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毎日新聞2020年2月20日 10時30分(最終更新 2月20日 10時34分)
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警察庁が入る中央合同庁舎第2号館＝東京都千代田区霞が関で、本橋和夫撮影
警察庁は20日、高齢者らから資産状況などを聞き出そうとする不審な「アポ電（アポイントメント電話）」が、2019年4月から12月末までに全国で9万1798件あったと発表した。「オレオレ詐欺」などの犯罪グループが電話しているとみられる。住宅が襲撃されて犠牲者が出たケースもあり、警戒を呼び掛けている。
アポ電は、現金の保管状況や家族構成などを聞き出す不審な電話の略称。息子や孫になりすますほか、警察官を装って個人情報などを聞き出そうとする手口もある。
警察庁が19年4月に統計を取り始めたところ、全都道府県で確認されたが、特に大都市圏が狙われていた。最も多かったのは東京の2万5558件で、埼玉9242件▽千葉7553件▽神奈川6790件▽大阪6730件―と続いた。この5都府県で全体の約6割を占めた。
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主なアポ電強盗
19年2月には、東京都江東区で、1人暮らしの女性（当時80歳）がアポ電を受けた後に自宅で襲われ死亡する強盗致死事件が起きている。アポ電から強盗に発展した事件は、17年が1件（神奈川）▽18年が2件（神奈川、大阪）▽19年が11件（東京5、群馬2、神奈川・静岡・茨城・埼玉が各1件）。今年は東京で1件、神奈川で2件起きている。
警察庁は、固定電話を普段から留守番電話に設定したり、自動通話録音機を活用したりする対策を呼び掛けている。自動通話録音機は着信時に「防犯のため通話が録音されます」とメッセージが流れ、警戒した犯人が電話を切る効果が期待できる。全国の自治体などが無償で貸し出している。
一方、昨年1年間のオレオレ詐欺など特殊詐欺全体の認知件数（速報値）は前年比5・6％減の1万6836件で2年連続減少した。被害額も前年を21・3％下回る301億5000万円と5年連続の減少だった。しかし、被害額は8年連続で300億円を超え、警察庁は「依然として深刻な情勢」としている。【佐々木洋】