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世界で最も高価な軍用機B2。価格は1機当たり20億ドルを超える/Getty Images/Getty Images Europe/Getty Images
Jacopo Prisco, CNN
「全翼機」の設計を取り入れ、レーダーにほぼ映らない爆撃機B2スピリットは、軍用機の中でとりわけ異彩を放っている。世界で最も高価な軍用機でもあり、1機当たりの値段は20億ドル(約2200億円)を超える。
冷戦の産物であるB2は当初、ソ連の防空網への侵攻を念頭に開発され、通常兵器と核兵器の両方を搭載する予定だった。しかし初飛行から間もない1989年、今から30年あまり前にベルリンの壁崩壊で冷戦が終結したため、B2がロシアの領空内に入ることはついになかった。
とはいえ、そんなB2も相応の戦闘は経験してきた。1機目は93年にミズーリ州のホワイトマン空軍基地に引き渡され、今でも同基地がB2部隊の運用拠点となっている。初の実戦投入は99年のコソボ紛争だった。
B2は現存する航空機の中で屈指の洗練度を誇る。空中給油を挟んで世界のあらゆる場所の目標に到達し、基地に帰投することが可能だ。戦闘中に損失した機体はこれまで1機も出ていない。
B2の搭乗経験がある航空宇宙専門家、レベッカ・グラント氏は電話インタビューで「B2は唯一無二の機種であり、過去に設計された他のどの航空機とも似ていない」と指摘。「操縦席から見た飛行中の主翼は特徴的で、単なるふつうの航空機というより、感覚を備えた存在を思わせる。どのB2も独特の個性を持っていると言われ、『彼女』と女性代名詞で呼ばれることが多いのはそのためかもしれない」と語る。
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2020.02.23 Sun posted at 12:10 JST