16/11/18 00:17:44.53 mDdNU1NN/
>>48
野良ゴーヤの親子たちは、拾い終えた枯葉と新聞紙をゴミ袋に入れ、袋に入りきらないものは
両腕に抱えて公園を後にした。
「落ち葉さん、新聞紙さん、いっぱいいっぱい集めたでち!これで冬も安心でちね!」
子ゴーヤが嬉しそうに言うと、落ち葉と一緒に赤ごっぱも抱えた親ゴーヤは微笑みながらゆっくりとうなずく。
やがて、野良ゴーヤの親子たちは路地裏にある家へと帰り着いた。
段ボールでできた粗末な小屋。だが、野良ゴーヤの中ではまだましな住居である。
野良ゴーヤの中には放置された土管や下水の通路で雨風を凌ぐ者も多いのだ。
小屋の中には食料の入った箱、ボロボロになった毛布、子ゴーヤと赤ごっぱのおもちゃなどが置かれている。
その床一面に落ち葉と新聞紙を敷き詰めると、親子たちは床に寝っ転がった。
「わあいわあい!落ち葉さんのべっどさんでちい!」
「ちゃああぶううう!たあぶうぶうぶう!」
床に転がりながら喜ぶ子ゴーヤと赤ごっぱ、その様子をほほえましく見ながら、親ゴーヤはこれからの食事の確保をどうするか考えていた。
続く