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「私の先祖はおそらく入植した和人で、移民の末裔」北海道出身で在住の作家が“北海道を故郷と言えない”のはなぜなのか | 文春
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「週刊文春」編集部 15時間前
北海道を舞台にした小説は多くあるが、久栖博季さんのはじめての著書となる『ウミガメを砕く』はまったく新しい読み味を残す作品だ。現代の北海道の内側から紡がれる物語には、アイヌや少数民族をルーツに持つ者たちのアイデンティティの揺らぎが浮かび上がる。久栖さんは北海道に生まれ、現在も道東に住んで執筆をしている。
「ただ、北海道にずっと住んでいたらこういう小説を書くことはなかったんじゃないかな。大学のときに北海道を出たことが私の中で大きかったんです。北海道を外側から見ることで、『この土地はどういう場所なのだろう』という問いが生まれました。私の先祖はおそらく入植した和人で、移民の末裔であるという意識は以前から持っていました。私が出会った青森の人たちはとても自然に自分たちの土地を故郷と認識していて、そのことがすごく不思議に思えたんです。私は彼らと同じように、素直に北海道のことを故郷と言えないということに気づかされました。それがなぜなのかを考えたくて、小説を書いているんだと思います」
本書には2つの中編が収められる。今年の三島由紀夫賞の候補にもなった表題作「ウミガメを砕く」は、薄くアイヌの血をひく夕香(ゆかる)が主人公。地震により北海道が全停電したある日、夕香はアイヌであった祖父が遺したウミガメの剥製を、かつて運河だった公園に捨てに行くことを思い立つ。歴史を繙けば、この運河は和人が入植した際に掘られたものだった。
(略)
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