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毎日新聞 2021/12/6 11:56（最終更新 12/6 11:57） 831文字
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警視庁＝米田堅持撮影
通学定期券を不正購入したとして、警視庁サイバー犯罪対策課は6日、ともにベトナム国籍で千葉県船橋市のアルバイト、ブー・ドゥック・コン（25）と、同居の日本語学校生、チャン・ティ・トム（22）の両容疑者を窃盗容疑で逮捕したと発表した。2019年3月以降、通勤定期券よりも割安な通学定期券をフェイスブックを通じて日本にいるベトナム人約120人に転売し、手数料など計約120万円を受け取ったとみられる。
逮捕容疑は今年4月28日午後1時15分～同1時半ごろ、JR総武線西船橋駅（船橋市）で、通学定期券を発行する際に券売機に設定された暗証番号を入力するなどし20～30代のベトナム人男女8人名義の通学定期券8枚（7万2720円）を不正購入したとしている。
2人は容疑を認め、ブー容疑者は「新型コロナウイルスの影響で仕事が減っていた」と供述しているという。
JR東日本では、通学定期券の購入は通学証明書などの確認が必要なため、通常は窓口で対応している。ただ、春などの繁忙期は券売機でも発行可能で、その際は立ち会った駅員が発券に必要な暗証番号を入力する必要がある。しかし、2人はその暗証番号をあらかじめ知っており、駅員が立ち会うことなく発券していたという。同課によると、チャン容疑者のスマートフォンには、他の学生が定期券を購入する際、駅員が入力した暗証番号を盗撮した動画が残されていた。同課はそれを見て暗証番号を知ったとみて調べる。
JR東日本は「管内の各駅に事案の内容を情報提供し、注意喚起による対策を講じている」としている。
同課によると、ブー容疑者らはフェイスブックの「公開グループ」で通学定期券の購入を希望するベトナム人を募集。名前や生年月日などを聞いた上で、希望区間の定期券を購入し、手数料などとして購入額の約2倍の金額を指定口座に振り込ませていたとされる。
同課が今年4月、サイバーパトロールでフェイスブック上の募集告知などを見つけ、捜査を進めていた。【柿崎誠】