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[ 2021年5月18日 05:30 ]
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新型コロナウイルスワクチン大規模接種センター大阪会場の予約受け付け画面
Photo By 共同
政府が東京都、大阪府に設置し自衛隊が運営する大規模接種センターの予約が17日、防衛省公式サイトやLINEの専用ページで始まった。開始当初は混乱を防ぐため東京23区と大阪市に住む65歳以上の高齢者で自治体から接種券が届いている人に限定し、段階的に首都圏4都県と関西3府県に対象を広げていく。
菅義偉首相がコロナ対策の「最後の砦（とりで）」と位置づける大規模接種センター。初日から予約システムに問題点が浮上した。入力時に必要な「市区町村コード」「接種券番号」「生年月日」に関して架空の情報でも予約が取れてしまう“欠陥”だ。誰でも予約を取れてしまうため、システムの信頼性に傷がついた格好だ。
会場では地元自治体から配布された接種券や予診票、本人確認のための身分証明書を示す必要があるため、実際には架空情報で予約しても受けられない。防衛省関係者は「入力する人の善意頼みのシステム。いたずらで予約して実際に接種を受けなければ、ワクチンが無駄になってしまう恐れがある。正確な情報の入力を徹底してほしい」と呼び掛けた。システムの改修作業は考えていないという。
なぜこうなってしまったのか。今回のシステムは、防衛省が民間企業に委託して運用している。市区町村の予約システムと連結していないため、接種券番号などを照会する仕組みになっていない。そもそも自治体が持つ住民の個人情報を民間企業に提供するのも難しい。防衛省はこうした事情も考慮し、短期間でシステムを構築するため架空でも入力可能な設定にしたという。
また、東京会場の予約では、今回の対象外の6月12～18日を可能とする設定ミスが判明。予約された772回分は有効とする。
この日から始まった予約には希望者が殺到。大阪会場では準備していた約2万5000件が開始からたった25分間で全て埋まった。東京会場は開始から約9時間で、用意した5万件のうち約4万1000件の予約が入った。
予約を巡っては、23区内で接種券の到着日程にばらつきがあり、手元にまだ番号が届かない住民は対象なのに予約できないという“格差”が生じている。センターと自治体との「二重予約」を防ぐ仕組みもないまま。大規模接種計画は綱渡りとなりそうだ。
《「すぐできた」驚きの声》予約初日に混乱を覚悟していた対象者からは「意外とすぐに予約できた」との声が上がった。大阪市住吉区の元教諭和田晶子さん（67）は、大阪会場の予約開始約30分前からスマートフォンでサイトに接続。午後1時すぎ、わずか1分前後で24日の接種が予約完了。「案外すぐにできてホッとした」と話した。一方、東京都大田区の日本語教師森桂子さん（67）は区から接種券が届かず予約できないまま。「テレビなどで接種券を受け取っている人の話を知ると、不公平だと思う」と憤った。