20/05/21 01:58:39 nDg7PTNl.net
両親の態度にどこか重苦しいものを感じていた私は夜遊びをするようになり
補導されてしまった事がきっかけだった。
両親は私のところに来て、私を激しく叱責しました。
「ふざけないで、私のことを二人とも嫌っている癖に」そんな事を言い捨てましたが
父はそんな私を何度も殴り飛ばしました。
「あなた・・。」母は父を止めました。
しばらく私たち三人はその場で無言で時間を過ごしました
「わかった。お前が知りたかった事を教えてやる」父はそんなことを言い出しました。
「でも、Aは、」母は何故か血相を変えて父を止めます。
「何れ話す必要がある事だ。」
そうして話してくれたことは、何とも衝撃的な事だった。
私は二人の姉と違い、父の子ではないという事実だ。
母の不倫の末に生まれた子供だった。
「俺も悪かった。だからあの事はもういい」と父は泣きじゃくる母や私に向けて言っている。
その頃、ちょうど母は子供、つまり私の兄を失い。精神的に参っていたそうだ。
初めての男の子で、母は兄を特に可愛がっていただけに、そのショックは大きくふさぎ込んでいた。
父はそんな母を相手にすることに疲れ距離を取っていた。仕事が忙しいと理由をつけて
それが母を不倫に走らせてしまった事を父は認めていまでは後悔しているようだ。
まるで物語に出てくるようなありふれたシナリオに私は思わず笑ってしまいそうになってしまう。
そんな事の結果、私は母の不倫の子という、自分ではどうしようもない事を背負って生まれる事になったのか
「お前が俺の血をひいてないことがわかっても、お前は俺の子だと思っている。それは本当のことだ。お前が
生まれてからずっとお前を育てて来たのだ。可愛いとも思っている。だけどな、それでも母さんの不倫のことを
知ってから、お前を観てると。どうにもやりきれなくなってな。それがお前に辛い思いをさせてしまったな、済まない」父はそう言って頭を下げた。
やりきれない思い。
それは私も一緒だ。