24/11/06 17:37:00.04 liBGe1/m9.net
ホンダは6日、2025年3月期の連結純利益(国際会計基準)が前期比14%減の9500億円になりそうだと発表した。従来予想(10%減の1兆円)比で500億円下方修正した。2年ぶりの最終減益となり、中国事業の悪化などを織り込む。
売上高予想は円安の影響で3%増の21兆円と7000億円上振れした。営業利益見通しは2期連続の最高となる3%増の1兆4200億円を据え置いたが、アナリスト予想の平均(QUICKコンセンサス、1兆4993億円)を下回った。ホンダは中国事業を主に営業外損益で取り込むため、営業利益は純利益に比べ悪化しない。
ただし通期の想定為替レートは1ドル=148円と従来予想比で8円円安にした。円安効果は米国市場での競争激化により、販売店に支払う奨励金(インセンティブ)の増加が打ち消す。米コックス・オートモーティブによると、9月のホンダの奨励金は1台あたり約2700ドル(40万円)と、前年同月比のドルベースで8割増えた。
自動車の世界販売見通しは8%減の380万台と、従来予想より10万台下振れさせた。うち7万台を中国が占めた。通期の中国販売は4〜6月期決算発表時にも22万台下方修正していた。ホンダの前期の中国販売は120万台規模で、今期は大幅に減る見通しとなる。日本と米国の販売は横ばいを見込む。
英調査会社グローバルデータによると、ホンダの中国に構える工場の稼働率は24年の予測で61%と、21年(91%)から30ポイントも悪化している。比亜迪(BYD)をはじめとした現地メーカーの勢いに押されている。
あわせて発表した24年4〜9月期の決算は、売上高が前年同期比12%増の10兆7976億円、純利益が20%減の4946億円だった。営業利益は7426億円と7%増え、2期連続で最高を更新した。世界販売は8%減の177万台で、中国を含むアジアでの減少を日米の増加では補えなかった。
世界一のシェアを誇る二輪事業は好調だ。事業別の営業利益でみると、4〜9月期は二輪が29%増の3258億円だったのに対し、四輪は2580億円と14%減った。二輪はインドやインドネシアで台数を伸ばした。前年同期に比べると、稼ぎ頭は四輪から二輪に戻ってしまった。
この日のホンダは株式の取引時間中の午後1時に決算を開示した。通例は取引時間後だった。新たに上限を1000億円とする自社株買いも発表した。5月に発表した3000億円の枠(実績は2745億円)から追加する。ただ決算発表後のホンダ株は下方修正が嫌気され、一時前日比8%安となった。午後3時5分から経営幹部がオンラインで決算を説明する。
日本経済新聞 2024年11月6日 13:10 (2024年11月6日 14:36更新)
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