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参院は26日、マイナンバーの誤登録といったトラブルを巡り特別委員会で閉会中審査を開いた。河野太郎デジタル相は2024年秋に予定する健康保険証の廃止について「必要な措置を取った上で法律にのっとり粛々と進める」と述べた。与党側からも延期検討を求める質問が出た。
政府は現行保険証を24年秋にも廃止し原則としてマイナンバーカードと一体にした「マイナ保険証」に移行する方針だ。先の通常国会で健康保険法などを改正して定めた。
廃止日から1年間は発行済みの保険証を利用できる経過措置を設けた。河野氏は「こうした期間も使い不安の払拭に努めていきたい」と話し、25年秋までに信頼回復を進める考えを示した。
改正健康保険法は6月9日の公布後、保険証の廃止は1年6カ月を超えないうちに施行すると規定した。最も遅い期日である24年12月8日を延ばすには再び法改正が必要になる。
保険証廃止後はマイナカードのない人でも保険診療を受けられるようにする「資格確認書」を発行する。河野氏は「国民皆保険でどなたも保険診療を受けられることに変わりない」と強調した。
医療機関の窓口でマイナ保険証による確認ができない場合、患者が医療費の10割負担を求められる問題も議論になった。
厚生労働省は患者が保険種別や自己負担割合などを申し出れば窓口負担を抑えられる仕組みを近く設ける。加藤勝信厚労相は「こういった措置を一つ一つ具体的に着実に実施する」と言明した。
質問に立った与野党の議員から現行保険証の廃止の期限を延ばすよう求める声が出た。自民党の山田太郎氏は「期限ありきではなく丁寧に国民からの理解を得るべきだ。与党からもそういう声が大きくなっている」と主張した。
立憲民主党の杉尾秀哉氏は「（現行保険証を）併用すべきだし、少なくとも24年秋の期限は延期すべきだ」と訴えた。
日本経済新聞 2023年7月26日 12:41
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