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―最近、関東地方の群馬県や千葉県でも地震が発生しましたが、関連はあるのでしょうか。
遠田 M9の東日本大震災は滋賀県の琵琶湖あたりまで地震活動に影響を及ぼしましたが、
群馬地震はM5弱で極めて小さく、遠方の大阪北部まで影響を及ぼした可能性はほぼないと見ていいでしょう。
一方、千葉県南部で発生した地震については、岩盤の境目がゆっくりとずれて動く「スロースリップ」と呼ばれる現象が起きており、
房総半島や関東になんらかの影響を及ぼすことはあり得ますが、こちらも大阪北部にまで影響を与えているとは考えにくいです。
地震が頻発すると「地球は活動期に入った」と表現する人もいますが、もともと日本列島全体が地震の多い地域なので、いわば偶然、一定の期間に複数の地震が発生したと見るべきでしょう。
―そもそも、事前に「大阪北部で大きな地震が発生しそうだ」という予測はあったのでしょうか。
遠田 今は長期的な視点で地震の予測を立てます。そのなかで、「上町断層帯は要注意だ」といわれていたので、そういう意味では指摘されてはいました。ただし、数カ月や数日単位での予測は困難です。
―「関東に巨大地震が来る」といわれて久しいですが、実際のところはいかがでしょうか。
遠田 東京は非常にやっかいです。実は、東京で発生する地震の仕組みがなかなか解明されていないのです。
陸側プレート、太平洋プレート、フィリピン海プレートがあり、プレートがひしめき合っているので、東京の真下にはさまざまなタイプの地震が発生します。
それぞれの境界やプレートの内部が割れることで、地震が発生します。そして、宮城県沖地震は約30年間隔、南海トラフ地震は百数十年間隔で、それぞれ発生することが過去の歴史や記録からわかっています。
しかし、東京については、過去に関東大震災を起こした相模トラフ沿いのメカニズムしかわかっていないのです。
内陸の千葉市直下あたりで発生したといわれる、1855年の安政江戸大地震は相模トラフとはまったく違うタイプです。そのため、予測については「今までこれくらいの頻度で地震が発生した」という歴史的経緯で確率を試算しているにすぎません。
ほかに立川断層帯などの活断層もあり、東京ではさまざまなタイプの地震が発生する可能性があります。
一方、大阪の場合は基本的に内陸の活断層による地震がほとんどであり、慶長伏見地震も同様です。