16/09/19 18:15:56.46 GVjLbD7SH
地下室の床に落ちていたビニールの紐を1本手にする。1メートル弱くらいの長さだ。
先の方を結んで輪を作り、騒いでいる赤ごっぱの首に引っ掛けて吊り上げた。
番号を確認したらこいつは1号だった。
「チッピィィ!?」
宙吊りにされてもがく1号を、ケースの外から赤ごっぱ達の真ん前に突きつけた。
「チュヒィィ!キュゥゥ…ヒィィーッ!!」「チィチィーッ!」「チィチィ!」
絞首刑になった1号は舌を突き出し、口をパクパクさせてもがくが、暴れるだけ首は絞まっていく。
口からは食べたものが吐き出されるわ、うんこで尻の水着が膨らんで悪臭も放つわ
おしっこは両脚から垂れてきて、ジタバタ暴れるので飛び散ったりして実にカオスな状況だ。
それを何とか助けようと、チィチィ叫びながら手を伸ばすケースの中の赤ごっぱ達。無駄な努力だ。
「デチィィ……ィッ……」
やがて1号の動きが止まった。足がだらんと垂れ、絶命する。
「チィィーッ!!」
泣き叫ぶ赤ごっぱ達の中に、舌を突き出して苦悶の表情を浮かべた1号の死体を、紐ごと放り込んだ。
わらわらと取り囲み、揺さぶったりしているが、生き返るわけがない。
姉妹の死を実感したらしい赤ごっぱ達は「チィチィ…」とさめざめ泣き始めた。
「おい、お前ら」
私の声に赤ごっぱ達はびくっとして振り返る。
「6号と3号は改めてわかっただろう、私に逆らう奴はこうなるんだ。命が惜しければ少しは大人しくするんだな」
言葉はわからなくても、大体俺の感情は読み取れるのだろう。
今回も悔しそうな目で睨みつける者や、怯えてプルプル震えている者など、反応は様々だ。
それを見比べ、私と金剛はニヤニヤ笑っていた。面白い、実に面白いぞ。
ちなみに金剛からのおとがめはないのか?と思う方もいるかもしれないが心配ご無用。
私の金剛は以前、私との結婚式中にゴーヤに式を妨害されて台無しにされたという過去があり、
それっきりゴーヤのことが大嫌いになっているのだ。
さて、餓死させるのはいつでもできるから、とりあえずは餌を与えて元気でいてもらう事にする。
私は金剛を自室に帰らせた後、続けて鎮守府の中に戻り、間宮さんの食堂へ行って賞味期限切れのミルクをありったけ用意した。
ちなみに間宮さん曰く、「これらは望月ちゃんや初雪ちゃんが飲み残していたもので、大量にあったからどうしようか処分に苦慮していたんですよ…」とのこと。
いい処分先が見つかって間宮さんと伊良湖さんも喜んでいた。
そんなわけで私は一番大きい大皿とミルクを用意してガレージに引き返した。
赤ごっぱ達はまだ1号の死体を囲んで悲しみに暮れている。
その輪から少し離れたところに、ミルクの大皿を置いた。
「おら、飯だぞゴミども」
反応はここでいくつかに分かれた。
よっぽど腹が減っていたのか、絞首刑にされた1号の事も忘れて「チィチィ♪」と笑顔でミルクを啜り始める無邪気な者が8匹。
姉妹を殺した私の差し出した食事に手をつけてよいものかどうか迷っている者が6匹。
そして残るのは、その程度では懐柔されず私に憎悪を燃やす者だ。2匹が俺の方を睨んでいる。4号と8号だ。
その2匹は暢気にミルクを飲んでいる赤ごっぱ達に、「チィチィ!チィ!!」と何やら訴えている。
そんなものに騙されちゃだめだ、あの人間は姉妹の仇なんだぞとでも説得しているのだろう。
それで結構、非常にわかりやすい。お前ら2匹を黙らせれば不満分子はいなくなるという訳だ。