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毎日新聞2020年5月30日 10時19分(最終更新 5月30日 10時19分)
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完成した金沢港クルーズターミナル＝金沢市無量寺町で2020年5月29日午後3時4分、阿部弘賢撮影
県都の「海の玄関口」となる金沢港クルーズターミナル（金沢市無量寺町）が6月1日にオープンするのを前に29日、現地で報道陣向けの内覧会が開かれた。急増するクルーズ船の乗客の利便性を向上するターミナルは「誘客拡大に向けたプロジェクトの一つ」（谷本正憲知事）と位置づけられていたが、新型コロナウイルスの感染拡大で寄港のキャンセルが続出。視界不良の中での“船出”となる。
ターミナルは地上3階建て（延べ床面積約1万600平方メートル）で、大型ガラスを多用した開放的な空間が特徴。1階はクルーズ船が2隻同時に着岸しても乗客を円滑に出入国させることができる広い空間のほか、観光案内所や県の伝統工芸技術を施した柱のある待合エリアなどで構成される。2階は金沢港について学べる体験ルームやレストラン、会議室、展望デッキを備え、寄港時以外も活用できる。事業費は約34億円。
世界的なクルーズ旅行ブームを受けて、金沢港へのクルーズ船の寄港は2017年に過去最多の55隻を記録。乗客数も19年までの7年間で30倍近くになるなど右肩上がりだった。今年も過去最多に迫る54隻が寄港する予定だったが、新型コロナの影響でこれまでに30隻の寄港がキャンセルされた。
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金沢港について学べる部屋には、船の操縦を疑似体験できるシミュレーターもある＝金沢市無量寺町の金沢港クルーズターミナルで2020年5月29日午後2時14分、阿部弘賢撮影
当初4月4日に予定されていた建物のオープンは2度の延期を余儀なくされ、感染拡大防止のため6月1日にも記念行事は開かない。25日には、米旅行社主催のクルーズ船の寄港が予定されているが、多くの国々からの入国が制限される中、実現は困難な情勢だ。
県港湾活用推進室の担当者は「新型コロナで状況は大変厳しいがV字回復を目指し、精いっぱい利用者をもてなしたい」と話した。【阿部弘賢】