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2021年05月18日16時46分
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江戸時代の測量家伊能忠敬らが作成した「伊能小図」副本の全体図(ゼンリンミュージアム提供)
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江戸時代の測量家伊能忠敬らが作成した「伊能小図」副本の一部(ゼンリンミュージアム提供)
日本地図学会は18日、江戸時代の測量家伊能忠敬らが作成した日本地図「伊能小図」の副本が見つかったと発表した。小図は3枚組で、すべてそろった副本が確認されたのは国内2例目。地図情報会社ゼンリンが運営する「ゼンリンミュージアム」(北九州市)に昨年7月、長年所蔵していた篤志家から寄贈されたという。
国内初の副本は国の重要文化財に指定され、東京国立博物館(東京都台東区)に所蔵されている。今回確認された副本は色彩や字体が重文と酷似。模写の際に使う針穴も同様に確認され、同時期に作成された可能性が高い。
伊能忠敬らによる日本地図には、縮尺の異なる大図、中図、小図があり、文政4(1821)年に正本が江戸幕府に献上された。いずれも明治6(1873)年に皇居の火災で焼失。その後明治政府に控図が提出されたが、大正時代に関東大震災で失われた。
伊能忠敬研究会の鈴木純子特別顧問は「針穴の存在は原図から直接写した可能性が高いことを示している。副本の数は非常に少なく、大変貴重だ」と話している。
発見された副本の複製は6~8月、ゼンリンミュージアムで展示される。