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押井守監督、アニメ業界の現状に警鐘「哲学がなければただの商品」
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「アニメーションは一時期、バンバン作ってきたけど、
今のアニメ業界は知恵を払っちゃった。これ以下は無いだろうと落ち込んでいる」
「何が原因かというと人がいない。人手不足。
ものすごく労働を集約してとことん現場を絞った、
そういう労働に耐える人間がいなくなっちゃった。
低カロリーなスカスカしたものをバンバン作っちゃうぞみたいな。
『濃い作品はいいから、商品をいっぱい作ってくれ。
作品はいらないから、商品を作ってくれ』と言われたこともある。
ふざけんな! と思うんだけど、割と今そうなっている」
「物を作っている中で、僕らは子どもや若い人に向けて、
アニメを観ている時だけは自分がこうなったらいいみたいな、
夢のキャラクターを作るのがこの仕事だと言っていた。
ただし、ひとつだけ哲学を入れろと。
つまり、これが(哲学が)ないとただの商品」
「アニメスタジオについて言えば、
でかくなってから入ってきた子たちは入ってきたことで終わっちゃう。
入れたことでおしまい。
サッカーだとバイエルンミュンヘンに入ったことが終わりじゃない、
そこから始まるんだぞと。(Production)I.Gに入ったからって
自分の未来が決まったり、開けたわけじゃない」
「アニメスタジオは継承されるわけじゃない。
ジブリがそうだったように、20年間くらいで淘汰(とうた)されるもの。
それでいいと思っている。何が大事かというと、
そのサイクルの中にどれだけの人間を世の中に出したかということです」