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衆院選で与党が過半数を割り込んだことで、岸田文雄前首相が残した課題である防衛増税の実施がより不透明となってきた。今回議席を伸ばした野党は、減税や社会保険料の負担軽減を前面に訴えている。新たな政権の枠組み次第では、医療保険に上乗せされる形で徴収される少子化対策の財源問題にも飛び火する可能性がある。(石井紀代美)
◆自民党内でも反対論、増税先送り
「急増した防衛予算を精査し、防衛増税は行いません」。議席を大幅に増やした野党第1党・立憲民主の選挙公約には、こんな文言が躍る。
「防衛増税」とは、2023~27年の5年間で計43兆円に膨らんだ防衛予算のうち、約1兆円を所得、法人、たばこの3税の増税で調達するという岸田政権が示した方針を指す。増税は有権者の評判が悪く、自民党内でも反対する声があり、実施が先送りにされてきた。
27日に投開票が行われた衆院選で、野党各党は増税に反対する姿勢を強調してきた。立憲民主は防衛増税はしないと公約に掲げ、国民民主は消費拡大を促す目的で、消費税とともに所得税減税を訴えた。日本維新の会も、消費税に加え、所得税や法人税の減税を断行すると強調した。
◆1兆円分「社会保険料に上乗せ」
岸田政権が残した財源問題は他にもある。児童手当の拡充や高等教育の負担軽減など、年間3兆6000億円を必要とする「少子化対策」だ。そのうち毎年1兆円分は26年度から社会保険料に上乗せして集めることが、岸田政権時に決定された。一方、今回の選挙戦で、国民民主や維新は若い人の可処分所得を増やすことを強調し、社会保険料の軽減を主張。政権の方針とは対立する。
野村総合研究所の木内登英氏は、「歳出を先にし、財源を後回しにした結果と言える」と岸田政権を批判。「与党は今後、政権を維持するために野党との協力が必要になり、岸田政権から引き継いだ財源問題は混迷するだろう」と予測している。
東京新聞 2024年10月30日 06時00分
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