21/07/14 23:01:23.59 XHGt3caN0.net
光瀬「すごく若い男の子っていうのは、やがて孤独の悲哀の中で苦しまないといけないことを知らない。
すこし年を取った男の子はそれを知り始めてる。
一人の男の子が遭遇する不幸だとか悲哀だとかはそれぞれちがうし、その段階でいくら大人が手を貸してやったってどうにかなるわけじゃないから、結局自分で処理して行くかわそれに負けちゃうかのどっちかしかないわけ。
息子を見る時の父親の悲しみってのは、こういう所ですよ。男の理解の中にはいつもこれがある。
」
竹宮「私はそれを実感として知っているって気がするんです。女として生きるのだったら、やっぱり亭主にかせがせて、三食昼寝付きがいいなぁ」
光瀬「あなたはなぜマンガ描いてるの?」
竹宮「人に読ませてみたいからです」
光瀬「読む人がいなければやめる?」
竹宮「いえ、読んでくれる人がいるから楽しいんです」
光瀬「そうすると自己主張もあるわけね」
竹宮「今まで少年漫画だけを描いてきたけど、そろそろ少年も研究しつくした感があるんです。」
光瀬「生物学的に言っても少年とはまだ不幸を経験していない人間なんですよ。
だから少年の目や行動を通して語られるものっていうのは不幸がないんですよ。
例えあなたが不幸によって、人生を世界を見たとしても少年の行動を通して語られると、非常に無機的なものにしかなりませんよね。
それがあなたにとって袋小路になるんじゃないかな。」