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毎日新聞 2021/8/3 22:06(最終更新 8/3 22:07) 756文字
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倉掛冬生ちゃんが通っていた双葉保育園。通用口の前には花束や飲み物が供えられていた=福岡県中間市で2021年7月31日午前9時10分、中里顕撮影
福岡県中間市にある認可保育園の私立双葉保育園で送迎バス内にいた園児の倉掛冬生(とうま)ちゃん(5)が熱中症で死亡した事件で、担任保育士が、冬生ちゃんの欠席連絡がないことを知りながらも園内に姿がない冬生ちゃんの所在を園長らに確認していなかったことが、県と市の特別監査で判明した。県警は園児を預かる園の安全確保が不十分だったとみて、当時の状況を調べている。
市などによると、双葉保育園では園児の欠席連絡が保護者からスマートフォンのアプリや電話を通じてあった場合は、事務員らが事務室のホワイトボードに欠席者の名前を書く仕組みだった。欠席連絡がなくバスの送迎中に欠席が判明した場合も、園長や保育士で作る連絡網で情報を共有し、欠席が分かった順にボードに書いていく手順だった。
しかし、担任は、登園してきた園児の中に冬生ちゃんがおらず欠席と認識。その後、ホワイトボードに冬生ちゃんの名前がなく欠席の連絡も入っていないことを把握しながらも、園長や事務員らに「登園してきていない」と確認しなかったという。園の関係者によると、園長も「ホワイトボードに(冬生ちゃんの)名前がないことで異変に気づけなかったのだろうか」と周囲に話しているという。
また、冬生ちゃんが乗ったバスは計7人の園児が乗っており、うち4人は1歳児で、5歳児は冬生ちゃんだけだったことも特別監査で判明。県は、そのバスが園長の1人運行で安全管理上不適切だったとして、県内の保育園を対象に同様のケースがないか近く実態調査に乗り出す方針。
県警によると、冬生ちゃんは7月29日午前8時過ぎに園長1人が運行する迎えのバスに乗車。午後5時15分ごろ、園の駐車場に止めてあった迎えのバス車内の乗降口近くで倒れているのが見つかり、その後、死亡が確認された。【奥田伸一、中里顕】