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毎日新聞2020年2月20日 11時30分(最終更新 2月20日 11時40分)
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卒業列車の車内で紅茶で乾杯する生徒たち＝熊本県高森町で、杉山恵一撮影
3月の卒業式を前に、熊本県の第三セクター「南阿蘇鉄道」が地元の県立高森高校の3年生39人を招待し「卒業列車」を走らせた。生徒たちは3年間の思い出を振り返りながら約1時間の列車の旅を楽しんだ。
高森高の最寄りは、南阿蘇鉄道始発の高森駅。高生徒の卒業祝いと利用促進を兼ねて南阿蘇鉄道が始めた卒業列車は11回目となった。
臨時ダイヤで運行し、特別仕様の車内は通路に机を置いて飲食を楽しめるように工夫した。生徒たちは紅茶で乾杯後、用意されたぜんざいを味わいながら車窓を眺め、クイズをするなどして楽しんだ。
2016年4月の熊本地震で被災した南阿蘇鉄道は、現在も全線（17・7キロ）の約4割の区間での部分運行が続く。便数も減少したため、高森高で現在、列車通学する生徒はゼロだ。この日は、生徒たちが早期の全線復旧運転を願い、南阿蘇鉄道社員に「折り鶴」を贈る場面もあった。
大分市の短期大学に進学するという後藤優々美（ゆうみ）さん（18）は「被災前は町外へ遊びに行くときに列車を利用した。今日はわいわいと楽しめて新鮮。大学の友人に南阿蘇鉄道を紹介したい」と話した。【杉山恵一】