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２０２５年大阪・関西万博に日本政府が出展するパビリオン「日本館」の起工式が１１日、会場の人工島・夢洲（ゆめしま）（大阪市此花区）で行われた。日本館は万博のテーマをアピールし、各国の要人をもてなす拠点となる。建設工事を巡っては、当初の予定価格内で応札がなく、開幕に間に合わせるため任意に業者を選ぶ随意契約に切り替えた経緯がある。
起工式には、政府から中谷真一経済産業副大臣らが出席。万博を運営する日本国際博覧会協会の石毛博行事務総長や大阪府の吉村洋文知事らも参列し、くわ入れなどで工事の安全を祈願した。
あいさつに立った中谷氏は「世界に誇る日本の技術やおもてなしの心を発信する。成功に向けては、準備段階から皆で関わり、機運醸成が重要になる」と強調した。
日本館は、ホスト国の日本政府が、万博のテーマ「いのち輝く未来社会のデザイン」を示す中核的な施設。鉄骨３階建てで延べ面積約１万１３００平方メートル。来場者に「循環型社会」を体験してもらう。
工事を巡っては建設業者の決定が難航した。１月の入札公告時の予定価格は６７億５１８０万円だったが、予定価格内での応札がなく不成立に。発注元の国土交通省近畿地方整備局は、一般競争による再入札では開幕に間に合わないとして随意契約に変更し、大手ゼネコンの清水建設と７６億７８００万円で契約した。
コスト縮減のため建物の一部仕様を見直すなどしたが、資材価格や人件費の高騰の影響もあり、当初の予定価格から約９億円の増額となった。着工は当初計画の６月中旬から約３カ月ずれ込んだが、予定通り令和７年２月末の完成を目指す。
起工式で、日本館総合プロデューサーの佐藤オオキ氏は「コストやスケジュールなど生々しい現実と日々向き合っている。開幕まで残り１年半、制作チームが一丸となり、いい形で日本館を実現したい」と語った。
9/11(月) 17:46配信 産経新聞
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