15/11/12 03:54:14.53 wTb6QKZV.net
訪う人も少ない山奥の洞窟を隠れ家に、少数のお供の手勢とともに暮らす少女がいた。
少女は隠遁生活を志してかような洞窟を住まいとしたわけではなかった。有り体に言えば、「都落ち」である。
少女はいつも泣いて暮らしていた。女としてまさに花開く今という時を、かような草深き陋屋にて不遇をかこつおのが境遇を嘆いていたのである。
貧しいなりに少女らしく飾られた部屋には、一枚の集合写真が掲げられていた。
制服を着た美少女ばかりが並んで写っているその写真の真ん中には、とりわけ美しい少女の姿があった。
その時伏し泣きしていた少女が顔を上げた。真っ赤に泣きはらしたその顔は、
どことなく写真の真ん中のその美少女の面影があったが、まるまると肥え太り、鼻水のただれたその顔は驚くほど醜かった。
その時、ベビーメタル軍の執事コバメタルがこの洞窟に現れた。
守衛の男「コバメタルよ。うぬはなんの義理あってここに来た。彩未様はうぬが如き面従腹背の輩には会われぬ。早々にこの場を立ち去れい」
コバメタル「これはこれは、なんとも異なる申されよう。わたくしもずいぶんと嫌われたものですな。
しかし、今回わたくしが参ったのは、彩未様に益ある話を携えてなのです。
かつての禍根はひとまず置いて、お目通りを」