去の薬物事件でも息子が傍聴したことはなく、
今回が初めてだった。
「今まで一度も来たことがなかったが、わざわざ来てくれた。(息子は)心を痛めてきた。自分なりに父親のことを
理解しようとしている。今回で立ち直ってほしい、(父親に)そばにいてほしいという気持ちがあると思う」
法廷でそう語った田代被告は、息子への感謝の思いを口にした。
今後について田代被告は「介護の資格を取ったり、農作物を作ったりしてみんなを笑顔にしたい」と語った。
弁護側は「更生する環境は整っている」として保護観察付きの執行猶予判決を求めたが、
検察側は「再犯の可能性が高い」として懲役3年6月を求刑した。
判決は3月4日に言い渡される。
仙台地検に送検される田代まさし容疑者(中央)=2019年11月、宮城県塩釜市
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ソース 産経ニュース 02/25 16:00
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