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東海道新幹線「のぞみ」が東京駅を1時間に12本出発するという新たなダイヤが7日に初めて実現した。これまでより2本多く、JR東海の「悲願」だったダイヤ。この過密ダイヤをどうやって実現にこぎ着けたのか。新型コロナウイルスの影響で乗客が大幅に減る中、いま導入する意味はどこにあるのか。JR東海でダイヤづくりを担う新幹線鉄道事業本部輸送課長代理の下村新さん(41)を直撃した。
「いつでも乗りたい列車に乗れる」
―なぜ、のぞみを2本増やしたのですか。
「『お客様がいつでも乗りたい列車に乗れる状況を作り出す』というコンセプトでダイヤを作っていますが、のぞみを1時間に10本運転しても、金曜の夕方には出張帰りのお客様などで東京発の列車の指定席が満席になることがありました。ダイヤは鉄道会社の商品。指定席が埋まることは、商品が売り切れているのと一緒です」
「今年3月に(東海道区間では最速270キロだった)700系が引退することになり、車両の最高速度が285キロに統一されて車両性能を最大限生かした抜本的なダイヤ改定ができることになりました。のぞみの運行本数を増やし、合わせて所要時間も短くすることで、量と質を良くしたいと考えました」
―検討はいつごろから始まりましたか。
「5年前からです。ダイヤ作成を担当する部署だけでなく、施設や車両、電気などの部署からメンバーが加わり、検討会でアイデアを出し合ってきました」
―のぞみ12本のダイヤを実現する上での課題は。
「一番難しいのが、東京駅での発車の間隔をどう短くするか。東京駅はホームが三つありますが、(品川方面につながる)線路は上下2本だけで、ボトルネックになっています。改正前のダイヤでも1時間に最大でのぞみ10本、こだま3本、ひかり2本と回送列車が3本発車していました。車両の加速性能が良くなっただけでは、さらに2本分の時間は捻出できません」
―どう解決したのでしょう。
「たとえば、東京駅に向かう新…(以下有料版で、残り1787文字)
朝日新聞 2020/8/7 18:00
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