15/08/11 10:26:12.63 .net
―紛争が多い地域でも過去と現代化の融合は可能ですか。誰が指導力を発揮すべきですか。
「指導力の問題は難しい。最後は人々が自らなすべきことだ。無人機で過激派組織『イスラム国』(IS=Islamic State)のリーダーを一人殺せば済む問題ではない」
「これは知性への挑戦だ。ISは(戦闘員の勧誘で)ペンとインターネットが強力であることを示したが、ペンの強さは良い方向にも働く。
そのためには欧米が発想を変えなくてはいけない。アジア人を『ペンよりも銃を好む二級市民』だと思わないことだ」
ユーロは失敗
―中印も日本モデルに向かいますか。
「中国はその方向にある。毛沢東が教育と医療を重視していたので、それを無視し続けたインドとは違う。日本とは政治に違いはあるが、
国が医療や教育を支え、市場経済のインセンティブもあるという点で共通する」
「インドは民主主義というチャンスをしっかりとつかむのが下手だ。伝統的な格差、カースト制が恵まれた人とそうでない人を分けてしまい、左派のリーダーでも大衆を守ることはなかった」
―欧州の単一通貨ユーロは失敗だと主張していますね。
「域内の為替変動の柔軟性が損なわれ、多くの国が苦しんでいる。平和のための欧州統合は重要だが、通貨の統合は必要ない。
政治や財政の統合前に導入したのも失敗。(域内の対立を生み)当初の理念を達成するのはむしろ困難になった」
(聞き手はジュネーブ=原克彦)