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2021年08月03日20時39分
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イランのライシ新大統領＝６月１７日、テヘラン（ＡＦＰ時事）
【カイロ時事】イランで３日、反米保守強硬派のライシ新大統領（６０）が最高指導者ハメネイ師から認証を受けて就任した。強硬派の政権は８年ぶり。対外融和を志向した穏健派ロウハニ前政権と異なり、国際的な孤立や緊張激化も辞さない路線に傾斜するとみられ、米欧などとの核合意再建が難しくなる可能性もある。
ライシ師は６月の大統領選で圧勝。ただ、他の有力者が事前の立候補審査で軒並み失格となった上、投票率も過去最低に低迷し、国民の広い支持を得たとは言い難い。ライシ師は３日の演説で「国民が求めているのは現状を変え、新たな発展を果たすことだ」と指摘。「抑圧的な制裁の解除を目指す」と述べ、優先課題として打撃を受けている経済の立て直しに取り組む意向を強調した。
ライシ師は、反米の急先鋒（せんぽう）ハメネイ師の意向に忠実な内政・外交を追求すると目される。ハメネイ師は７月の演説で、核合意の再建協議が停滞している現状を念頭に「欧米諸国を信頼しても助けにならないことが明白となった。将来の世代はこの経験を生かすべきだ」と述べ、対決姿勢を鮮明にしている。
新政権発足を控えた７月下旬には、イランに近いオマーン沖合を航行していたイスラエル系企業運航のタンカーが何者かに攻撃された。イランは関与を否定したが、米英やイスラエルは「イランの仕業」として対抗措置を模索するなど、早くも波乱含みとなっている。
大統領の任期は４年。５日には国会で各国代表団らを招いた就任式典が行われる。