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毎日新聞 2021/5/18 08:16（最終更新 5/18 08:16） 487文字
札幌市は１７日、新型コロナウイルスに感染した６０代男性が宿泊療養施設への入所待ちの間に自宅で死亡したと発表した。道内で療養施設への待機中に死亡したのは初めて。医療提供体制の逼迫（ひっぱく）で平常時より入所が１日遅れた間に容体が急変しており、即座に入所していれば助かった可能性があるという。
市保健所によると、男性は８日に陽性が判明、軽度だったため自宅で療養し、薬を飲むと平熱近くまで熱が下がった。しかし、症状が改善せず、保健所は１４日に宿泊療養施設への入所を決めた。平常時なら１５日に入所できたが待機となり、電話による容体確認では症状は安定していた。ところが、入所予定日の１６日に息苦しくなり容体が急変、心肺停止状態で搬送され死亡した。基礎疾患はなかった。
市内で稼働する宿泊療養施設は約５００室。自宅療養または待機する患者は約２５００人に上り、市は１日４００人規模の新規感染者が続いた場合、今月末には３３００人に増加すると推計する。市内は病床使用率が９８％となるなど極めて深刻な状況で、担当者は「療養施設を増やすとしても、医師や看護師の確保が難しい」と話す。【土谷純一】